AIを触らないまま時間が過ぎてしまった人へ「今さら始めても…」と思ったときの最初の5分【生成AI部下と上司の仕事日誌】(最終回)
システム部門でPMOをしている、元・非システム系の立場から、「現場で本当にあったAIの困りごと」とその乗り越え方を書いています。
「部長……ちょっといいですか」
昼休みの終わり際。
アグボくんが、少し言いづらそうに声をかけてきた。
「どうした?」
彼は少し間を置いてから、こう言った。
「実は……僕、まだAIを一度も触ったことがないんです」
部長は、少し驚いた顔をした。
「そうなのか?」
「はい……」
アグボくんは苦笑いする。
「周りでは“AI使え”“AI使え”って言われるじゃないですか」
「うん」
「でも、言われるほど逆に触りづらくなってしまって」
彼は続けた。
「それに……」
「“そんなことも知らないの?”って言われそうで」
少し恥ずかしそうに、こう付け加えた。
「気づいたら、半年。
気づいたら……もう一年くらい経ってました」
部長は静かにうなずいた。
「それ、珍しくないよ」
この連載は、実際に寄せられた相談の中から
「これは多い」と感じたテーマを取り上げています。
ひとりの失敗談ではなく、
現場のあるあるとして読んでもらえたら嬉しいです。
全20回を予定しています!
20回まで到達したので、最終回を追加して書きました。
※このシリーズのまとめはこちら
実は、あなただけじゃない
実際の調査でも、生成AIを仕事で一度も使ったことがない人は少なくありません。
ある調査では、およそ4割前後という結果も出ています。
つまり、
「まだ触っていない」
というのは、決して珍しい話ではありません。
むしろ多くの人が、こんな気持ちを抱えています。
AIは難しそう
今さら聞けない
何を聞けばいいか分からない
間違えたら恥ずかしい
でも実は、
AIをまだ使っていない人の悩みは
技術ではありません。
ほとんどが、
心理的なハードルです。
🤯 よくある「AIを触れない理由」
実際によく聞くのは、こんな声です。
① 何を聞けばいいか分からない
AIって何でもできるらしい。
でも、逆に言うと、
「何から聞けばいいの?」
となって止まる。
② 正しい使い方を探してしまう
せっかく触るなら、
「正しい使い方」を知ってから。
そう思って調べているうちに、
半年
→ 一年
と過ぎてしまう。
③ “そんなことも知らないの?”が怖い
社内でこう言われることもある。
「え、まだAI使ってないの?」
この一言が刺さってしまい、
余計に聞けなくなる。
💡 処方箋:AIは“雑に触る”から始まる
AIを使い始めるのに、
難しい準備は必要ありません。
おすすめは、次の4ステップです。
🩺 処方箋①
まずは仕事と関係ない質問をする
いきなり業務で使おうとすると、
ハードルが上がります。
まずは雑談レベルでOKです。
例えば、
「冷蔵庫にある“卵・キャベツ・鶏むね肉”で作れる晩ごはんを教えて」
これだけでも大丈夫。
AIは、
思ったより普通に会話できます。
🩺 処方箋②
“正しい質問”を探さない
多くの人がここで止まります。
でも、AIは
雑な質問でも普通に答えてくれます。
例えば、
「AIって仕事で何に使えますか?」
これで十分です。
“そんなざっくりでいいの?”と思うかもしれませんが、むしろそのくらいの方が会話が続きやすかったりします。
🩺 処方箋③
検索の延長として使う
AIは「特別なツール」ではありません。
まずは、検索の代わりに聞いてみる。
例えば
「◯◯制度について、まず概要だけ教えて」
「あとで詳しく聞きます」
このくらいの感覚でOKです。
🩺 処方箋④
5分だけ触る
長く触る必要はありません。
5分だけ。
会社が許可しているAIツールや、
個人用のアカウントで構いません。
まずは触ってみる。
それだけで十分です。
🎬 エンディング
「センスのある人の方が上手に使えるよね。自分はセンスがないから、なかなか思ったようなのができない…」
今日、上司にそう言われました。
たしかに、センスがある人の方が、うまく引き出せる場面はあるかもしれません。
でも私は、センスよりも“コツ”だと思っています。
雑にプロンプトを入れても、AIはそれなりに答えてくれます。
でも、「なんか違うな」と感じることも多い。
その差を生むのは、“前提の伝え方”です。
こちらが
・何に悩んでいるのか
・何を知りたいのか
・どんな形でほしいのか
を、実際の部下に説明するように、丁寧に順序立てて伝える。
それだけで、AIの答えはぐっと自分ごとに近づきます。
その後、上司がこんなことを言いました。
「実際の部下に伝えるように、丁寧に順序立てて、わかりやすくプロンプトを作れる人の方が上手なんだよね」
私はつい、こう返してしまいました。
「そうですね。〇〇さんは生成AIへの指示はすごく丁寧ですけど、部下には…どうでしょうね?」
上司も「たしかに…」と笑っていました。
AIにできるなら、部下や仲間にも、同じくらい丁寧にできたらいいですよね。
自分にもブーメランだなと思って、身が引き締まりました。。。
📌 最後に
この連載では、
AIの失敗
AIの迷い
AIの勘違い
をたくさん書いてきました。
でも、本当に伝えたかったことは
一つだけです。
AIは、
特別な人のためのツールではありません。
ちょっと触ってみた人のところに、
少しずつ仕事の変化が生まれる。
それだけです。
この連載はここで終わります。
でも、
AIとの仕事は、ここから始まります。
もしよかったら、
「AIをまだ触っていない理由」や
「最初に聞いてみたいこと」
コメントで教えてください。
きっと、
同じところで止まっている人がいます。
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