【第6話】総額8,000万円の恐怖!アメリカの過酷すぎる入院サバイバル
前回の第5話は下記から
ICU(集中治療室)での生活は、気づけば1週間が経過していました。
体中を這い回る3本のチューブと点滴。
それでもドクターは毎日、
「とにかく食べてパワーを取り戻せ!」
と僕を急かします。
2週間目には一般病棟に移るまで回復できました。
この病院の食事システムは少し変わっていました。
自分で病院内のカフェに電話して、
好きなメニューをデリバリーしてもらうスタイル。
料金は入院費込みです。
最初は
「朝はサンドイッチ、昼はカスタムハンバーガー、夜はグリルチキン」
とアメリカンなラインナップを楽しんでいましたが、
3日も経つと胃が悲鳴を上げました。
弱り切った僕の体が本能的に求めたのは、
ハンバーガーではなく「出汁(だし)」と「米」でした。
「……丸亀製麺が食べたい」
僕はナースに交渉し、
病院へのウーバーイーツを成功。
「oh!! sounds good idea!」
と相変わらずのノリ!!
届いたうどんですがたまに間違っていることも・・・・

アメリカの物価に配送料が乗り、
目玉が飛び出るような値段でしたが、
一口すすった瞬間に日本を思い出しました….
お供は、これまたウーバーで大量注文した「おーいお茶」
ドクターから「too much caffeine!」と釘を刺されるほど、
僕は病室で必死に「日本」を補充していました。
一方で、この極限状態は
僕の英語力を爆発的に進化させました。
毎日シフトで入れ替わるナースたちは
驚くほどフレンドリー。
点滴を替えに来るたびに、
日本の話、アニメの話、サンディエゴのおすすめスポットの話…
中にはワンピースの「電伝虫」を
着信音にしているドクターまでいて、
診察のたびに「プルルル……」と鳴るのがシュールでした。
「命に関わる説明」以外は通訳を断り、24時間英語漬け。
気づけば、最後の方は通訳なしで
ドクターと対等に議論している自分がいました。
しかし、体調は一進一退でした。
8キロも激痩せし、心拍数がなかなか下がらない。
心臓に問題がないか見るために
ドクターから提案されたのは、
股の付け根から心臓まで管を通す
「カテーテル検査」でした。
「始めるよ!」という掛け声もなく、
いきなり麻酔を打たれ、意識がある中で
心臓を探られる恐怖。
術後3時間は微動だにできず、
ベッドの上で天井を見つめながら、
僕は心に決めました。
「……もう、限界だ。退院したら、一足早く日本に帰ろう」
そんな僕の前に、
病院の会計士がひょっこり現れました。
「支払いの件だけど……」
アメリカでは、まず病院と保険会社がやり取りし、
残った額を患者が払います。
僕の保険は幸い「無制限」だったので、
自己負担はわずか20ドル
(約3,000円)程度で済むと言われました。
「で、トータルの請求額はいくらだったんですか?」
軽い気持ちで聞いた僕に、彼女が見せた数字。
そこには、僕の人生で見たこともない桁が並んでいました。
「$510,644(当時のレートで約8,000万円)」
「え!!!!!!」

「もし保険に入っていなかったら、
僕は今、ここで人生が詰んでいた……」
震える手でその数字を見つめていたとき、
日本のエージェントから連絡が入りました。
「保険会社がDKさんの情報を欲しがっています。
直接やり取りした方が早いですよ」
病み上がりの僕は、
その提案を二つ返事で受けてしまいました。
一刻も早く、日本の土を踏みたい。
その一心でした。
でも、その決断こそが、
退院後の僕をさらなる地獄
「保険会社との3週間にわたる泥沼の交渉」
へと引きずり込むゴングだったのです。
第7話へ続く….
お読みいただきありがとうございました!
激動のサンディエゴ生存記、次回の第7話は【6月2日(火)18時】に公開します。
次回の第7話:【第7話】退院即、ゴング。病み上がりの僕に襲いかかる大人の理不尽
8,000万円の請求書を突きつけられ、体調も最悪な僕を待っていたのは、冷酷な海外保険会社との死闘でした。お楽しみに!
前のお話:【第5話】
ここまでの留学シリーズはこちらから
