介護の朝は突然に…#22 痛みが引かない夜、50代の徹夜はやはり堪える
日曜日の朝は、朝から慌ただしかった。
尿もれ。
そしてカテーテル交換。
ここまでは、介護のある暮らしでは珍しい話ではない。
想定の範囲といえば、まだ範囲内だった。
問題は、そのあとだった。
交換後から、父の痛みがひどい。
いつも痛みはある。
だが、たいてい数時間もすれば引いていく。
ところがこの日は違った。
引かない。
それどころか、腰の両脇あたりまで鈍い痛みを訴え始めた。
これはまずいなと思った。
最初は、もともとあったカロナールを飲む。
だが、まるで効かない。
こういう時の「効かない」は、見ている側にも堪える。
何かしているのに、何も変わらない。
あの感じは、介護の中でもなかなかしんどい部類だと思う。
すぐに訪問介護へ電話。
そこから訪問医療へ聞いてもらう。
状況としては、平熱。
血中酸素も正常。
血圧も問題ない。
数字だけ見れば、そこまで大きく崩れているわけではない。
だが、本人は痛いと言う。
しかも交換時から痛みが強かった。
この日は、いつもの先生ではなく当直の先生だった。
そうなると、こちらとしてはどうしても少し不安になる。
手順の違いもあった。
細かなことだが、毎回見ているこちらには、そういう違和感が妙に残る。
訪問医療からの返答は、もう一つ処方されている少し強めの痛み止め、舌下錠を使ってほしいというものだった。
父は、あまり痛み止めの類を使いたがらない。
理由をはっきり言うわけではない。
口を濁す。
ただ、薬全般を嫌がるタイプというわけでもない。
だから余計に、そのあたりはよくわからない。
結局、しばらくして飲んだ。
だが、思ったような効果が出てこない。
数時間が過ぎ、父は眠る。
私は近くの椅子で待機する。
こういう夜は、布団に入ったところで眠れるものでもない。
いや、眠ってはいけない気すらする。
夜中の2時。
再び父が起きて、痛み止めを飲もうとしていた。
時間は十分空いている。
そこは問題ない。
話を聞くと、ほとんど効いていないという。
もしかすると、ちゃんとした飲み方で飲めていなかったのかもしれない。
舌下錠の使い方はわかっているはずなのだが、こういう時は思い込みも入るし、きちんとできていなかった可能性もある。
もう一度、改めて飲んで、また眠りにつく。
だが、そのあとも一時間おきに起きては、痛いと言う。
こちらとしては、朝まではどうにもならない。
夜中にできることは限られている。
それがまたつらい。
何かしてやりたい。
だが、大きく動けるわけではない。
ただ見て、聞いて、支えて、朝を待つしかない。
もっとも、痛いと言いながらも、父はわりとすぐにまた眠りにつく。
そのため、痛みの度合いが正直測りかねる部分もある。
かなり強い薬だと聞いていたから、まったく効いていないとも思いにくい。
だが、本人は変わらないと言う。
介護では、数字では見えないこの「本人の訴え」をどう受け止めるかが、本当に難しい。

結局、私は朝まで起きていた。
父も大半は眠れていたようには思う。
だが、痛みそのものは何ら変わらない。
月曜の朝いちで、また訪問医療へ電話するしかない。
流れによっては、明日からの出張もキャンセルせざるを得ない。
そういうところまで頭をよぎる。
50代の徹夜明けは、やはり堪える。
私はわりと、眠らなくても何とかなるほうだった。
若い頃は特にそうだった。
一晩くらいなら押し切れた。
だが、やはり年々違う。
身体の芯に重さが残る。
頭も少し鈍い。
ああ、衰えているのだなと思う。
認めたくなくても、こういう朝にそれはよくわかる。
朝いちで、訪問介護の方から経過を聞く電話が来た。
状況を説明し、改めて訪問医療へ聞いてもらう。
すると、舌下錠のほうは、最初だから一番弱いものを出しているので、効いていない可能性もあるとのことだった。
なるほど、とも思う。
だが、それならそれで、やはり昨夜はなかなか長かった。
そして今日も訪問医療に来てもらい、診てもらった。
今はだいぶ落ち着いてきている。
ひとまず大丈夫そうだ。
そこは本当に救いだった。
ただ、明日から明後日にかけて、私は出張で家を空けなければならない。
それがやはり心配である。
留守中は、妻と娘に任せるしかない。
頭ではそう思う。
実際、そうするしかない。
だが、こういうタイミングで家を離れるのは、やはり落ち着かない。
出張そのものより、そちらのほうがずっと重い。
介護のある暮らしでは、何もない夜のほうが少ないのかもしれない。
何かが起きる。
少し揺れる。
予定が崩れる。
眠れない。
また朝が来る。
その繰り返しである。
それでも、今朝は少しだけ落ち着いた。
そこに救われる。
小さな安堵でも、介護の中では大きい。
出張のことは気がかりだ。
だが、行くしかない。
任せるしかない。
それにしても眠い💦
そうやって、また一つ日常を回していくしかないのだろう。

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