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【USJホラナイ2025】ゾンビは「製品」だった。製造工場が生んだ悲劇と全エリア考察物語(後編)

前編をお読みいただきありがとうございます。
まだ読んでない方は是非、こちらもお読みください。

前編では、ハミクマ関連の3エリアを考察しました。

ですが、2025年のホラーナイトの物語は、ハミクマの復讐劇から「ゾンビ製造ビジネス」の闇へと進化しています。その核心は、今年の新メイズ「ファクトリー・オブ・フィアー ~絶望のゾンビ・ツアー~」で明かされた衝撃の事実にあります。

今年のホラナイをさらに楽しむなら、後編の考察物語は要チェックです!それでは早速いきましょう。

1. ゾンビ誕生の新事実

ファクトリー・オブ・フィアー ~絶望のゾンビ・ツアー~

画像出典:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン公式

"逃げ場ゼロの極限恐怖!​ 戦慄のゾンビ製造工場、出現。​​
ついにベールを脱いだ戦慄の“ゾンビ製造工場”で、あなたは、想像を絶する恐怖に直面する―― 施設を進むうち次々と明るみに出るのは、ゾンビにまつわるおぞましい事実の数々… 暴虐の限りをつくすグロテスクなゾンビたちが、密室であなた目がけて襲いくる、背筋も凍る地獄絵図!! 助けも逃げ場もない、餌食として逃げ惑うこの極限状態から、無事、脱出することができるか…!?​"(引用:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン公式ウェブサイト

こちらが新事実が明かされたホラーメイズ。ゲストはこの製造工場である「ファクトリー22」の見学ツアーに参加することになります。そこで衝撃的なものをたくさん目にすることに…

製造ビジネスの衝撃的な新事実

・ゾンビは人為的に造り出されていた。<ブレインロッド>という注射を検体に注入し、蘇生して、希望のゾンビにカスタマイズするという方法で製造されている。

<ブレインロッド>にはゾンビを制御する機能があり、「安全で恐ろしいゾンビ」労働力や商用資源として活用されていた。

ファクトリー22は「閉鎖された工場」ではなく「現在も稼働中の地獄」である可能性が高く、製造過程で生まれた規格外のゾンビも無駄にしないサステナブルな施設だった。

画像出典:ウォーカープラス

ハロウィーン・ホラー・ナイト R.I.P. ツアーでは、ポゼッスド・プレイシングス(人形ゾンビ)にブレインロッドを注入する体験ができるとか。
前編で考察した人形ゾンビの中にブレインロッドで作られた製品の個体がいるということですね。

つまり、ゾンビは「制御された製品」だったのです。しかし「ゴーストにより凶暴化したゾンビ」がパーク内に侵入することになります。

この後編では、残りの全エリアのゾンビの正体を「ファクトリー22」との関わりを軸に考えていきます。

2. エリア別ストリートゾンビ徹底考察(後編:製造工場関連ゾンビ4エリア)

2-1. Chainsaw Chain-Gang(チェーンソー・チェーンギャング):労働力製品と究極の支配

画像出典:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン公式

鎖に繋がれた彼らは、ファクトリー22の「労働力製品」ではないでしょうか。

囚人という名の資源

彼らのオレンジの囚人服と「チェーンギャング(囚人の強制労働集団)」という名前は、アメリカの「犯罪者への罰としての労働」という合法的な闇を利用し、囚人の死体をゾンビ化の検体としたと考えられます。

二重の支配の象徴

鎖は、「囚人という過去」と、「製品としての暴走を防ぐための工場による制御」という二重の支配を象徴しているのでしょう。

暴走の証明

彼らが持つチェーンソーは過酷な重労働の象徴。この道具が「制御を失い、人間を襲う破壊の道具」と化した事実は、ゾンビビジネスの最初の失敗を示しているのではないでしょうか。

2-2. Tortured Test-Subjects(トーチャードテストサブジェクツ):進化実験の犠牲者と研究開発の闇

画像出典:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン公式

"地下の拷問部屋から逃げ出した末に息絶えた、ゾンビの一群。
見るも無残な痛々しい姿でさまよう彼らに、その異常な空間に、思わず背筋が凍り付く!!"(引用:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン公式ウェブサイト

恐ろしい器具と痛々しい姿を持つ彼らは、ファクトリー22の「非人道的な研究開発部門」が生んだ進化実験の犠牲者ではないでしょうか。

研究開発の闇

拷問器具や、別の生物と融合された形跡は、ファクトリー22の責任者コープス・クラフターによる「より強く、効率的に制御可能な究極のゾンビ」を生み出すための非人道的な進化実験の形跡だった可能性が考えられます。

コープス・クラフターはゾンビ化の専門家でもあり、解剖学に精通しています。8歳で外科手術の資格取得、10歳で細胞蘇生を成功させたとか。

口が異形のものとか、きっと生物融合の実験ですよね。

口が異形のゾンビ

「息絶えた死体」の再利用

公式にある「逃げ出した末に息絶えた」という事実は、極限の苦痛に耐えかねた「実験失敗の死体」を、サステナブルな施設であるファクトリー22が回収し、ブレインロッドで「製品」として再利用したと考えるのが自然です。

拷問器具の正体

一部のゾンビが持つ「ミキサーのような器具」は、肉体をねじり、引き裂くことを目的とした工業技術を応用したオリジナルの拷問器具でしょうか。少し違いますが、現実に存在する似た拷問器具に、有名な「苦悩の梨」があります。生物融合ではない拷問の形跡は、肉体的・精神的ダメージによる何かのテストでしょうか。

2-3. Execution Enclave(エグゼキューション・エンクレイブ):旧秩序の残骸と闇の再利用サイクル

画像出典:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン公式

"もはや現実とは思えない、ありとあらゆる不快な処刑があなたの目の前に。
想像を超えたおぞましさ、直視できない惨劇の数々に絶叫せよ。"(引用:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン公式ウェブサイト

大剣、斧、鎌、そして鉈を持つ彼らは、レグルス・プライドの対極にある「旧秩序の正義」の残骸、すなわち処刑人です。

武器の象徴性

大剣・斧は、公的な「断絶」の象徴ではないでしょうか。処刑人の大剣は、ギロチン以前のヨーロッパで斬首刑に用いられたそう。また、斧も中世から近世にかけ「即座の死」を与える斬首刑に広く使われました。

鎌は死神代行の「収穫」を意味すると考えます。鎌は処刑具としての使用例は少ないものの、「命を刈り取る死神」のイメージと直結します。

鉈(ナタ)は残虐な「細断」と解体。包丁のような鉈は、本来、肉屋や解体の道具です。斧が「斬首」という終焉を意味するのに対し、鉈は肉を叩き切る「細断」や「粉砕」という、より残虐で徹底的な行為を象徴します。

死体処理班と闇の再利用サイクル

鉈を持った目隠しゾンビや、金槌と臓物がはみ出たバケツを持ったゾンビは、処刑後の死体処理に携わっていた人々でしょう。

彼らの存在は、処刑人たちが刑を執行した死体が、ファクトリー22の製造資源として回収されていたという、工場との密接な提携を示唆するのではないでしょうか。そして、処刑人たち自身も、最後は「サステナブルな施設」の資源としてゾンビ化させられたという、闇のサイクルに組み込まれていたのでは…と私は考えています。

2-4. Decadent Nightmares(デカダントナイトメアーズ):欲望に溺れた顧客と究極の皮肉

画像出典:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン公式

"恐ろしいほどに美しいヴァンパイア、一面ホワイトに染まったゴシックゾンビなど、どこか不気味で不穏な空気が漂う、禁断の悪夢に迷い込め。"(引用:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン公式ウェブサイト

大人気エリア。通常"白ゾンビ"は公式振付動画のセンターを飾っています。

ゴシック調の美しい衣装を纏うゾンビたちは、元々はゾンビ製造工場の「顧客」であり支配層が欲望に溺れた姿ではないでしょうか。

ゴシックファッションと権威

彼らの衣装は、13世紀から15世紀の貴族や上流階級で流行したゴシックファッションがベースになっています。この堂々としたエレガンスと装飾物性は、彼らが中世ヨーロッパの支配層の末裔であると考えられます。

マントと不労の象徴

特に男性ゾンビが多く纏うマントは、中世からルネサンスにかけて支配層の権威を象徴し「不労の象徴」として豪華になっていきました。これは、彼らが労働力を利用する側にいた、ゾンビビジネスの最大の恩恵者であった可能性を示しています。

また、男性がヴァンパイアに近いイメージを持つのは、「永遠の権力」「闇の支配者」という、富と権力者が求める究極の支配欲を表現しています。

「白ゾンビ」が示す退廃的な美

群れの中で目立つ白ドレスのゾンビは、デザイン上の視覚的な大目玉です。本当にこの子ばっかり目で追っちゃう。

暗いトーンの中で「純白」という無垢なイメージが、ゾンビの狂気を纏うことで生じるギャップ。これが究極の退廃的な美しさを生み出しています。これは、今回のホラナイのテーマ「正気なんか失え」にも即しており、美しさと狂気が裏表の関係にあることを表現しているのではないでしょうか。

究極の皮肉

彼らは、ファクトリー22を訪れて製造ゾンビを買い取り、安全で制御された労働力や娯楽として利用していた「顧客」だと考察できます。

ゾンビを「制御された製品」として利用していた富裕層が、ゴーストによる暴走に巻き込まれ、自らも制御不能な「不良品」へと成り果てたことは、ゾンビビジネスが生んだ最大の皮肉であり、彼らの欲望と退廃の末路を象徴しているのではないでしょうか。

さいごに

今年のゾンビの「製造過程」と「正体」、そしてファクトリー22という冷徹なビジネスの闇の全貌に迫ることができたでしょうか。

そもそも、私がこれほどまでにゾンビたちのルーツと背景を掘り下げたのは、ダンサーとしての振付演出という視点から「ゾンビ・デ・ダンス」の真の素晴らしさを伝えたかったからなんです。(後日書きます)
書き始めると2記事に分けるほどのボリュームになってしまった…

USJ公式から詳細な設定はなく、考察も「これが正解だ!」とバシッと繋がる回答は出せません。私は作る側が敢えてそうしているのだと思っています。統括ディレクターはゾンビ一人一人にストーリーがあると公言しながらそれを明かしていない。

ターゲットは大人。「さぁ種はたくさんありますよ。あとは皆さんそれぞれの考えにお任せします」というゲストファーストなストーリー作りをしているのではないでしょうか。

この姿勢が私たちに「思考を巡らせる楽しさ」という最高の付加価値を与えてくれているはず。

私のこの考察記事も1人の考えの例に過ぎません。様々な切り口、調べ方、考え方によって、自分だけのストーリーが生まれます。

あなたはこれを読んでどんな物語を考えますか?

▼ゾンビデダンス今回から変わった戦略の話

▼他の演出も深掘りしてます

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