['25 コンサドーレ] vs.ヴァンフォーレ甲府 〜過信はしない〜
2025明治安田J2リーグは第27節。
前節のホーム秋田戦では0-2の敗戦を喫し、柴田新監督としての新生コンサドーレは黒星スタート。これを踏まえて、ここから昇格を目指すのであればあと1,2敗で現実的にPOさえも考えられなくなってしまう。苦手なアウェイ甲府で勝利を手にすることができるか。
直近5試合で4勝1敗と好調な甲府。結果と内容どちらも上向きな中で、今節は相性の良い札幌との一戦。PO圏にプレッシャーをかけるためにもここで勝利することの意味は大きい。8月のホーム3試合で3万人の動員から後押しを受け、3連勝を目指す。
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概要・スタメン

結果は1-2でアウェイ札幌の勝利。
前半のチャンスで2点にリードを広げ、前半のうちに甲府が1点を返したものの、後半はそのまま守り抜き勝利を手にした。柴田新監督体制として初勝利となった。

甲府は前節から2枚替え。
右CBに土屋が戻り、右WBには今夏セントラル・コースト・マリナーズからレンタルで加入したミカエルドカが入った。
札幌は前節から4枚替え。
CHに高嶺がケガから復帰、左WBにはミンギュもケガから復帰。長谷川がシャドーに入り、ワントップはマリオが今シーズン初スタメン。ベンチには近藤がケガから戻ってきた。
シンプルさ、バランス

今節は札幌の保持の方が長かったので、札幌保持時から見ていく。
3-4-2-1の札幌は、3CBのうち右CB高尾が少し前に出ているように見えた。一個前の白井を押し出しているとも考えられるが、左WBミンギュも前に出ているので、どちらのサイドもWBを押し出しているのでそこに関連性はないかと。
となると、高尾は3バックの中でWB起用からゲーム内でSB化するポジショニングをとっていたこともあったので、それに近い立ち位置だったと思う。また、SB化することで高尾の持ち味である攻撃参加が可能。
守る甲府は、札幌に対してミラー。
3-4-2-1からWB,シャドーをそれぞれ一個ずつ下げて5-2-3,5-4-1でのミドルブロック。5-4-1での構えの方が多く、pressingに出るよりも構える手法をとってきた。これは対戦前の段階で予想できた箇所。
後方(札幌の前線)に関しては甲府の3CB vs. 札幌の2シャドー+ワントップでマンツーだった。

対ブロックに関しては、苦手意識がある印象の札幌だったが今節は割と簡単にファイナルサードに侵入できた。
チームとしてタテへの意識を持ちながら、ウラを取っていく形が多くありウラに走るプレイヤーとそれを活かすボール供給が目立った。
単純にロングでウラ返す形もあったが、上図のようにボールをサイドに動かして高尾が持った時に、ここに甲府の左シャドー マテウスレイリアがpressing(牽制)してくる。
その背後で札幌のシャドー チェックが引き出そうとハーフスペースに降りてくる。この時点でマンツーでついている甲府はチェックのマークであるマンシャが前に出ていく。すると、チェックが降りたタイミングで右WB白井がウラに飛び出していく。この形で背後を取れた。
抜け出した後は素早くクロスを上げてフィニッシュを完結させる形がほとんどで、空けたスペースからシュートで終わるという高い得点への意識を持つことができていた。自陣からの組み立てでは少しテンポを下げつつ、アタックに移行したタイミングで一気にスピードを上げてゴールに迫っていく。
こういうサイドでの高低差とタイミングを使った深い位置への侵入でチャンスメイク。足元や手前のコースだけに固執せず、ウラへの意識を持ち入れられる時に積極的に入れていた印象。シンプルながらもその中に大事な工夫もあった。
これくらいシンプルにやろう
— 鵜外 (@engjpn_ugai) August 23, 2025
もっと背後使ってこう
背後使い続ければ手前も空いてくるぞ#consadole
#長谷川竜也 選手がGKとDFの間にクロスを送り、#マリオセルジオ 選手がうまく合わせる🍄⭐️
— 北海道コンサドーレ札幌公式 (@consaofficial) August 23, 2025
🏆明治安田J2リーグ 第27節#ヴァンフォーレ甲府 1-2 #北海道コンサドーレ札幌#consadole #コンサドーレ https://t.co/ww2hV7IGLm pic.twitter.com/eNqetqiHMB
という中で迎えた16分、右サイドからロング一発で背後を取ると抜け出した長谷川が折り返して、最後はゴール前に詰めていたマリオが決める。
ロングで攻撃のスイッチを入れて見事に甲府の背後をとった。ロング一本で簡単に決定機を生み出すことに成功した。
簡単な形だったとはいえ、ここに至るまでで(この後もそうだが)対ブロックの中で足元や近い距離でボールを動かして、相手の注目をDFの視野内に集めていた。その中でウラへ飛び出すプレイヤーがいて、そこにロングボールを使って意表を突くようにウラをとる。
しかし、ここで一つ抑えておきたいのは、甲府のDFラインのロングボールへの対処が中々悪かったこと。この先制シーンでも他のウラを取れたシーンでも、甲府のDFはロングボールに対して触りにいくが触れないor後ろに逸らすというのがだいぶあった。この相手の対応の仕方もあってウラを取り続けることができたのを忘れてはならない(相手がショボかったからということ)。ただ、ウラへの意識をチームとして強く持てたことには変わりない。それがあってウラを狙って相手がミスったりしたので。
#パクミンギュ 選手コンサドーレ加入後初ゴール⚽️🇰🇷
— 北海道コンサドーレ札幌公式 (@consaofficial) August 23, 2025
WBがゴール前に入り込む攻撃的な意識が生んだゴール!
🏆明治安田J2リーグ 第27節#ヴァンフォーレ甲府 1-2 #北海道コンサドーレ札幌#consadole #コンサドーレ https://t.co/aOagCJ329M pic.twitter.com/PNdpM0oqbq
続いて、2点目のシーン。
このゴールの始まりもサイドのウラを取ってアタックに移行できたシーンからだった。動画の始まりは右サイドのスローインからだが、この深くまで侵入できた経緯は以下。
先制シーンと同じような形だが、左サイドでもWBミンギュが高い位置を取りながら背後を狙い続けていた。その中で、後方から供給されたボールが相手の頭上を越してウラに出た(このシーンでも甲府のDFがありえない対処をしてボールはウラに出た)。
このシンプルなウラ返しでミンギュが抜け出してクロスを送った。シュートまで行ったが相手にクリアされて、先ほどの動画の始まりであるスローインに繋がる。
このゲームでアタックに繋がったシーンの多くは、この背後への意識があったからこそ生まれた。5バックで守る相手であっても隙を見て背後の"スペースをうまく使う"ことができた。

ウラへの意識というものを可視化してみると、上図のような図式になるだろう。
前線に張っているプレイヤーは常に背後への意識を持っており、どこも1v1で対峙するDFを交わせればフリーでウラに抜け出すことができる体制になっている。ウラへの矢印を持ちつつ、組み立てのところでは降りてきてサポートしたりボール周辺に関わったりしていた。=手前で受けることとウラへ抜けることのバランスが取れている。


また、サイドでの攻略・侵入という部分ではワンツーも見られた。
CBからの組み立てで、WBにつけてここからシャドーとのワンツーでWBがウラに抜けていくというもの。
先ほど出てきた、シャドーとWBの高低差からのウラ抜けという部分と似通ったところがあるが、ここでもシャドーが降りてボールに関わりマーカーの相手CBを引き出す。そして、その背後でWBが抜け出して空いたスペースを使ってアタックに移る。
ワンツーという形もタッチ数もパスのテンポも上がるので、マンツーマンでついてきているDFを剥がすには有効な手段。一瞬の剥がしでウラをとりチャンスを演出できる。
シャドーがこういうところで関わるのと、WBも我慢して足元での連携を使って最終的にウラに出ていくという面でも足元・ウラのバランスが良い。ワンツーでそのどちらも使ってうまく相手のブロックを崩すことに成功した。こういう狭いスペースからの打開も見たかった形である。

ここで、甲府の守り方に起因した攻撃であったことを考えてみる。
甲府はpressingよりも構えることを選択したのだが、あまりにも札幌のやりたいことをやらせてしまっていた印象。
ロング一本でウラを取られるなんて、今の時代のサッカーであって良いことではない。ましてや、pressingにも行っていない+5バックで対応できる枚数はいるという状態で。
実際を見てみると、ブロックを組んでいても札幌のシャドーへのコースや他のホルダーへの寄せの部分で限定できていなかった印象。簡単にパスを繋げられたりキーマン(シャドー=チェック)にボールを持たせてしまったり。まず、手前のパスコースを自由に開けてしまったようだった。
次に、ロングを入れてくる相手に対して自由に蹴らせていたこと+後方の対応。pressingに出ないのでボールホルダーに自由が生まれるのは確かだ。ここで相手がロングを蹴ってウラを狙うというのは、ゲームの中でわかってくることである。しかし、甲府はそういう展開になっても引いた守備が続いて蹴られてしまう。蹴られるのは引いているから仕方ないとしても、その次にロングボールを対処するDF陣に問題があった。
下がりながらの対応になるものの、DFの方がボールと人を見れているので対応しやすくはある。しかも、ロングボールの成功率は50%程度なので取れるか取れないかは半々。というところで、ブロックを組んでいればpressingで戻りながらの対応になるよりも守りやすい。しかし、このゲームでは甲府はロングボールに対してスカしたり後ろにボールが流れたりとよくない対応だった。
5-4-1で構えているのならちゃんと対応できるはずである。確かに、技術力のある札幌のプレイヤーの足元を警戒して前目のDFになり、ロングボールが急に飛んできて難しいこともあるかもしれない。だとしても、時間が経つにつれてウラに長いボールが飛んでくることはわかる。その上で、同じような対処ミスでやられてしまった。そこの修正力か個人の能力か。
※前半途中で散々やられていた右サイド=右WBドカが代えられてしまった。
という部分で、札幌は甲府の守り方やボールへの対処の仕方の悪さでウラを取れたり、簡単にアタックできたという見方もできる(前節の秋田戦の後半部分でも同じようなことを書いた)。自分たちの狙いがあってこそウラを取れたりしたが、これが全てのチームに通用するとは限らない。
例えば、次節の大宮や仙台あたりは守備への意識も高く、個人での対応力・組織としての対応力も甲府より高かったりする。そういう相手に対しても使えるように、ウラだけでなく足元でのポゼッションとバランスを取りながら、質を高めて駆け引きしなければならない。そうでないと一辺倒になってしまう。
「甲府相手だからできた」という見方も忘れては自分らを買い被ることになる。
甲府の守備が思ったより緩くて、ロング一本入れればミスるとかウラ譲るとかが多い。これまでのゲームでも前半は少し緩い印象はあったが…。
— 鵜外 (@engjpn_ugai) August 23, 2025
後方ケアがあんまり良くない。ここが改善されるかどうか or 蹴らせないためにpressing強めるか。#vfk
省エネ守備

逆の甲府保持時を見てみる。
甲府は3-4-2-1からそこまで形を変えていない。
3CBは幅をとっており、ワイドはWBが押し出て高い位置を取っている。そのこともあり札幌のWBも押し下がるので札幌は5バックで引くのがベースとなった。また、右シャドーの鳥海が降りてくるいつもの動きも見られる。
守る札幌は、5-4-1でのミドル〜ローブロックを選択。
気温的にも体力を消費してバテたくなかったのか、割と守備的な形が多くpressingよりも構えてブロックを組む時間が長くあった印象。守備に切り替わったところでは撤退してブロックを組むことが優先的だった。

その中で、札幌は甲府が最終ラインからビルドを開始する場面ではpressingをしていた。
pressingの担当は前線の2CH+シャドー+トップの2-3。5バック以外の5枚が前に出ていく。WBは相手のWBが常に敵陣に入ってきているのでそのまま最終ラインで並んで対応することになる(=5バックが継続される)。
pressingする場面では、1st DFであるマリオが頑張ってpressingしていた。甲府は右サイドからの組み立てが多く(同サイドで鳥海が降りて数的優位なエリアがあるから=これまでのゲーム同様)、限定しなくても勝手に甲府は右回しになる。これで札幌はとりあえず左サイドの守備をしっかりやれば良い。

脇CBが持てば、次にシャドーがボールホルダーにpressingする。
長谷川は前半のpressingで相手のWBへのコース(大外へのコース)を切りながら中誘導するシーンもあった。大外につけられてWBを押し出して最悪背後を取られるのでそこを考慮したか、そもそもWBの守備時の押し上げが遅れていた影響で中誘導にしたか。
中誘導でバックパスさせれば再びセットすれば良いし、中へパスを出されても枚数がいるのでそこでcrashすれば良い。

甲府がビルドから大外のWBにボールを渡したとしても、札幌はWB,CB,CH,シャドーで囲い込みながらボール奪取を目指す。
ベースがブロックなのでシャドーのプレスバックさえあればすぐに囲い込めた。シーズン序盤ではシャドーのプレスバックがなさすぎて相手の攻撃に規制をかけることができていなかったりしていたので、守備文化のなかった中では痛手というか問題点だった。しかし、このゲームであったように長谷川を中心にpressingに出たらしっかり帰陣する というムーブが随所であったので守備の安定感にも繋がっていた。
そもそも、ブロックを組むのも早かった=撤退が優先的だったこともあり、ブロックの中で守っているという意識でやれていたのかもしれない。=プレイヤーの距離感が近いのですぐ囲い込める。
ただ、サイドに追いやっても再び中に刺されてフリーに持っていかれる形もあった。このサイドで潰すのか静観するのかの選択が状況を左右する。ここでもう少しpressing強めて戻させるorボールにアタックするで良かったのでは?とも思った。

前進が難しい甲府は、途中でCH林田が最終ラインに降りて4枚での入り口になった。+降りてきているシャドーの鳥海がCHへ。
こういう形で可変して盤面の状況を変えたい甲府だったが、札幌は可変されても何されても5-4-1での構える体制は変わらないので影響はなかった。ブロックを継続して持たせているので、慌てることもなく「まずは自分らの守備陣形を整えてボールを見よう(=飛び込まないようにする)」という風潮だったか。
なので、甲府は札幌がブロックをセットしてしまった場面で前進する機会はほとんどなく、シュートチャンスも少なかった。対ブロックの中で前線のプレイヤーのアクションも少なく、(後半でも出てくるが)ウラへの狙いがなかったので相手の視野内でしか動けてなかった・ボールも同様に…これは前節の札幌状態。大胆なアクションがあっても良かったのでは。


そういう意味では、前半途中でマテウスレイリアをサイドウラに動かしたシーンは良かったのでは。
上図の1枚目のように、WBがビルドサポートで降りてきてWBについてきているDF(=札幌のWB)を前に引き出し、その背後を空けるという形。サイドのDFを引き出してスペース空けてシャドーとかを走らせる、というこのお馴染みの形(3バックやっているチームは攻撃時にこういうの多い)。
甲府であれば、前線でレイリア・内藤が残留しているが、内藤は足元でのポストタイプに対しレイリアはウラ抜けタイプ。そのことも考慮してレイリアのウラへの動きを活用する。この形はこれまでのゲームでも多くあった。
その狙い通りにサイドのスペースを取れたが札幌のDFが潰して回収した。甲府は良い形で誰かが持てても孤立するシーンが多く、そこで札幌のDFが囲い込みに来てしまう(撤退を優先しているから)。先ほどの、サイドでの囲い込みもそれに近く、サポートの距離が若干遠いということか。
逆に札幌はこういう形でpressing時に飛び込んでしまうと、背後にスペースを空けてしまって相手のアタックのきっかけを与えてしまうことになる。そういうことも含めて、pressingに出るよりはブロックを組んでスペースを消した方が良いのだ。
守備的な選択をして守備的に守る(変な言葉ですが…)ことで相手に攻撃のスペースを与えない。飛び込んでしまうと蹴らせない対応をしない限りは、背後を突かれて一気にピンチになる(前半戦での失点や押し込まれ方はそれが多くあった;近藤の前への飛び出す守備は良くなかった)。
唯一のチャンス
持たされると苦しい甲府。
札幌はリードもあり、持たせながら守備でゲームをコントロールしている。
欧州だと、守備で相手(試合)を90分コントロールするって発想は普通です
— マチルダ・アジャン (@Modiglianista) August 23, 2025
『コントロール/支配』=ポゼッションという発想自体が和式…
▶︎この国には守備の文化がないってヤツです🤖
その中でも甲府の唯一のチャンスはカウンター。
動画がなかったのでイメージはそれぞれに任されますが、甲府の得点シーンはカウンターからだった。
他のカウンターシーンでも甲府はチャンスを作っていたが、やはりカウンターとなると守る側(札幌)の守備陣系は崩れたままである。その上で、攻め込めば数的優位の形でアタックすることができる。その中で鳥海のゴールはスペースと時間があったから決まったのである。これが対ブロックならボールへの寄せなど守備枚数がもっとかかっており、窮屈な状態でシュートコースも見えなかったと思う。
逆に、札幌は切り替えの部分で被カウンターになった時の走力(走る)をもっと上げたかった。前節の秋田戦でもそうだったように、相手のカウンターになった時に置いていかれるシーンが多く、自由を持たせて攻撃されてしまった。とはいえ、ここの意識は上がりつつある印象を持てる(カウンターストップのところでも高嶺のスライディングタックルなども効いていた、、、スライディングだと対応はギリですが…)。※秋田戦はカウンターストップも帰陣もできていなかった。
失点シーンでももうワンテンポ早く戻っていたら、もう一人戻っていたらシュートさえ撃たれなくて済んだかもしれない。シュートはファインゴールだっただけに対応が難しかったかもしれないが、それはシュートシーンだけの話である。それ以前に高嶺だけがシューターの鳥海の前に立っていて、そこでもう一枚後ろからプレッシャーをかけていれば鳥海のシュートは枠外に飛んでいたかもしれない。この守備の切り替えでの数秒のスプリントやボールへの影響があるのかないのかが重要…。
岡田武史氏もそれに近しい話をしていた(切り替えよりもっと根源的な走りの部分、いや運の部分)。
スコアは1-2でアウェイ札幌がリードして前半終了。
シンプルながらも2得点と複数得点を奪い優位にゲームを進める。守備の部分では大方安定的だが、被カウンターのところで不安が残る。
HT 札幌2-1甲府
— 鵜外 (@engjpn_ugai) August 23, 2025
繋ぎとウラのバランス良。特にアタックの入り口としてのウラ抜けはかなり効果的。長谷川,白井,ミンギュがウラ引っ張って、そこを使えている。ロングを使ってシンプルにゴールへ直線的に迎えている。その中での2ゴール。
守備時は5-4-1でWB下げて構える。守備的だが安定感。#consadole
後半
HTでの交代はお互いになし。
甲府は前半途中で右WBドカに代えて、小林岩魚(いわな)を投入し左WBへ。左WBをやっていた荒木は右WBに移っている。
Re:守備的な選択

後半は甲府が保持する時間が多かった印象。
札幌は前半から継続して、5-4-1でのブロックを組んで対応。持たせながら引き込ませながら相手の攻撃に停滞感を与える。
ただ、甲府もこれまでのゲーム同様に後半序盤で仕掛けていきたい。その意味で、前半から降りて受けようとしていた鳥海がそのまま中盤にin。これで中盤は相手の2CHに対して3枚(元の2CH+鳥海)になるので、+1の状況。これもこれまでのゲーム同様の取り組み。

この形は、例えば札幌のシャドーが前に出ているとより活きてくる(この時点で札幌は5-2-3になっている)。
上図のように札幌の前線のプレイヤーが前に出ていくとその背後でIH(中盤3枚のうちの両脇)が空く。このIHは、札幌の2CHの脇を取ることができているのでここで受ければチャンスに繋がる。=5-2-3の2の脇を攻略。

その状況下で、甲府は中盤・中央に向けてのタテパスからチャンスメイク。
鳥海や田中といった技術のあるプレイヤーにボールを預けて、そこから中央から侵入したりサイドに広げてクロスへ…など、前半で見られなかった攻撃の形が見え始める。
札幌はブロックベースの中であったが、時にこういう脇(ハーフスペース)を使われて危ないシーンを作られたり、前半より簡単にシュートまで持っていかれたりした。ここでのケアやコースの切ることへの意識を忘れてはならない。
後半も続けて守備的な選択で引いて守っているのなら、自ら相手に攻略のコースを空けるのではなくそこを埋めてより頑丈に守らないといけない。ここの部分に関しても、甲府がフィニッシュワークの質が低かったから助かったものの、もっと高強度でやれるチーム相手だと簡単に崩れてしまうだろう。
ブロックを組んで堅く守るはずが、簡単に中央を開けてしまっている…。結構重大なこと。

また、この鳥海が中心となっている甲府の攻撃でライン間を活用したチャンスメイクも見られた。
札幌がpressingに出て(甲府がボールを脇CBに動かす)、その連動で札幌の5-2-3のうち2-3が前に出てくる。すると、上図のように甲府はサイドに逃してから素早くライン間で待っている鳥海にボールを預けて侵入できる。対ブロックの中で崩すトリガーを得ることができている。
札幌は後方は引いて守る意識でラインを低くしている(甲府の前線のプレイヤーに押されている?)。対して、CH以上はpressingに出る場面もありここでDF-MFラインでズレが生じる。間延びしてブロックの中にスペースを与えてしまっている。
自らの守備のアクション(守備での仕掛け)を起こした中でケアすべきところをケアしきれず、といったところか。もちろん、甲府のプレイヤーの技術の高さやポジショニングのうまさもあるが、守備的な選択でブロックを組んだのであればここは封鎖しておきたかった。そういうところから綻びが生まれ、このゲームの後半のようにペナ前付近orペナ内まで侵入されてしまう。失点してもおかしくなかったのでは。
pressingに出るならチーム全体で連動する・押し上げる。ブロックを組むならブロックから飛び出さずに構える。ここの意思統一や中途半端さをなくすことが大事。守備でゲームをコントロールするのは大事だが、ここで自ら崩してしまう(相手にチャンスを見せてしまう)とプランが終わる。
この辺の修正はこれから求められる。
走れ、札幌


札幌の攻撃のチャンスは少ないながら、カウンターのところではオープンになるのでそこで期待度があった。近藤などの投入でここでの出力はできたが、何か物足りなかった。
カウンターに出るとなると、スペースもあり優位な状況でチャンスになる。ここで枚数をかけてゴールへの確率を上げたい。しかし、この後半ではその迫力が落ちてしまっていた印象。
白井や近藤がサイドを破って抜け出しても、中には1,2枚しかおらずDFはその同数以上で守れている。これでは点は入らない。1点差ということを考えても、守備的になっていることを考えても、攻撃的サッカーで攻め勝つという命題があることを考えても、3点目は欲しかったはずだ。そこで「絶対に点を取るんだ!」という気持ちを見せて欲しかった。
例を挙げると、クロスに対して枚数をかけつつマイナスクロスで遅れて入ってくるプレイヤーがシュートを決めるという形=マイナスはスペースができる=遅れてでもクロスに入ってくることが重要。これが結構主流。
まさに『最後にボックスに到着した選手が最初にシュートを打てる‼️』
— マチルダ・アジャン (@Modiglianista) April 27, 2025
✅DFラインを押し込んだらマイナスクロス
▶︎(もはや欧州ではセオリーとして確立してるアクション)
=シューターの時代の布石
pic.twitter.com/n1OFKKZtTX
やはり、要所要所での"走る"部分がまだ足りないように思える。
カウンターやチャンスの部分で枚数がかからなくても、近藤のドリブルなど個人技でシュートまでいけてしまうのが札幌。そういう個にプラスして組織としての押し上げ(枚数を加える)があると、より攻撃的で得点力の増加にも繋がる。個も組織もどちらも力を伸ばしたい。
随所で見たいプレー(連携や崩し)はあったが、それがフィニッシュワークのところまで繋がらなかったような印象。結局、個人技でシュートまで行っていた。ここでの個+組織としての押し上げ(走る部分)がもっと出ると、目指している?攻撃的なサッカーの体現になるかと。
— 鵜外 (@engjpn_ugai) August 23, 2025
ゲームはそのまま終了し、1-2でアウェイ札幌が小瀬では20年ぶりの勝利。柴田監督も指揮官としてコンサドーレ初勝利となった。
総括
まずは、しっかり勝てたことは良かった。
気候的にもチームのこれからを考えても苦しい状況であったが、ここでまずは勝利できたことは大きいはず。
戦術的なところでは、まず攻撃の部分で手数をかけすぎずにシンプルな形でアタックに移れたのは期待が持てる。これまで(特にミシャサッカー)では足元ばかりに固執し、対ブロックでは押し込みすぎてペナ前でパスするだけになっていた。そうなるのでは?と思っていたが、ブロックを崩すのに苦慮する前にロングでウラ返して擬似カウンター的に攻めれたのは、現代のトレンドをしっかり遂行していると感じた。現実的な攻撃に感銘。(ミシャサッカーでこれをやれてたのは小柏がいた2023年の序盤あたりだったかな…それに近い印象)
シンプルさだけでなく、ポゼッションの部分ではパスワークを活かしたり狭いスペースでのパス交換には、これまで培ってきたものが活かされていると感じた。その繋ぎ(短いパス交換)・リリース(ロングボール)のバランスがとても良かった。
守備では無闇なpressingも想定されると思っていたが、そうでもなく割り切ってブロック志向だったのも現実的で良かったと思う。しかし、その中で穴を開けてしまったり隙を見せていたので、そこは修正していかないといけない。また、守備に限らずだがどちらのカウンターでも走力をもっと上げたい。数秒のスプリント頑張るだけで、数十分、いや1試合が楽になり得る。ここはサッカーのベースの部分、相手に負けては試合に負けてしまうぞ。
守備的な選択だったが、これが攻撃的サッカーの中で評価されるのか?とも思う。こういうサッカーを嫌う人もチーム内にはいるんだろう(岩政前監督はそれで解任されたっぽい?)。というところで、ブロックを組むよりもpressingに出る方がチームというかクラブとしてやりたい守備なのだろうか。今節のやり方はトレンド的に正答だと思うが。
守備の部分は環境や体力的な面もあったが、pressingは限定的でベースは引いてローブロックだった。選択的には間違っていないし、引く守備→カウンターというトレンド的な運び(正答)。
— 鵜外 (@engjpn_ugai) August 23, 2025
ただ、これが攻撃的サッカーの部分ではどう評価されるのか。これを許容するのか、もっと攻撃的な守備を求めるのか。
試合後のインタビューでも、柴田監督は「攻撃も"守備"も自分たちから仕掛けたい」と話していたので、"攻撃的な守備"という意味でのpressingの採用があるのではと思う。それが結果に繋がるかどうか…ブロックの方が守りやすいけどエラーが実際に出ている…pressingなら近藤等の前から積極的な守備も活きたり?
試合後インタビューでは、柴田監督は「攻撃も"守備"も自分たちから仕掛けたい」とのことなので、pressingをベースにした守備を求めそう。#consadole https://t.co/eTEtirybdn
— 鵜外 (@engjpn_ugai) August 23, 2025
J2も残り11試合。
そろそろPO圏との勝ち点差を考えると、あと1,2敗で昇格の可能性自体が計算できなくなる頃。という中で、昇格を目指すのであれば諦めずに勝ち続けないといけない。
良い雰囲気で浮かれてしまうが、現実を見るとかなり崖っぷち。そして
ここから上位との対決も続く。難しいゲームが増えてくる中で、どれだけ今のサッカー(目指す攻守どちらもの攻撃的サッカー)が通用するのか?
次節は大宮戦。
ここはかなり注目すべきゲームになるだろう。どこまで結果を残せるのか。ある意味、今節の答え合わせのゲームか。
