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この土曜日を回す者として ロスジェネの矜持と静穏の芯


土曜日は、特別な日ではなくなった。
昔なら一息つける週末だったはずが、いまは完全に“動く側”の日になった。
それでも、この一日をどうにか回している。それが、いまの私の現実だ。
今宵は、私の普段の土曜日の1日を話したい。


■ 寒さの底で始まる、父のお風呂介助

今日は父を風呂に入れる日。
冬の冷え込みは容赦なく、家の古さがそのまま寒さの刃になる。
石で囲まれた浴室は、単なる水場じゃない。“冬の試練”みたいな場所だ。

脱衣所には大型の遠赤外線ストーブ。
浴室は、入る前にシャワーで徹底的に温める。
準備だけでひと仕事になる。

介護の入浴サービスに頼めば楽なのはわかっている。
しかも冬場は負担も大きい、安全面でも頼むべきだ。
だが本人の意志を尊重すると私は決めている。
出来うる限りは私がやる。

頑固さもまた、父らしい。

体を洗う私は、当然びしょ濡れになる。
冬場は、正直つらい。
足の指の間まで丁寧に洗う。
父はA型の細かさがそのまま性格に出ていて細かいところも気にする。
一方、私はO型丸出しの大雑把なタイプで真逆。
それでも、やるしかない。

洗い終えたらスピード勝負だ。
自分のことは後回し。
父の体を拭き、オムツ、着替え。
体重測定をして、電動リクライニング(介護保険でお借りしている)の椅子へ座らせる。
父はこの椅子で一日のほとんどを過ごす。

そこまで済ませて、ようやく私の冷えきった身体に気づく。
冬場は本当に堪える。
濡れたまま時間が過ぎると、骨の奥まで冷えが残る。


■ これが、私の土曜日という一日の顔だ。

5:00 父の状態チェック
6:30 朝食準備・薬の用意・ゴミ出し
7:30 家族を起こして朝食
8:00 父のトイレ介助
9:30 父のお風呂介助
10:30 量を買う日なので買い出しはOKかロピアの激混みスーパーへ
12:00 昼食
13:00 無駄に広すぎる風呂場の掃除
14:00 ウォーキングしつつ買い物に出た母の位置をGPSで確認
15:30 家キャンでノンアルワイン
16:00 父に頼まれた買い物
17:00 note執筆
18:00 父のトイレ介助
18:30 夕食
19:30 後片付けと薬の管理
20:00 湿布・背中かき・細々としたケア
20:30 自分の入浴(水同然)
21:00〜22:00 両親が布団に入るのを見届ける
22:30 家キャンでビール
23:00 最終チェックをして寝室へ

これが最近の土曜日の流れだ。
書き出してみるとただの羅列なのに
実際は“処理”ではなく“積み重ね”でできている一日だ。

ひとつひとつを終わらせるたびに
静かに体力が削られていく。
同時に、なぜか心の奥は落ち着いていく。

“今日も回せた”
その事実が、何よりも大きいからだ。


■ 土曜日は、私にとって「静かに戦う日」になった。

仕事のある平日より
むしろ土曜日のほうがやることは多い。
介護、家事、生活、買い物、調整ごと。
誰かのために動くことがほとんどだ。

それでも、土曜日には独特のリズムがある。

家族が動き
父が風呂に入り
母が歩き
娘が笑い
妻が少し休めて
私が全体を見ながら動く。

家族全員の“体調の波”と“生活のリズム”を
ひとつの日に織り込むような感覚がある。

忙しい。
正直、しんどい。

でも、嫌かと言われたら違う。
どこか、心の底で
「この役割は自分しかできない」
という静かな芯がある。

それが、折れない理由なのだと思う。


■ 夜の家キャンだけは、私のささやかな救いだ。

縁側に座り
冷えたビールを開ける。
外の空気が肺に染みていく。

土曜日という一日の重さが
ここでようやくふっと軽くなる。

家の灯り。
虫の声。
遠くの車の音。
父母が眠った家の静けさ。

すべてが
今日も無事だったという合図にしか見えない。

この一杯のために
一日を回していると言ってもいい。


■ 土曜日は、戦いであり、安らぎであり、私の原点だ。

介護の重さ
家族の生活
自分の体力の限界
心の揺れ

それら全部を抱えながら
なんとか回している土曜日。

派手さはない。
誰から褒められるわけでもない。

だけど
“こういう一日”が積み重なっていくことが
生きていくということなのだと思う。

静穏の芯。
それを守りながら
また次の土曜日が来る。


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EX-FAX-CE | NOTE執筆家
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