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「問題を起こさない人」が社員のメンタルを壊すー「指示待ち」が生まれる構造と評価の設計

こんにちは、えめです。

職場にこんな人いませんか?

言われたことはきちんとやる。
でも、自分の意見はあまり出てこない。
違和感があっても言わない。

改善案を一緒に考えるより、指示を待つ。
リスクの気配がすると、距離を取る。
何より大事なのは、現状維持。

「これ、ちょっとおかしくない?」
「たぶん失敗するよな……」
そう思っても、
それが指示なら、そのまま実行する。

「問題を起こさない普通の人」


どこの会社にもいますよね。


一見すると、
“普通”で"無難"な、よくいる社員。

でも、
判断を人に依存する

できないんじゃない、
判断しないことで、安全を確保する

回避傾向のあるタイプ。


このタイプ、
実は、見えないところで、
地味に問題を起こしています。


今回のテーマは
「問題を起こさない人」が起こしている問題

判断を人に依存する
「問題起こさない普通の人」が起こす、
静かなメンタルダウンの構造
を解説していきたいと思います。

「普通」の顔をした「依存」

問題を起こさない普通の人
彼らはマジョリティです。
言われた通りに大人しく指示に従う
それは「普通」で「当たり前」。

自分は問題なくやっている。
評価もされている。
大きな失敗もしていない。
そんな感覚で、
日々与えられた仕事をこなします。

上司の思惑と外れたことをするのは悪いこと。
それをするのは「問題児」。
彼らは、
嫌われたくない。
波風を立てたくない。

だから、
判断を人に依存する。
判断しないことで、安全を確保する。


仕事の結果は他人事。
責任やリスクは回避する。
自分がトラブルを起こさなければOK。
そう思っています。


そして、そのツケを
いつも見えないところで
責任感の強い人が回収する

臨床での相談でも、
「他の人の仕事のツケ」を払いながら
会社を守り続けた人が
メンタルダウンしているケースを、
パワハラなどのケースより多く見かけます。

しかし、
この“普通”の勤務態度に疑問を持つ人は、
正直あまり多くありません。


「問題を起こさない普通の人」は、
・誰が、どこで、どれだけ判断しているのか
・どれだけのリスクが先回りして回収されているのか
・自分がどれだけ支えられているのか
自分の仕事が回っている理由を、
「自分」と結びつけて認識していません。



一方、管理側はこう考えます。
成果への影響を避けたい。
トラブルを避けたい。
納期や品質を守りたい。

そのため管理職は、
スルーされた判断や責任を
引き受けざるを得なくなります。

そして、そのうち疑問に思います。

自分で考えて、シミュレーションして、
相談したり、提案したりしないの?



しかし、
そんな問いかけをしようものなら、
ある逆質問が返ってきます。


「考えろって言うけど、どこまで?」
「従う」と「考える」の境界はどこ?



「考える」とは?
これを指示してくれないと、動かない。

実は、彼らの価値観は、
「仕事=作業」
減点されないことが最優先。


ある社会背景から生まれた
構造に縛られているのです。

次は、
彼らの認知構造が「仕事=作業」になった、
社会背景についてお話します。

「仕事=作業」という"思いこみ"


「問題を起こさない普通の人」には、
このような価値観があります。

「自分の意見が違っても、
上司の言うことには従うのが美徳」
「上司の言うことに素直に従わない人は“問題児”でしょう?」

この価値観は、
ある意味では正しい。

だからこそ、管理側は
「自分のマネジメントが悪いのか」
と追い詰めてしまいます。


しかし、
この価値観には、
大きな"認識のズレ"があります。

背景にある考え方は、

仕事=作業

仕事とは、
決められたことを実行すること。

管理者は、判断する人。
労働者は、判断せず実行する人。

こんな“常識”。

しかし、
「仕事=作業」の考え方は
仕事が複雑化した現代、
ほとんどの現場で成り立ちません。

判断しなくていい現場なんてない

ここが、ズレポイントです。


では、
なぜ「仕事=作業」だと
思ってるのでしょうか。

その背景には、
・社会システム
・社会の風潮
この二つが絡んでいます。

「工場モデル」が残る教育と労働環境

産業化が進んだ19〜20世紀、
工場では、仕事をこう設計しました。

仕事=作業
作業を、誰でもできるようにする。
考える人と、作業する人を分ける。


このモデルは、
学校教育にも入り込みます。

評価されるのは
・指示を守る
・ミスをしない
・正解を出す

つまり、
正しく作業できる人。

さらに現在は、
労働法の影響で、
・会社は社員を守る
・「仕事=作業」人材を管理するシステム
このような環境の縛りがあります。

これらの要因により、
仕事=作業
という前提が、
社会で強調されてきました。

「失敗は悪」が判断を止める

さらにもう一つ、
「仕事=作業」認識を強めた
社会の風潮があります。

それが、
「失敗は悪」
という文化です。

戦後の日本では、
戦争のトラウマを抱えた世代が
職場の中心にいました。

戦争トラウマにより、
感情の暴発を招きやすい上の世代
に配慮する中で、

・波風を立てない人が安心
・「失敗」は、減点評価の対象
・無難な人が評価される

このような風潮が生まれました。

つまり、
減点されないことが最優先の社会。


この価値観は、
「仕事=作業」
という考え方と非常に相性がいいです。

判断すると失敗のリスクがある。
失敗は減点。

でも、
自分の頭で考えてこなかった。
自信がない。

ならば、
自分の役割は「仕事=作業」
ということにして
判断しないでいた方が、
都合が良い。

だから、
仕事=作業
減点されないことが最優先

そう思うことにする。

そんな認知構造が出来上がります。


そして、
「これが普通でしょ」
と、安全な「普通」ラベルに逃げ、
社会の風潮を味方に、
マジョリティの顔をするようになったのです。

判断しない人はツケを生む
次は、ツケによって起こる職場の破綻構造について解説します。

判断しない人はツケを生む

「仕事=作業」として
「判断しない人」が増えるほど、
現場はだんだん成り立たなくなります。

判断しない人はツケを生む


まず前提として、
中間管理職はもともと
かなり多くの仕事を抱えています。

経営の方向を理解しながら、
現場の状況を見て判断し、
人を配置し、
人を育てる。

経営判断と現場の板挟みです。


現場には
・成長途中で手がかかる人材
・明確な問題児
というリソースが必要な存在もいます。

さらに会社によっては
社長の方向性が
曖昧だったり、
途中で変わることもあります。

ただでさえ複雑な現場に、
判断しない人」が複数いると、
管理者はキャパオーバーになります。

判断しないツケは、誰かが回収させられる

管理者以外で、
よくツケを回収する役に回ってくれるのは、
・気がつく人
・優しい人
つまり、
お客さんからも評判良く、
現場で重宝する、
辞めて欲しくない人材です。

しかし、
「判断しない人」が成長しない限り、
ツケは増え続けます

すると、
ある日、ツケを回収する限界が来て、
オーバーワークで
メンタルを壊してしまいます


つまり、

「問題を起こさない人」
=安全な人材

どころか、

「問題を起こさない人」
=判断しない人
=ツケを生む人
=社員のメンタルダウン原因

という構造になることもある。


判断しない人はツケを生む
判断しないツケは、誰かが回収させられる


ここに気づいてもらわないと、
この状況は止められません。

次は、
評価=加点−減点
の視点から、
この構造を崩す設計を見ていきたいと思います。

評価を変えれば、現場は変わる

そもそも
「判断しない人」が勘違いしているのは、
"無難に作業していたら評価される"
そう思っているところです。


しかし、
評価の本質は違います。

評価=加点−減点
加点ゼロなら評価ゼロ。



判断しない、失敗しない。
これで、
減点はされないかもしれません。

ですが、
減点を恐れて
・リスクを回収しない
・挑戦や提案もしない
これでは
加点の余地がありません

減点ゼロでも、
加点ゼロなら評価はゼロです。

一方で、
減点があったとしても、
加点を作る努力をしてる人は、
最初こそ
問題や未熟さがあったとしても、
最終的には
評価が上がっていきます

つまり、
お客様や現場のことを真摯に考えて、
加点になる仕事をしている人の方が、
戦力になると評価される。


加点せずして
仕事は成り立たないのです。


ただ、ここで、
多くの企業が迷子になっている
問いが発生します。

それが、
「何をした時に加点になるのか?」

加点は理念で決まる

何をした時に加点になるのか。

その答えは、
とてもシンプルです。

理念です。

加点=理念の方向
理念に従っていれば加点される


理念とは、
私たちは何をする組織なのか
という方向です。

つまり、
会社がどこに向かう組織なのか
がはっきりしていれば、

社員は
・何を目指せばいいのか
・何が評価されるのか
を理解することができます。

例えば、えめの理念だと、

みんなを
生きるエネルギーを奪う理不尽から解放したい。

この方向に向かって行動していれば、
それはすべて加点になります。


理念というと、
立派で綺麗な言葉に
整えないといけないと思われがちです。

しかし、
理念はシンプルなもので構いません。

経営理念は想い
ミッションは行動。
ビジョンは結果。

「この世から不治の病をなくしたい」
という想いがあり、
「万病を治す薬をつくる」
という行動が生まれ、
「家族が病で亡くなることのない世界」
という結果になる。

ドラッカー5つの質問 山下淳一郎著

この表現のように、
理念がシンプルであればあるほど、

社員は
加点=理念の方向
理念に従っていれば加点される

と理解しやすくなり、
自分で判断できるようになります。

次に、
減点の本質についても触れておきます。

未熟さに気づく環境をつくる

方向性がわからないだけの人なら、

加点=理念の方向
つまり
我々は何をする人か

が分かれば、
自走して判断し始める可能性があります。


しかし、
「仕事=作業」が
自分にとって「都合が良い」人は、
多くの場合、
自分にとって不利になる方向には
動きません


この状況を変えるには、
評価のルールを変える必要があります。

例えば、

・判断、提案、リスク回収を評価する
・失敗を減点評価するのではなく、そこから何を学び、どう修正したかを評価する


このように
判断をした方が得
と感じる設計にすること。


そしてもう一つ必要なのが、
環境のゲームチェンジ

減点=未熟さ
未熟さに気づく環境を作る


つまり、
今のままでは自分が困る
という状況を作ること。


その一つの方法が、
成長を可視化した評価表です。

この表は、
私が勝手に考えて作ったものではありません。

人は、本能的に、
減点=未熟さ
という基準で、
無意識に人を評価しています。

私は、これを観察して、
誰もがやっている無意識の評価
体系的に言語化して、
成人発達理論
の整理を借りて、表にまとめました。


つまりこの表は、

未熟さに気づいてない部分

に気づきやすくする道具です。



「問題を起こさない普通の人」は、

「作業」の役割に徹することで、

・判断を依存する
・責任を負わない
・未熟な面を露出させない


という戦略を取っています。


ならば逆に、

未熟さに気づく環境を作る

判断や、目立つ目立たないに関係なく
未熟さが可視化される環境に置けばいい。

そうすれば、
「作業に徹する」という戦略
は通用しなくなります。

未熟を可視化する、
発達評価表の使い方

「判断しない」という行動は、
私の整理している
「意識の7毒」で見ると
思考停止
に当てはまります。

これは
意識】領域の問題です。

思考停止は意識の機能が働いてない


【意識】から表を参照すると、
発達評価表では、
意識】の20代課題に、

こう書かれています。

今自分が認識していることがどういう意味を持つのか理解できず、
周囲や自分の行動が何の意味を持つのか理解できない。

心の発達評価表

つまり、
・自分の仕事がわからない
・周囲の方向性がわからない
・周りのフォローが見えていない
という状態です。

これを、1on1で使う場合、こう会話できます。

【会話例】
スタッフ
「考えろって言われても…」
「どこまでやればいいんですか?」
管理者
「チームの中で、自分の役割は何だと思う?」
「チームの方向性はこうしたいんだ。そしたらあなたの立場ではどう動いたらいいと思う?」
「じゃあこうなった時、周りの人たちはどうフォローしてるかわかる?」

こうして、
役割整理のコミュニケーションができます。


ここを整理・共有すると
次の課題が見えてきます。

例えば、
評価表の
無意識(現実)】の20代課題。

失敗を避けたり経験が足りていないことで、
できると思ったことが実際にうまくいかなかったり、自分の才能がよくわからず
自分探しやスキルの獲得に走る

心の発達評価表

ここにつまずいたとします。

すると1on1では
こんな会話になります。

管理者
「できると思ったけど
うまくいかなかったんだね。
失敗はトライ&エラー。
上手くやれる方向へ調整する通過点だよ。
まずやってみないと何も掴めない。
失敗したことない人の方が怖いよ。
判断が怖かったら相談して。」

「自分がどう役に立つ人間なのか
自信がないんだね。
でも現場で見ていると、
こういう点は魅力だと思うよ。」

このように、評価表は
未熟な点を否定するものではなく、
お互いに未熟なところがあるのを認め合って
成長の段階を言語化する
・会話のきっかけを作る
・気づきを共有する
コミュニケーションツールになります。


自己理解が進むと成長が進む。

減点=未熟さ
未熟さに気づく環境を作る


気づかないなら、
おかしいと気づく環境を作ればいいんです。

ですが、
それでも「仕事=作業」がいい、
どうしても判断しないポジションから動かない人がまれにいます。
そんな時は、
次の最終手段を採るしかありません。

それでも動かない人への線引き

環境設計をしてもなお、
ツケを作り続ける人には、
もう次の判断をするしかありません。

・評価で現実を返す
・役割から外す



減点=未熟さ
上記の手段も、
未熟さに気づく環境を作る手段の一つです。


気づける人には、成長の機会になる。
気づかない人には、現実を返すしかない。

冷たいようですが、
「私は大丈夫。仕事はしてる。」
コミュニケーションを断絶されてしまっては、チームプレイはできません。

向き合う気がない、
そんな人はどうしようもない。

これは、
現場と、その負担を受け止め続ける人を
守るために必要な判断
です。


できれば、
この環境が本当にその人に合っているのか
自分で判断してもらって、
自分に適した環境へ行ってもらうのがベストかなと思います。

判断を活かし合えるチームへ


学校には正解はあるけど、
社会には正解はない。

「問題を起こさない普通の人」は、
判断を人に依存する。
けど、
仕事=作業
ではありません。
現場は判断の連続です。

判断しない人はツケを生む
現場が破綻する前に、
負担の偏りに
みんなが気づく必要があります。

評価=加点−減点
加点=理念の方向、減点=未熟さ。
未熟さを認め合って、
加点の方向を確認して、
それぞれの判断を活かし合う。

そしたら、
複雑な仕事環境に負けず、
もっと柔軟に安心して働けるのではないでしょうか。

現場で見ていると、
「問題を起こさない普通の人」たちも、
別に悪意があるわけではありません。

多くの場合は、
自分の魅力がよくわからない。
居場所を失いたくない。
そんな、人間らしい不安の延長にいる。

減点を恐れる人たちの心理の本質は、
とてもシンプル。
判断がわからない。嫌われたくない。

それなら、

何が本当に嫌なのか。
何が嬉しいのか。

管理側の思いを率直に言葉にすれば、
応えてくれると思います。

そうやって、
少しずつ成長して、
チームで働く喜び」が増えていく。

そんな、
人が人を活かし合う、
活気ある現場が増えていくといいなと思っています。


最後までお読みいただきありがとうございました。


発達評価表等について聞きたいことがあれば、コメント欄に気軽にご質問ください🍀

皆様の成長解決を、私は応援しています✨


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筆者:えめ 精神科看護師(人育ての専門家/ライフサイクル専門家/脳科学)


参考文献:

1.テイラーの科学的管理法 https://liberal-arts-guide.com/taylor-scientific-management/

2.知識労働者の定義 『マネジメント【エッセンシャル版】』P.Fドラッガー著.上田惇生訳.ダイヤモンド社. Amazon.co.jp: マネジメント[エッセンシャル版] eBook : PFドラッカー, 上田惇生: Kindleストア

3.理念とは 『ドラッカー5つの質問』山下淳一郎著.あさ出版.Amazon.co.jp: ドラッカー5つの質問―――成功を収める企業とそうでない企業はどこが違うのか eBook : 山下淳一郎: Kindleストア

4.エリクソンー成人発達理論 エリクソンのライフサイクル理論 : 心理学用語集


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