見出し画像

ハルビンで出会った、忘れられない「日」の記憶「新しい目」で世界を見るということ


「真の発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ」

The real voyage of discovery consists not in seeking new landscapes, but in having new eyes
――マルセル・プルースト


こんにちは。英語コーチのKumiです。

今日は、私の旅の記憶のカケラの中から、
今の私の原点とも言える、
ある大切な物語をお話しさせてください。

私の英語学習についてはコチラ
↓↓↓↓↓↓



猛暑に追われ、たどり着いた北の地・ハルビン

それは、学生時代の夏休みのこと。
私は一人、大阪からフェリーに乗り、二泊三日かけて上海へと向かいました。初めて踏む、中国大陸の土。

ワーホリの帰路に寄ったタイでアジアにハマった私。
新しさを求めて選んだ地でした。

タイでの大失敗&大成功?!はこちら
↓↓↓↓↓↓


上陸してハイテンションだったのもつかの間。
8月の上海は想像を絶する暑さでした。
あまりの暑さに耐えかねて、私は逃げるように北京へ、そしてさらに北のハルビンへと北上を続けました。(ま~ったく何も決めてない旅だったので(^^;)

ようやくたどり着いたハルビンは、上着が必要なほどに涼しく、異国情緒に溢れていました。当時の東北地方では、旅行者の姿などほとんど見かけません。英語も日本語も通じず、筆談だけを頼りに歩く日々。そこはいわゆる旧満州。道を聞いても冷たくあしらわれることも多く、心細さが募っていました。

今ならスマホで翻訳、ですが、スマホどころかネットもない時代。まったくの自由を感じると同時に、生れてはじめて、真の孤独を感じことを覚えています。


そんなある夜、路地裏にある小さな料理店に足を踏み入れました。

言葉を超えて通じ合った、優しい笑顔

店の女将さんは、私が日本人だと分かると、なぜだかとても嬉しそうな表情を浮かべました。

ここ数日、まともに誰とも会話をしていなかった私にとって、その笑顔は何よりの救いでした。私は嬉しくなって、精一杯の筆談と身振り手振りで、彼女とコミュニケーションを図りました。

彼女の顔の細かな造作は、もう思い出せません。でも、あの温かく優しい笑顔だけは、今も鮮明に心に残っています。食事が終わるまで、私たちはまるで旧知の仲のように、筆談での「談笑」を続けました。

しかし、お勘定を済ませようとしたその時、彼女は静かに、驚くべき言葉を綴ったのです。

「私も日本人なの」

前髪の下に隠された、消えない「証」

私が呆然として首をかしげると、彼女はそっと自分の前髪をかき上げました。
生え際を指さしたその場所には、小さな、でもはっきりとした傷跡がありました。

「これはね、私の両親が私を中国に置いていく時に、また会えるように、日本人だとちゃんとわかるように……『日』という字を傷つけていったの。すぐには見えないところにね」

彼女は、私に伝わるように丁寧に紙に書いてくれました。

戦後の混乱の中、いつか再会できる日を信じて、幼い娘の体に刻んだ「日本」の証。

彼女は笑顔で言いました。
「だから、あなたに会えてとても嬉しかったの」

店を出た私の姿が見えなくなるまで、彼女はずっと手を振り続けてくれました。

歴史と人は、切り離すことができない

その後、彼女とは何度か手紙のやり取りをしました。冬の富士山の写真を送ると、とても喜んでくれたのを覚えています。

彼女は一度だけ、日本に来ました。
私の友人としてではなく、「中国残留孤児」として。
そして、ほどなくして中国へと帰国していきました。

あの日、彼女のレストランでいただいた夕食は、とびきり美味しかった。
けれど、その味を思い出すとき、私の心の奥はいつも痛みます。

私にとって、この記憶の意味は、単なる教科書の「歴史の一ページ」ではありません。
人も、世界も、平和も、争いも。そして私たちが学んでいる「言葉」も、歴史や文化も。
本当の意味で理解しようと思ったら、それらは決して切り離して考えることはできないのです。

英語の先にある、本当のコミュニケーション

私は英語コーチとして、皆さんに英語を教えたり、学習方法をお伝えしています。
でも、私が本当に伝えたいのは、単なる文法や単語ではありません。

旅に出ること、新しい言語を学ぶこと。
それは、プルーストが言ったように「新しい目」を持つことです。

言葉が完璧に通じなくても、相手の背景にある歴史や想いに想像力を働かせること。
目の前の人の笑顔の裏にある物語を、知ろうとすること。
もちろん完璧に理解したり、知ることは不可能です。
でも、その姿勢こそが、真のコミュニケーションの第一歩だと思います。

冬の富士山の写真を見ると、私は彼女の笑顔を思い出します。
歴史を肌で感じ、世界が地続きであることを知った、あのハルビンの夜を。

皆さんが学んでいるその言葉の先には、どんな出会いが待っているでしょうか。
新しい目で世界を見たとき、景色はきっと、昨日までとは違って見えるはず、私はそう思っています。

(続く)



タイでの大失敗&大成功?!はこちら
↓↓↓↓↓↓

英語講師時代の笑顔の裏の苦悩はこちら
↓↓↓↓↓↓


自信がない、英語がこわい、そんな方が世界と繋がる方法の地図は、こちらです↓↓↓


いいなと思ったら応援しよう!