お隣さんは焼酎と温泉をこよなく愛す80代~ひとりだけどひとりじゃない~
小さなおじいさんと大きなおうち
小さなおじいさんは、小さなおうちの隣に住んでいる。
日が沈むと小さなおじいさんのおうちの明かりもふっと消える。
小さなおじいさんは、大きなおうちに、ひとりで暮らしている。
子どもたちが巣立ち、奥さんは星になった。
ひとりだけど、ひとりじゃない。
小さなおじいさんには、たくさんの仲間がいる。
小さなおじいさんは、焼酎と温泉、旅行が大好き。
そんな小さなおじいさんのはなし。
汗かきな小さなおじいさん
4月。春がきた。
昨夜は、暑くて、夜中に起きて着替えたという小さなおじいさん。
とても困っている様子。
「わたしは、まだ毛布と羽毛布団かけて寝てるけど・・・」というと、はっとした様子。
あれっ、わたし、かぶりすぎてたかな~と思ったら・・
「俺が1枚多いのか・・」とぼそっとつぶやく小さなおじいさん。
なんと、毛布2枚とかけ布団で寝ているらしい。
そりゃあ、暑かろうよ・・。
翌朝
「昨夜は1枚減らして寝たのに、また汗びっしょりだった・・」
と小さなおじいさん。
「ん~っとね・・わたしも1枚減らしたよ。ということは、おじいさんは2枚減らさないといけなかったね~」
小さなおじいさん 「・・・・・」
さてさて、そのまた翌日
「昨夜は、もう1枚毛布を減らして寝た。朝までぐっすりだった」
と喜ぶ小さなおじいさん。
ようやくちょうどよい加減をみつけたようだ。
小さなおじいさん、充電完了かな。
猫と知恵比べの小さなおじいさん
ご近所のパトロールをしているにゃんこさま
小さなおじいさんの畑を荒らすらしい。
小さなおじいさんは、
「猫除けをあっちこっちにおいているのにやっぱり荒らす」っ
てお怒り。
「あのさ・・あっちこっち置いたら、よけて通るよね・・」
絶句している小さなおじいさん。
後日、何やら張り切って、畑にネットを張り出した。
それを眺めているにゃんこさま。
「そんなところ張ったって、反対側からいけるもんねえ・・ご苦労なやつだね・・」と思っていたに違いない。
案の定、また侵入されて、お怒りの小さなおじいさん。
今度は、完全にネットで四方を固めていたけれど・・・
「それでも、猫は跳ぶと思うよ・・」
わたしの声はむなしく響く。
やっぱり畑を荒らされたのでした。
にゃんこさまと小さなおじいさんの戦いは続く。
「毎日がにちようび」の小さなおじいさん
ポータブル電源とポータブルソーラーパネルを手に入れた小さなおじいさん。
早速、テレビをポータブル電源からとっていたけれど、あっという間に充電が切れてしまいそうになり、大焦り。
そこで、小さなおじいさんはひらめいた。
天気のよい日には、ポータブルのソーラーパネルをお庭にだして、充電しながら、テレビをみよう!
長い長いコードを庭からテレビまでひっぱっている。
だけど、ソーラーパネルは地面に平行。
「勾配をつけた方が発電効率がいいらしいよ。
うしろに角度調整ができるようになっているよ」
と教えてあげたのだけれども・・
日曜大工が得意なこともあり、木製の本格的な設置台をつくったようだ。
何やら三角柱の枠だけが庭にあった。
これは、もしかして・・・
晴れた朝。
そこにはソーラーパネルがはめてあった。
しかも、ソーラーパネルは横並びではなく、縦並びに!

かなり大掛かりな設置台にはなったものの、日中のこまめな方向調整は楽になった模様。
おぬし、やりますなぁ!
さすが、「毎日がにちようび」の小さなおじいさん
電気代が楽しみだね。
小さなおじいさん トーストにはまる
朝ごはんは、ごはんとみそ汁を必ずつくる小さなおじいさん。
パンはあまり食べない。
「食パンに明太子マヨネーズをつけて焼くと美味しいらしいよ」
と食パンと明太子マヨネーズをプレゼントした。
すると、初めての味にドはまりしたらしく、初めて「食パン」を買ったらしい。
お昼ごはんは、トーストとコーヒー牛乳が定番となったとさ。
そんな小さなおじいさんに、今度はミートソースを持って行った。
「焼いた食パンにミートソースをつけて食べると美味しいよ」
トーストのアレンジが広がる小さなおじいさんなのでした。
小さなおじいさんの小さな挑戦
小さなおじいさんは、ねぎが苦手だということは知っていた。
実は、玉ねぎも苦手らしい。
・・・知らなかった
玉ねぎなんて、いろんな料理にはいっているし、味だって特段しない。
というか甘いでしょ。
というつっこみは心の中にしまいながら・・続きの話をきく。
「最近は、みじんぎりにしてみそ汁にいれて食べるようになった」
と、どやっている。
え?え~~~っ、どんだけ??
「野菜サラダもたくさん食べるようになった。
ピーマンもこんなによく食べた年はない。
畑でつくっても近所のひとにあげてた」
と。
突っ込みどころ満載のご自慢に、「健康的になったね」ぐらいしか返せないわたしだった。
あまり小さく刻むと、まさに介護食になりますよ?
小さなおじいさんの「ぴったりいかない」謎
小さなおじいさんは、焼酎が大好きだ。
晩酌は、1日2杯までと決めている。
新しい一升瓶をあけるときは、マジックでキュキュッと日付を記入している。
だいたい10日で1本あけるペースらしい。
時折、最後の一杯が少なくて薄くなる。
そんなときは、とても不思議そうな顔をして、納得いかない様子。
「3杯飲んだ日もあったんじゃない?」
といっても、
「そんなことはない」
と自信満々。
じゃあ、最初からちょっと少なかったのかもね(笑)
そして、いつものように「ぴったり」だったときはご満悦。
「今夜も焼酎が美味い。」と小さなおじいさん
次の1本もぴったりでありますように
小さなおじいさんの聖域
小さなおじいさんの大きなおうち。
その床の間は、おじいさんの聖域だ。
大好きな焼酎がずらりと並んでいる。
もちろん、なかなか手に入らないレアな焼酎も並んではいる。
でも、小さなおじいさんが大好きな焼酎は決まっている。
晩酌は、それ一筋だ。
「ずっと飾っていても、飲めなくなるかもよ。
飲めるうちに飲んでおけば?」
断捨離をすすめたいわたしは、声をかける。
おなかまさんたちにも言われたらしい。
「床が抜けるぞ」
って(笑)
さすがに床は抜けることはないと思うけれど、、
小さなおじいさん、いただきものや旅先で買った焼酎などを開け始めた。
最初の一口は、じっくり味わっているような様子はみせるが、その後はどれを飲んでも同じらしい(笑)
数本、開けてはいたものの、やっぱりいつもの焼酎を買いに行っていた。
珍しい焼酎といつもの焼酎、どちらを飲まなかったことを後悔するかといえば、いつもの焼酎なのだろうか・・と思いながら、にこやかに焼酎をつくる小さなおじいさんを横目に炭酸水を飲むわたし。
聖域にある焼酎たちは、まだ飾られたままだ。
小さなおじいさんと温泉
小さなおじいさんは温泉が大好きだ。
温泉に通うのが日課となっている。
いつも行く温泉が定休日だと思い、別の温泉へでかけた小さなおじいさん。
「あら久しぶり。今日はどうしたの?」
と温泉なかまに声をかけられる。
「いつもの温泉が定休日だったから、こっちに来た」
と小さなおじいさん。
「今日は日曜日だよ。定休日は明日でしょ」
と言われ、曜日を勘違いしていたことに気づく。
「また明日も会おう」
と温泉なかまに見送られた小さなおじいさん。
そんなボケぶりを酒のさかなに、今日も焼酎が美味い。
小さなおじいさんのWBC観戦
小さなおじいさんは、巨人フアンだ。
だったはず・・だ。
時代はメジャーリーグになり、すっかり小さなおじいさんは朝からメジャーリーグ観戦を楽しんでいる。
WBCがネットフィリックスでしか見れないと知り、残念がっていた。
「ウチで観る?」
突然の誘いにびっくりした小さなおじいさん。
「いいんですか? おじゃまします」と遠慮がちにやってきた。
まるで、テレビが各家庭になかった昭和時代のようだ(笑)
初戦、大谷選手が活躍したときには、両手をパチパチパチとたたいて喜ぶ小さなおじいさん。
無邪気な子どものようだ。
そして、いつもは子どもよりも早い就寝なのに、この日は夜更かしして応援してた。
日本代表が決勝までいけなくて残念だったね。
興奮する夜が終わった。
小さなおじいさんとBling-Bang-Bang-Born♪
小さなおうちにテレビはない。
お隣の小さなおじいさんの家でいっしょにテレビをみていると、Bling-Bang-Bang-Bornが流れた。
曲の途中で、
「あ、この曲知ってる。こんな人が歌ってたんだ」
というと、小さいおじいさんは、鼻高々に
「テレビでよく流れてた」
と教えてくれた。
わたしは、子どもたちが歌っているのを聞いたことがある程度で本物を知らなかった。
小さいおじいさんの世界に、この曲があるなんて、どういうこと??
わたしが知らないのに、小さいおじいさんの方が詳しいなんて、どういうこと??
狭い世界で生きているのは、どうやらわたしの方らしい。
小さなおじいさんとナンバーズ
小さなおじいさんは、コツコツとナンバーズを買っている。
高額当選したら、救急車をプレゼントしたいのだそうだ。
高額当選どころか最近は少額も当たらないらしい。
「ナンバーズ買うより、貯金した方が貯まったんじゃない?」
というと、珍しくすぐさま同意。
でも、今さらやめられないんだって。
ずっと同じ番号を買ってきたから、その番号がずっとでてこないから、やめたらでてくるかもしれない・・って。
「そんなにもでてこない番号があるんだね~。ちなみに何?」
ときくと、お星さまになった奥さんの誕生日だった。
小さなおじいさんは料理上手
小さなおじいさんは、大きなおうちに住んでいる。
以前は、家族もいた。
仲間も集まって、にぎやかな夜も多かった。
今では、仲間に呼ばれることはあっても、仲間と大きなおうちで飲むことは少ないらしい。
わたしが夕食をともにすることで、おしゃべりをする。
いつもの焼酎がさらに美味しくなっているようだ。
「誰ともしゃべることがなく、ひとりでテレビに向かって晩酌をしていた」ということばを聞くと、胸がきゅっと切なくなる。
「『ムスメさんが帰ってきて、よかったね、安心ね』ってみんなにいわれる。『そんなこと、ないよ』という」
というけれど、そこに嬉しさがにじみでてますよ?
わたしも同じようにいわれる。
だけど、わたしも「そうでもないですよ」と答える。
だって、小さなおじいさんの方が料理上手なので、みなさんが思うほど、わたし甲斐甲斐しくお世話してませんから(笑)
小さなおじいさんとタロ
小さなおじいさんには、息子がいる。
彼のことを、小さなおじいさんは「タロ」と呼ぶ。
彼の本当の名前は、「タロ」ではない(笑)
「タロ」と呼ぶのは、小さなおじいさんだけだ。
それならば、最初から「タロ」とつければよかっただろうにという謎をわたしは抱えている。
「タロ」が呼びなれているから、犬を飼うといったときに、犬の名前を「コタロー」と命名してあげた。
さすがに、「タロ」のまんまでは、息子の立場もなかろう。
でも、やっぱりコタローにも「タロ」と呼ぶ。
コタローは、正式名称で呼ばれたり、あだ名の「タロ」と呼ばれたり、「おい」とか「こら」と呼ばれたり、随分と混乱したであろうと気の毒に思う。
ちなみにわたしは、小さいおじいさんに「アネ」とか「アネゴ」と呼ばれていた。(わたしの場合、一応過去形)
「タロ」の姉ではあるが、小さなおじいさんの「姉」ではないっすよ?(笑)
小さなおじいさん 飛行機にのる
旅行好きの小さなおじいさん。
チケットはいつも旅行代理店で取得しているらしい。
スマホでぴっと通過するひとを眺めてはかっこいいと思っていたようだ。
ひとりで息子であるタロのところに飛行機でいくというので、航空券をネットでとってあげた。
スマホにもチケットを登録してあげた。
だけど、念のため、紙にも印刷してあげた。
小さなおじいさんは、スマホでの搭乗に憧れはあるものの、今回は「紙でいく!」という。
どちらにせよ、ちゃんと飛行機に乗れるのか、見送るこちらがハラハラドキドキ。
搭乗時間のころに、「大丈夫?」とLINEをいれると、「大丈夫」って返事がきたので、一安心。
わたしの方が、もう何年も飛行機に乗っていないので、小さなおじいさんの方が頼もしい。
次はスマホで搭乗するのかな。
小さなおじいさんの温泉旅行
飛行機で息子であるタロのところへ行った小さなおじいさん。
タロとふたりで温泉旅館に宿泊したそうだ。
湯がよかった、料理が豪華だったと楽しそうに話してくれる。
ひとり息子との酒、温泉、楽しい時間を過ごしたのだろう。
その夜、隣のベッドに寝ていたタロがいなくなったらしい。
そして、翌日、ドラッグストアに立ち寄るタロ。
耳栓購入
小さなおじいさんのいびきがうるさくて、1晩目は眠れず。
2番目は耳栓。
失敬な!といわんばかりの顔で話す小さなおじいさん。
小さい頃は、子守歌のようにそのいびきを聞いて寝ていたのにね・・・
「あいつは、歯ぎしりするくせに!」
と、小さいおじいさん憤慨(笑)
最終日、飛行機は昼下がりの出発だったのに、午前中には空港に送り届けられたそうで・・空港で時間をもてあました小さなおじいさん。
小さな納得いかない種を持って帰ってきた小さなおじいさん。
わたしには、その土産話が最高でしたよ。
小さなおじいさんとなかまたちのミステリーツアー
小さなおじいさんのなかまたちがミステリーツアーに行こうと誘ってきたらしい。
行先はわからないけれど、パンフレットにはだいたいの行程と写真が掲載されていた。
小さなおじいさんは、全国をあちらこちら旅行してきた経験から、飛行機の時間とバス移動の時間が短いことから、沖縄だろうと見当をつけたらしい。
わたしは、パンフレットの掲載写真で、沖縄だろうと見当がついた。
答え合わせのため、ネットで検索すると、そのままの画像がみつかった。
小さなおじいさんは、クイズのこたえがわかったかのように喜んで、なかまたちにすぐさま報告。
ミステリーツアーの参加が決まった。
沖縄についたであろう時間に、「沖縄でしたか?」ってLINEをいれると、「沖縄だった!」との返事。
小さなおじいさんにとっては、何度も訪れたことのある場所。
旅先が行ったことがある場所であろうと、なかまたちと過ごすその時間が楽しいらしい。
酒が飲めればどこでも楽しいのかも(笑)
働き者の小さなおじいさん
働き者の小さなおじいさん。
何も予定がなく、家で過ごしていた日は焼酎を飲むのも気がひけるらしい。
だからといって、飲まないわけじゃないけれど・・(笑)
何か家での「やること」を見つけては、せっせと動いている。
そんな小さなおじいさんには、仲間がいっぱいいる。
仲間からの応援要請がくれば、喜んで手伝いにいく。
田んぼや畑の手伝いだったり、公園の草刈りや花壇の手入れ、地域のパトロール、素人集団の大工作業や庭造りなど、ひっぱりだこだ。
そして、そのあとのみんなで飲む焼酎が、また楽しく美味しいらしい。
美味しい焼酎は元気な証拠。
明日もいい日。
