【実戦レポ】Pacifica SC Standard Plus をスタジオで使ってみた|バンドでの音抜け・使い勝手を徹底レビュー
こんにちは。
ギター歴23年目の会社員ギタリスト、ますこです。
3月の頭に購入した「YAMAHA Pacifica SC Standard Plus」ですが、その後何度かスタジオに入ってバンドで音を鳴らしてきました。
「Pacifica SCって、バンドでちゃんと使えるの?」
「スタジオだと音が埋もれたりしない?」
そんな疑問を持っている人も多いと思います。
Pacifica SC をバンドで鳴らしてみて感じたのは、「扱いやすくて万能だけど、セッティング次第で評価が変わるギター」だということでした。
実際に使ってみて感じたポイントはこんな感じです。
・コードの分離感が良く、テンションも綺麗に鳴る
・1本で幅広い音作りができて便利
・出力が高く、歪みペダルでしっかり歪む
・ドンシャリにすると気持ちいいが、バンドでは埋もれやすい
・トレブルの調整がややシビア
・“Pacifica SC ならでは” という個性的な音はしない
購入したときの記事はこちら。
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結束バンドで使ってみた

Pacifica SC Standard Plus を、直近でライブが控えている2バンドで使ってみました。
一つは、ぼっち・ざ・ろっく!の結束バンドのコピバンです。僕は喜多ちゃんパートのバッキングギターとコーラスを担当していて、今まではムスタングで弾いていました。
ムスタングの軽めの音も悪くはないのですが、曲ごとに歪みのキャラクターを変えようと思うと、少し音作りの幅が狭いと感じていました。
❚ Pacifica SCは音作りの幅が広い!

Pacifica SC はフロントがハムになっていたり、リアのシングルコイルにフォーカススイッチが搭載されていて疑似ハムちっくに使えたりするので、音作りの幅が広いという特徴があります。
ぼざろバンドではこの特徴がハマりました。
例えば、同じ RAT2 で歪みを作っても、フォーカススイッチ OFF で弾くとハイが抜けて歯切れの良いディストーションサウンドになり、フォーカススイッチを ON にすると中音域が前に出て、厚い音になります。
僕の場合、「ギターと孤独と蒼い惑星」を弾く際はフォーカススイッチを ON に、「忘れてやらない」を弾く際は OFF にして、曲の雰囲気を演出しています。
❚ テンションコードがきれいに鳴る!
結束バンドは、テンポが早いのに複雑なテンションコードが多用されているという、バッキングギター泣かせの曲が多いです。
ムスタングの場合、良くも悪くも和音が塊感のある響きになるのですが、Pacifica SC では複雑な響きのコードを弾いても音がちゃんと分離して、バランスの良い和音として聴こえます。
「音がハッキリ聴こえる!」
と、ぼざろバンドのボーカリストの方も驚いていました。
コードがきれいに聴こえると歌も歌いやすく、音程が取りやすいですね。僕はコーラスも担当しているのですが、ハモリの音が取りやすくなったと感じました。
❚ トレブルの設定が肝
フォーカススイッチを OFF にした音は結構ハイがキツめに鳴ります。僕は JC-120 で音作りをするのですが、ハイを意識して下げ目にしないと、キンキンとした音になりがちだなと感じました。
一方でフォーカススイッチを OFF にするとハイが引っ込んでミドルが出てくるため、トレブルを下げすぎると今度はこもって聴こえます。
ここのバランスを取るのが少し難しいですね。
アンプから離れたところで音を聴きながら、トレブルの設定とエフェクターのトーンの設定でバランスを取るようなイメージでサウンドを作っていくといいと思います。
パール・ジャムバンドで使ってみた

次はガラッとジャンルが変わりまして、パール・ジャムのコピバンでも使ってみました。パール・ジャムはオルタナグランジロックという感じのサウンドなので、荒々しい歪みが重要です。
ムスタングは荒々しいという点ではぴったりなのですが、はやり少しパワー不足が否めず…。
もう1人のギタリストが PRS のパワフルなギターを使っているということもあって、ムスタングだと若干存在感が薄くなってしまっていたのが悩みでした。
❚ パワフルに歪んで存在感UP!
Pacifica SC はムスタングに比べるとパワフルで、歪みのゲインノブを下げ目に設定しても良く歪んでくれます。
フォーカススイッチを ON にするとかなり厚い音も作れるので、今までムスタングに感じていたパワー不足を感じることなく、PRS に負けない音圧で演奏できました。
フォーカススイッチはシングルコイルの歯切れの良いハイの感じも残しつつミドルが強調されるので、ギターソロでブースターを踏んだ際も弾いていて気持ちのイイサウンドになります。
こっちのバンドでは基本フォーカススイッチ ON 状態で音を作りました。
❚ ドンシャリは気持ちいいがバンドでは埋もれる
家で音作りをしているときは、RAT で歪ませて EQ をドンシャリな感じにするとかなり良い音になる気がしたのですが、バンドでそれをやると、ギターの音がベースやドラムとぶつかってしまい埋もれてしまいました。
パワーがあるギターでも、やはりミドルをある程度持ち上げた音作りにしないと、バンドアンサンブルの中で抜けてこない音になるんだなぁと学びました。
JC-120 の EQ 設定はムスタングのときと大体同じ感じに落ち着いて、トレブルが9時、ミドルが13時、ベースが12時くらいになりました。
個性的なサウンドというよりも、万能選手

これは、試奏した際にも感じたことではありますが、Pacifica SC にしか出せない個性的で尖ったサウンド、という特徴はやっぱりあまり感じません。
例えばムスタングは万能選手では全然ないけれど、ムスタングにしか出せない “空気感” みたいなモノが確実に存在しています。
それが、ムスタングをムスタングたらしめているわけですが、Pacifica SC にはそういった “個性” のような強いキャラクターはあまり感じないですね。
でもこれはネガティブな印象ではなく、作りたいサウンドがちゃんと定まっていれば、それをきっちり鳴らしてくれる万能選手、というタイプのギターなのだと思います。
まとめ

今回、ポップロック系のぼざろと、グランジ寄りのパール・ジャムという全く違うジャンルで使ってみましたが、Pacifica SCは「幅広いジャンルに対応できる万能型のギター」だと感じました。
一方で、音作り次第では簡単に埋もれてしまう繊細さもあるため、「とりあえず良い音」を出すというよりは、「バンドの中でどう聴こえるか」を意識してサウンドを作り込むことが重要なギターだと思います。
そういう意味では、レスポールと言えばこの音、ストラトと言えばこの音、のようなアイコニックなものがないので、自分の中に出したい音が定まっていないと、音作りの方向性がぼやけてしまうかも知れません。
つまり、自分の色に染められる、真っ白なキャンバスのようなギター、という感じです。
Pacifica SCはこんな人におすすめです。
1本で幅広いジャンルに対応したい人
ペダルだけでなくギター本体も駆使して音作りをしたい人
歪みペダルとの相性が良いギターが欲しい人
逆に、
強いキャラクターのあるギターが欲しい人
弾くだけで “それっぽい音” が出てほしい人
には、少し物足りなく感じるかもしれません。
以上、Pacifica SC の実戦レビューでした。
もうじきライブでも使ってみる予定なので、その感想はまた追って記事にします。お楽しみに!
