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ヴァンフォーレ甲府 戦術チェック#2

2025明治安田J2リーグは第27節を迎えようというところ。

岩政監督解任後、柴田新監督の初陣となった札幌は前節のホーム秋田戦を0-2で完敗。就任直後と波乱な状況下でのゲームであったが、昇格に向けて考えると痛い敗戦であることは変わりない。8月5連勝を目指した中ですでに2敗。残り2試合でどんな結果を残せるか。

一方、甲府は前節のホーム大分戦を勝利し、直近5試合で4勝1敗と好成績を残している。上位チームからもしっかり勝ち点を稼いでおり、前半戦の不調から脱却し調子は上向き。"負け"は8/2の山形戦では敗戦を喫したものの、それ以前では5/31の大分戦と負けない力も大いにある。

では、対戦前に甲府の戦術チェックに入っていきます。
今回も直近3試合を参考にしています。

↓前半戦の対戦試合の振り返りはこちらから。


スタメン

第24節 vs.山形(青:甲府)
第25節 vs.山口(白:甲府)
第26節 vs.大分(青:甲府)

ここまでの直近3試合の甲府のスタメン。
ベースは3-4-2-1。

GKは河田。今シーズンここまで全試合フル出場中

DFラインは3CB、マンシャ・孫・土屋・ヘナトアウグストあたりが出てくる。

ボランチは林田・田中のコンビ。ヴァウソアレスも出たりしているが、ここ2試合連続で林田・田中のコンビになっている。

WBには荒木・佐藤・小林・ミカエルドカあたりがいる。村上もいたが夏の移籍ウィンドーで長野にレンタル移籍した(村上は結構良い選手だった印象)。他に宮崎が徳島に移籍。

前線3枚は、内藤・マテウスレイリア・鳥海のトリオでくると予想される。この3枚の組み合わせや連携、個人の特徴など相性が良いように感じられる。前線のプレイヤーであれば、ポストプレーが特徴的なネーミアスをはじめ、三平・大島・熊倉など良いプレイヤーを揃える。


保持〜攻撃

保持時は後方からの組み立てとウラへの供給の二つが挙げられる。組み立てではシャドーの鳥海が引き出したり、可変やポジションチェンジを施す。ウラへは、レイリアのウラ抜けを中心にシンプルなウラ返しが特徴。徐々に精度が高まっており、戦術の柔軟性や対応力が高い印象。


[第24節 vs.山形]

まずは、山形戦から。

甲府のビルドの入り口は3CB+2CH。ベースの3-4-2-1から可変することはこのゲームではあまりない。ただ、2シャドー(特に右の鳥海)がハーフスペースで引き出そうとする形が多く見られた。

両WBは低めの位置どりでスタート。


甲府のビルドに対して、守る山形はベースの4-2-1-3からトップ下土居が一個前に出て、4-4-2でのセットし2トップでpressingをスタート。

前線2枚でかけつつWBへはSHを出していく。最前線4枚での守備のスタートでもある。

後方では、ワントップのマテウスレイリアに対して2CBで見るような形。ここを2v1で見ることで自由を与えない。=脱出口にしようとしてロングを入れられても跳ね返せるような準備。


山形のpressingを受けて、甲府は足元・地上でのポゼッションに取り組みたいがなかなかうまく前進できない。

シャドーが引き出そうと降りてくるも、そうすれば全体が狭くなるので相手の守備陣形のコンパクトさを助長してしまう。=ボールを受けてもすぐに圧力を受けてしまう。+WBも低いので全体的に押し下がっている、相手SBの圧力を受けている(WBがウラに抜けたりできれば良いが…)。

というところで状況を脱しようとワントップのレイリアにロングボールを供給するも、前述の通り山形は2CBで見ているので甲府はここで収まらず、脱出口が消える。


保持では苦しさもありつつ、状況を変えるためにシャドーの鳥海がCHの位置に降りたり、上図のように前線ではワイドに流れたりと工夫を凝らす

しかし、他のプレイヤーの配置も効果的ではなく、鳥海の動きのみが目立っているような印象。


一つヒントになったのはWBの受ける位置。

上図のようにWBが高い位置を取りながら…その位置とは相手のSB-SHの間のところ。ここで受けることができれば、相手SHを越して受けることができ相手SBのpressingをすぐに受けることも避けられる。元は、相手SHがWBに対してpressingしていたのでここで逃れることができる。

この中途半端な位置どりでサイドに展開できれば、次に対峙するSBと1v1で仕掛けられる他、インサイドのシャドーを使ったりアーリークロスを入れたりと難しい状況からチャンスを作ることができる。

WBが高い位置を取れているかどうかがキーになりそう。

しかし、このゲームの前半はあまり手応えはなかった。


後半になって、鳥海がCHに並ぶようなポジショニングとなると中盤の数的優位性が活かされる。

2CHで守っている山形に対して、中盤を2CH+シャドーの鳥海で3枚になる。これで3v2の1枚の数的優位。中央を使って崩しにいくこともできる。


この可変からタテへの意識が出始め、ビルドからタテパスが刺さるようになり良い前進が多くなる。

前に出てくる相手に対して、全体のボールへの距離感とタテへの意識変化で剥がせるようになる。マークズレを中盤で起こせたことによって、相手が一個遅れ始める。

山形は降りてくる鳥海がいる中で、2CHは前半と同じマークがそれぞれいて、鳥海がフリーになってしまう。ここで同サイドの國分が外に出るのかインサイドの鳥海に出るのかが曖昧になったか…。

中盤に鳥海が降りてきて2CHと安定的な組み立てを行ったことで状況は好転。前半であれば工夫が少なく、鳥海もどこで受ければ良いのか…というような感じだったが、そこでの鳥海の活用で良いビルドになる。


そのタテへの意識もあって、ビハインドの中で得点も生まれる。カウンターだったがここでの前へ出る意識と、鳥海の個人技が活き得点に繋がった。


ただ、その後は失点を重ねたことでトーンダウン。簡単なロストも増えて後半序盤ほど活性化せず。1-3での敗戦となった。

このゲームは直近3試合の中でもよくないゲームだった印象。


[第25節 vs.山口]

続いて、山口戦。

ビルドの入り口は変わらず。
このゲームでは途中可変があったが、まずは可変前から。

上図のような状況下では早めのタイミングで後方からリリースしたい(山口は前からpressingをかけてきている)が、前線の内藤もレイリアも収まっている感じではない。

前節(先ほどの山形戦)同様、タテパスの意識からタテに入れて中央からコンビネーションで前進するが、そこからファイナルサードへの侵入の精度があまり…。

山口はベースの3-1-4-2から守備時は5-2-3でマンツーでハメ込む。前線3枚でpressingをかけながら、それ以降のマークもマンツーでハマっている。山口としてはハマっている中でpressingから蹴らせて回収したい狙い


ビルドからサイドに逃がしてロングで前線に当てていきたい甲府だが、やはり前線のプレイヤーへは確実には収まらない。

トップの内藤であれば足元のところで期待はできるが、そもそもサイドにボールがあると守る山口はスライドしてくるため、前線2枚に3枚で対応してくる。そのため、内藤のところも自由がない。また、もう一方のレイリアは完全な足元タイプ(ポストプレー系)ではなさそう


逆に、サイドからレイリアをウラに走らせて深くを狙う形であれば、レイリアの良さが活きてくるようだ。

他のゲームでも、保持時に手前ばかりになっている中でレイリアがサイドウラを取るように引っ張る形もあった。これでpressingを回避しつつチャンスメイクに繋げたい。

こういうシーンは札幌戦でも出てきそうである


苦しい展開の中で前半途中で可変し始める。

左WB荒木をSB化して後方は4バックになる。中盤はシャドー鳥海を降ろしたままで3枚、前線は右WB村上を上げて3枚。これで4-3-3になる。

この可変で、前節(先ほどの山形戦)と同じように中盤での数的優位性とビルドの入り口での優位性を保てる(ビルドの安定化とpressing剥がしへ)。特に、右はWB村上が上がったことで土屋が前に出れる。左は荒木が下がったことで対峙する相手WBが前に出てくるならば、その背後をウラ抜けが特徴でもあるレイリアを走らせればpressingに遭わずに前進できる

それぞれの特徴を活かしながら、うまくスペースを使えるようにシフトした。


サイドからの切り崩しでは、タテパスから連携が生まれる

WB荒木が持った時に相手WBが引き出る(ここで真タテではレイリアがコースに入る…マーカーと1v1)。かつ、中盤もパスを引き出そうと寄ってくることでマークの相手CHが引きつく。すると、その背後にできたスペースに足元に期待が持てる内藤がパスを受ける

サイドからのタテパスを刺して、そのおとしを中盤が前向きで受けてそのままアタックへ…という流れる形も見られた。中盤では鳥海の技術を中心に安全にボールを前に運べる。

中盤の支配からワイドや前線の活用へと好影響が続く


そして、攻撃のペースを掴めた中でカウンターから先制。

逆に相手がローペースになった中で前向きで奪ってからの展開だった。保持時の可変をきっかけに攻撃に明るみが生まれ、得点にも繋がっていった

後半は押される展開になるが、カウンターベースで攻撃に出る時は出るといった流れ。そのまま逃げ切り、このゲームは1-0で勝利した。


ところで、このゲームで展開を改善する一手となったのは4-3-3への可変であった。それがあってこそタテへの意識と精度の保たれるアタックに繋がった。しかし、これはトレーニングの中で取り組んでいたものではなかったそうだ。

チームや個人としてそれなりに対応力がありそう。


[第26節 vs.大分]

この項ラストは、前節の大分戦。

大分戦もこれまで同様に3+2の入り口で、シャドーから鳥海が降りてくる形。メンバーの部分では、山口戦で組み合わせの良かったレイリア・
内藤を前線に残す形
となった。

守る大分は5-2-3でのミドルブロック。持たせながら前線3枚でコースを切りつつ、3CBへ牽制を行い後方はミラーでハメている。


ミラーでのマンツーでつかれている中で、この状況を脱したい甲府はやはり鳥海が動く

対ブロックの中でボールは外回しになってしまう。その中で鳥海がサイドに流れてフリーでボールを引き出すような動きもあった。この際は、元のWB佐藤が一個前に出て対峙するWBをピン留め=鳥海フリー的な。

こういうポジションチェンジでなんとかコースを探りたい甲府。中盤では鳥海・田中がIH化、林田がアンカー化して1-2の形になることも。探りながら。


あるいは、アンカーとして動いていた林田がDFラインに入って4枚でのポゼッションへ。

中盤は田中・鳥海のコンビになり、前線はやはりレイリア・内藤を残している(ここが2トップ化、それぞれ役割も異なる)。この鳥海ダウン・レイリアと内藤前残しは定石になっている模様。

山口戦でもあったように5バックでくる相手は大抵5-2-3でpressingする。となると、ビルドの入り口は3v3になるので同数で圧力を受けやすいその中で、4バックへの可変は結構スムーズ。しかし、この大分はpressingにあまり出てこないのでどうであれボールを持ててしまう。

ただ、大分は構えてブロックを組んでおり前線の2-3(5-2-3のうちの前線2列)はコンパクトに保っているので甲府は中盤にタテパスを入れようもんなら、大分はここで潰しにくる距離感を保っている。だから甲府は外回しになってしまう。


外回しの中でも、大分がpressingすると大外(WB)のところは狙われてしまうが、ここで大分のWBが前に出てくるならウラ返すチャンス

ここまでで出てきたように、相手がpressingに出てきてかつWB(SB)も連動して前に出てくるなら、ウラへの機動力があるレイリアを走らせる戦法がある。

相手が前から来ているならウラ返しはほぼほぼ確実で、それを待っていましたかのようにやっていく。となれば、"ターゲットとしては内藤が警戒されているがウラのターゲット(ダブルミーニング*)はレイリア"であろう。

ダブルミーニング*・・・戦術上の相手の"ウラ"という意味と、内藤が"オモテ"のターゲットでレイリアが"ウラ"のターゲットであるという意味。


そして、後半に入って得点を奪う。
やはりカウンターながらもタテへの意識が強まる様子で、鳥海の技術力で奪った先制点であろう。

また、中盤では鳥海・田中のパスやターンといった高い技術で脅威的なチャンスメイクが増加。相手が前目になって飛び込んできた or 少し攻撃的になったこともあるが、それをしっかりウラ返す押し返す力がある。そして最後はフィニッシュまで。


大分戦は後半で2点を奪って2-0で快勝。

この直近3試合は徐々に保持〜攻撃フェーズでのタテへの意識と、相手の守備に対する前進の手段やスペースの活用、ポジションチェンジの改善が見られた。試合を追うごとによくなってきていて、精度も上がっている。+鳥海を中心とした技術でより正確性と決定機を迎えるだけの素質がある。

↓甲府の戦術インスタントver


データで見ると

ロングボールデータ

甲府のロングボールの使用本数は1153本でリーグ内では下から3番目と少ない。1試合平均44本くらい(札幌は57,8本くらい)で13本程度の差がある。

背後への狙いもありつつも、メインは地上での繋ぎ(中央での連携・ポゼッション)なのでロングに頼らないというのは最近のゲームを見てもわかる。


APT,支配率,ロング頻度

まずは、APT(アクチュアルプレーイングタイム)だがリーグ内ではかなり長い方。札幌よりも1試合平均では+2分くらい。支配率にも関わる話だが、守備の時間で持たせる時間が多いので時間は伸びる。しかも、pressingでプレーを切るような形ではなく引いて守ることもあるので、その通りにデータが出ているか。

支配率は平均44.9%でリーグでは低め。ここまで出てきた通り、保持の時間もあるが守備の時間も同じくらいまたは長いので支配率はこういう数値になる。

ロングの使用頻度は、ロング1本蹴るのに大体33.79秒。リーグ平均よりほんの少し上の数値で、蹴る頻度は普通くらい。ロングの本数自体も少なく、地上での繋ぎの方が多いという印象。

↓以上のデータは以下の記事内で紹介してます。


左:札幌 右:甲府

時間ごとの得失点も見ておきます。

甲府の得点が多いのは後半の入り(10得点)
前半はあまり崩せなくても、後半の入りでタテへの意識を持ちながら攻めに重きをおいている印象。この後半入りの時間帯が甲府のペースになりそう。ただ、札幌はこの時間帯での失点は特に少ないので耐えることができそうではある。

失点はどの時間帯も満遍なく同じくらいの数値。
ブロックを組んで守るのがベースになっているので、どの時間帯でも攻撃側は攻めるチャンスはある。その展開の中で決定的なチャンスを演出し、しっかり決め切れるかどうかにかかっている。


守備

5-2-3をベースにした守備。
pressingの際にはWBを出して前から圧力をかけることもある。ただ、最近ではブロック形成を優先的に行い安定した守備で、保持側にスペースを与えない守り方になっている。


[第24節 vs.山形]

まずは、山形戦から。

山形の保持時はベースの4-2-1-3から概ね変わらず。前線はディサロと土居がタテ関係になりつつ、スペース共有。左WG國分はインサイドにポジショニング。

甲府の守備は3-4-2-1からWBを下げて5-2-3。
序盤は前からpressingをかけて、セット時は前線の2-3でロックする。pressingに出ずに構えている状態では2-3で相手CHを囲んでいるような状態になる。


山形はシンプルに前線に長めのボールを入れて前進する。

前線ではトップのディサロがウラを狙っていく。そこに供給するようにしてサイドからそのままロングを入れる。

甲府は前から出る際には相手SBにWBを押し出してのpressingになるので、ここでWBが前に出ると背後が空いてきてしまう。空いた背後のスペースを山形は活用していく。


WBの押し出しという部分では左サイドでも同様。pressingに出るタイミングとして大外があるが、そこにWBを押し出していく。

やはり相手SBが持った時にWBを押し出してpressingする。WBが出るならDFライン全体はボールサイドにスライドする。

ここまでの通り、甲府は前線2-3で中央をロックしサイドではWBがpressingに出て警戒できている。しかし、簡単に背後を空けてしまっている上、簡単にロングを蹴らせている状態。5バックとはいえ、WBが前に出るとボールサイドは実質3枚で山形が枚数かけてくると手薄になる。


山形は供給先に枚数をかけたり、スペースを使ってワイドで1v1を仕掛けたりする。どちらも甲府の前への矢印をひっくり返すようなロングボールで形を作る。


2失点とも同じようなロングフィードでのウラ返しからの失点である。WBが前に出てボールにアタックできているように見えるが、実際は蹴らせておりしかもその先で奪えていない。そして失点に繋がる。


前半途中でWBの押し出しをやめて、前線のタスクとして相手SBへのpressingを追加した。

WBを前に出すことでウラ返される+後方が手薄になる ということを踏まえて5バック継続で前に飛び込ませないようにする。WBがpressingで出る先は相手のSHになる。WBが担っていた相手SBへのpressingをシャドーが担当

ただ、シャドーもインサイドの相手CHを気にすることや、SBへの移動距離も長めになることから取り所の設定や守備の出力は難しい

という流れから5-2-3のローブロックで前に出れなくなった時間も….。


後半も被カウンターから手薄になった後方では対処しきれず、3失点目を献上した。

後半ではトップに大島が入りpressingのスイッチを入れて、連動してWBも前に出てくるようになったがシンプルな守備の緩さがあったのでpressingはあまり成立せず。

1-3での敗戦となった。


[第25節 vs.山口]

続いて、山口戦。

山口の保持時はベースの3-1-4-2からポジションチェンジ的な要素を含んだ可変があった。

前線2トップはタテ関係になりながら草野が降りて、河野が前に出ていくようにしてバランスをとる。ハーフスペースでは山本桜・野寄が漂っているが、野寄がかなり自由に上下に動きながら、山本は少し前目なポジショニングだった。

守る甲府は5-2-3でpressing。
前線の2-3はマンツーでハマるのでここで圧力かけながら。


甲府は山口のシャドーなど前線のプレイヤーにはべったりマークにはつかず、浮かせている?ような印象。コースを消せていない

山口は割と自由にビルドしながら山本・野寄・草野あたりにボールを供給し、そこから良い距離感でのパス交換からフィニッシュまで持っていく

もう少し後方からでは、最前線で張っている河野にアバウトに当ててそこで起点を作ったりする。


ビルドのスタートの部分でもマンツーを掻い潜るために、野寄がインサイドからWB化して、元のWB(峰田)が一個前に出ていく形もあった。=野寄がワイドでフリー。(3バックでシャドー的なプレイヤーいるチームは大体これやっている印象)

山口は野寄の自由なポジショニングからボールを動かしつつ、甲府のpressingに対してうまくスペースをとっている。中央やサイドと…。

ただ、山口のメインは中央へのタテパスをスイッチにしたアタック。タテパス→おとし→前向き→フィニッシュorサイド展開。良いテンポ感で崩しにかかる。J3福島のサッカーを見るとわかりやすいが、それに近い印象がこのゲームではあった


押し込んだ先でのサイド展開からのクロスでは、高い位置を常に取っていた左WB岡庭からのクロスでチャンスを作る。

サイドまで展開できれば中の枚数も揃っている。そもそも、前線のプレイヤーの距離感が良いためパスワークからサイドに散らしたタイミングで、塊で3,4枚がそのまま中に入っていく。枚数準備した状態でクロスへ。


甲府は前半はかなり山口のやりたいようにやられてしまい、マンツーでハメてのpressingも空回り。という中で、5-2-3,5-4-1でのローブロックを選択し危険なエリアのケアや我慢して守ることになる

攻撃の項でも書いたように途中から攻撃のリズムを取り戻し、それに合わせて守備でも自信を持ってボールにチャレンジできるようになった。(先制点が良い守備からのカウンター)


甲府は後半、リードもあることでそのままローブロック継続で守り抜く。

pressingに切り替えると崩しを狙う山口の術中にハマってしまうのであまり好ましくない。そのため、ブロックを組んでスペースを消すことや相手の受け手に自由を与えない=パスコースを遮断することに専念。再三ボールを引き出せていた山口の前線のプレイヤーは引き出せなくなる。

このことを踏まえて、山口は外回しになりながら大外からクロスを狙うしかない。前半でもあったように左WB岡庭からのクロスが考えられる


ただ、甲府も籠っているだけでなくボールにアタックするシーンもあった。

特に大外から展開したい山口に対して、脇CBが持った時に5-4-1の4の大外を繰り出してpressing。それを受けて山口の脇CBはそのまま大外のWBに預ける。そこでWBにボールが入るタイミングで甲府は自WBを押し出してボールにアタック

ここでプレーを切れるだけでも良い。
相手の崩しを邪魔しながらクロスさえ入れさせない狙い。ローブロックで立ち止まっているだけでなく、しっかりボールへのアタックを見せながら崩させないようにする

ゲームはそのまま1-0で甲府の勝利。
pressingよりもミドル〜ローブロックの方が甲府にとってはやりやすそう。そして結構堅守。


[第26節 vs.大分]

ラストは大分戦。

大分はベースの3-4-2-1からある程度そのまま。

甲府は5-2-3でのpressingは健在ながらも、5-4-1でのローブロックなどと使い分けて守備の安定化を図る


ブロック時は蹴ってくる大分に対して、後方のスペースやライン間を5-4で埋めて入れさせない

大分はグレイソンや有馬といったターゲットに放り込んで起点を作りたいが、甲府がこの周辺をしっかり圧縮するので自由がない。ローブロックのコンパクトさが発揮される。

大分はサイドに逃しながら外から切り崩そうとする。それに対して甲府は山口戦の後半のように、5の大外・4の大外を繰り出しながらボールへアタック。サイド攻撃を機能させない(中央をしっかり閉めて外誘導でボールにアタック◎)。


大分はCHの一角である野獄を最終ラインに下げて4枚での入り口。この形は札幌も4+1でやりそうな形である。

これは前線3枚でpressingしてくる相手に対して、保持側が+1を作って余裕を作るためにやること。または、供給がCBとかよりはうまいCHが前向きでボールを持とうとするため。

これに対して甲府は左シャドーレイリアを一個下げて5-3-2に可変する。大分の中央のプレイヤー(藤原・野獄)にはそこまでpressingは必要とせず、外の三竿・ペレイラに対して出れるように守備設計

なので、鳥海やレイリアがpressingのスタートとなり前進を妨げる。同時に後方は5v5でマンツーなので対応可能。


ただ、甲府は大分のアンカーへのpressingも強めるあまりその背後を使われるシーンもあった。(中央も制限かけて前進の手立てを消すため、手前での引き出す形をなくす狙いだった)

大分のアンカー榊原が引き出そうと降りたタイミングで、甲府の5-3-2の3のセンター林田がそのまま前進する。すると、DF-MF間にスペースができて、そこで大分のターゲットでもある有馬が引き出してチャンスへ繋がった

甲府は我慢して守れているがどこかで飛び込んでしまって背後を空ける形があるこの少しの隙を攻撃側は見抜けるか


後半もローブロックを中心に、甲府は相手に持たせながら引き込ませて安定して守り続ける。

そのまま2-0で甲府が勝利。
やはり引いた守備の安定感がある

pressingもありながら、撤退優先でブロック形成する甲府。全員守備での堅さも特徴的に。


戦いの目安

順位的には札幌と変わらないが、直近の成績と内容を見ても結構巧者な甲府。簡単なゲームにはならないだろう。


保持時では。

秋田戦のように4+2?とかでのビルドの入り口になると思われるが、甲府はあまりpressingをかけてこないだろう。そのためある程度前進はできると思われる。しかし、ブロックを組んでいる相手であるということは後方のスペースはなく数的不利なエリアも出てくる。

対ブロックではオープンな形にならないのでかなり焦ったい展開になると思われる。ミシャ時代でもブロックに対しては持たされて崩せず、逆に奪われてカウンターを喰らうこともあった。

この甲府もブロックを組んで引き込ませながら、ここまでで出てきたようにサイドのところで刈ってカウンターや中央へのタテパスをカットしてカウンターに持っていく狙いがある。そういう術中にハマざるを得ない状況になると思うが、そこでブロックを崩すための飛び道具や前線のアクション、武器・打開力があるプレイヤーが必要

もっと前のことから言うと、ビルドの部分で甲府のDFを引き出せるようなポゼッションを展開できれば手っ取り早い。pressingを引き出して、特に相手のWBを引き出せればその背後に前線のプレイヤーを走らせてシンプルにチャンスになるだろう。甲府にはそういう隙が少ないながらにもあると思うので、そこを見逃したくない。1,2個くらいしかなくても見逃してはならない。見逃せば持たされて横パスするだけで試合が終わってしまう


守備時では。

甲府の攻撃は可変を用いながら中央orサイドからの切り崩しが特徴的。

中央では鳥海を中心に技術のあるプレイヤーがタテパスを引き出して、そこからチャンスに繋げていく。鳥海などにボールが入ればリズムのあるパスワークなどで、あっという間にチャンスを迎えることになる。

可変して中盤の優位性でマークのズレが起こされるのであれば、より対応するのは難しくその中で鳥海の技術などで簡単に剥がされる可能性も高い。守備の仕方やスペースと人の管理は明確にしたい

また、札幌は「攻撃的サッカー」と銘打っている以上守備も前からpressingするのでは?と思われる。しかし、単に前から飛び込んでいくと上記のように簡単に剥がされる恐れがある

より注意したいのは、サイドウラにマテウスレイリアが走ってくること。サイドにボールがある時にWBが飛び込んで蹴らせてしまうと、そのボールをウラでレイリアが受けて深くまで侵入する。こういう形でウラ返すのも甲府はもちろん狙っているので、やはり守備の仕方が結果を内容(内容が大事らしい…)を左右する。


J2も残すところ今節を含めて12試合。
そろそろラスト10試合になる中で、PO圏と勝ち点差が10以上になると現実的にPOさえ入れなくなる(詰めれる勝ち点数はおおよそ試合数分)。上位の躓きや直接対決などもあるが、チームの状況を見てみるとこれ以上負けこむと99%昇格は難しい。本当に昇格を目指しているのなら結果に拘り続けないといけない(それでも攻撃的サッカーの内容が評価されるのか?)。

新体制初勝利なるか?
巧者甲府を率いる、古巣対戦の大塚真司にやられるのか?

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