【一人暮らしの料理を楽しむ①】一人暮らしの汁もの、フライパンのまま作れば時短・エコで栄養も摂れる
私はできるだけ、毎日の食事にスープやみそ汁などの「汁もの」をつけるように心がけています。これが付くだけで、なぜか「ちゃんとした食事」をしているような気がするから。でも、鍋で作ると洗いものも面倒。
具を切って、だしをとって、鍋を出して。それだけでひと手間です。一人分のためにそこまでするのか、と思うと、つい汁ものを省いてしまいたくなります。でも、せっかく食べるならきちんとした栄養を摂りたい。インスタントで済ませる気にはなれない。そのうちに、フライパン料理の後にそのままスープをつくる、という方法に落ち着きました。鍋を出す必要もなく、だしをとる必要もない。フライパン一つで、メインとスープが同時にできあがります。
フライパンの鍋肌が、いちばんおいしい
炒め物やソテーをした後のフライパンを、よく見てみてください。底や側面に、うっすらと焦げ目や調味料の残りがついています。醤油のこげた香り、にんにくの風味、肉や魚の旨み。ふつうならそのまま洗い流してしまうものです。



でもここに、お湯を注いでみるとどうでしょう。鍋肌にこびりついたものがさっと溶け出して、それだけで立派なスープのベースになります。味は塩コショウや醤油などで整えて。だしが少し足りないと感じたら、コンソメを少々入れたり、作り置きしていたおだしを加えたり。コクを出したければごま油をひとたらしするとぐっとおいしくなります。豆腐やわかめ、冷蔵庫の残り野菜があれば加えます。火にかけながら木べらで底をこそげるように混ぜると、フライパンもきれいになっていきます。洗い物が楽になるのは、これが理由です。
その日の料理が、スープの味を決める
おもしろいのは、メインの料理によってスープの味がぜんぶ変わることです。レシピを考える必要がない、というのが一人暮らしにはとてもありがたい。
鶏肉をバターと醤油で焼いた日は、お湯を注いだだけで洋風とも和風ともつかない、深みのあるスープになります。そこに細切りのキャベツと塩をひとつまみ加えれば、それだけで一杯のごちそうです。豚こまをごま油と塩で炒めた日は、中華風の澄んだスープに仕上がります。溶き卵を回し入れてかき玉にすると、見た目もきれいになります。鮭を味噌で焼いた日には、鍋肌に残った味噌の香りを活かして、豆腐と長ねぎを加えると即席の味噌汁になります。
牛肉とにんにくをオリーブオイルで炒めた日はトマトを切って加えるとミネストローネ風に、豚バラと生姜を甘辛く炒めた日は白菜を加えて和風のとろみスープに。メインを決めれば、スープは自然とついてくる。これだけで献立が一品増えてしまいます。
野菜くずや残り物を、ここで使い切る
スープをつくるとなると、具の準備が必要に思えますが、一人暮らしならそこも力を抜いていいと思っています。私がよく使うのは、乾燥わかめや冷凍保存している小口切りのねぎやしいたけなど。さっと加えるだけでちゃんとした具になります。
冷蔵庫に使いかけの豆腐が残っていれば、それも入れます。半端に余っていた玉ねぎ、そういうものが片付いて、食材を無駄にせずに済みます。一人暮らしは食材が余りやすい。まとめ買いをしても使い切れなかった、ということが続くと、買い物自体が億劫になってきます。でもスープに何でも入れていいと思っていると、冷蔵庫の整理が少しずつ追いつくようになります。
ゴミが減るのも、小さな気持ちよさです。エコというと大げさに聞こえるかもしれませんが、捨てるはずだったものが一杯のスープになる、その感覚は毎日のことだからこそ積み重なっていきます。
汁ものがあると、食事がゆっくりになる
実用的な話ばかり書きましたが、一番の理由はもっと単純で、汁ものがあると食事がゆっくりになるからです。一人で食べていると、気づけば急いでかき込んでいることがあります。テレビやスマホを見ながら、気づいたら終わっていた、ということも少なくありません。でも温かいスープがあると、ひと口すするたびに少し間ができる。それだけで、同じごはんが落ち着いた時間になります。
体があたたまるのも、じわじわと効いてきます。とくに冬場は、汁ものが一杯あるだけで食後の満足感がまるで違います。栄養という意味でも、スープは具材のビタミンやミネラルが溶け出しているので、汁ごと飲むことで無駄なく摂れます。ヘルシーな食事を続けたいと思ったとき、難しいことをはじめる前に、まず汁ものを毎日の習慣にする、それだけでもかなり変わると感じています。
フライパンひとつで、メインとスープが同時にできる。洗い物も減る、食材も無駄にならない、そのうえおいしい。一人暮らしの料理はこういうふうに、小さな工夫が積み重なって、だんだん自分のリズムになっていくのだと思っています。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! 夢に向かって頑張っています。