ご褒美を作ると減量は続きやすい説
〖プロローグ〗
頑張ったら自分にご褒美を与える。
これは習慣化の定番に見える。
実際、何の見返りもない努力は続きにくい。
だから減量でもご褒美が有効そうに見える。
ただし、ご褒美の種類と与え方を間違えると、続けるどころか崩す引き金にもなる。
〖結論〗
この説は半分正解である。
ご褒美は行動の継続を助けることがある。
ただし、食行動の努力に対して食べ物をご褒美にすると、過食や免罪符化を招きやすい。
続きやすくするには、結果ではなく行動に対して、食べ物以外の報酬を設計するほうが安定しやすい。
〖エビデンス〗
行動理論では、望ましい行動の直後に報酬があると、その行動は維持されやすい。
一方で、食事制限のご褒美として高カロリー食品を使うと、制限と報酬の結びつきが強まり、食への執着が増えることがある。
また、体重減少そのものを報酬化しすぎると、短期変動に振り回されやすくなる。
〖研究から分かること〗
ご褒美が効くのは、何を強化したいかが明確な時である。
歩けた日には好きな入浴剤を使う、記録が続いたら新しいウェアを買う、といった形なら行動が強化されやすい。
逆に、減ったから食べる、我慢したから飲む、では制御が逆方向へ働きやすい。
〖なぜこの説が広まったのか〗
ご褒美は分かりやすく、気分も上がるからだ。
短期的にはモチベーションになるし、指導としても言いやすい。
ただ、そのご褒美が努力を壊す形で組まれていることも多い。
良い考え方だが、設計を誤ると効かない。
〖制御ダイエット理論視点〗
ご褒美は出力結果への支払いではなく、再現したい行動の強化装置として使うべきである。
しかも、食べ物報酬は入力系を乱しやすい。
安定させたいなら、非食報酬、即時性、小ささ、頻度のバランスが重要になる。
褒める対象は体重よりプロセスである。
〖まとめ〗
ご褒美は継続に役立つことがあるが、使い方を誤ると逆効果になる。
強化すべきなのは体重の結果より、再現したい行動そのものである。
食べ物以外の小さな報酬を、行動直後に置く設計が安定しやすい。
〖参考文献〗
Deci EL, Psychological Bulletin, 1999。 Volpp KG, JAMA, 2008。 Jeffery RW, Journal of Consulting and Clinical Psychology, 1993。
〖関連記事〗
「他の説もまとめて読みたい」 「制御ダイエット理論の全体像から入りたい」 という人向けに、入口を置いておく。
▶ ダイエット説検証シリーズ記事一覧 https://note.com/from100_control/n/n63117baf4dd2
▶ 制御ダイエット理論 総まとめ編はこちら ダイエットは努力ではなく制御問題である|制御ダイエット理論【総まとめ】 https://note.com/from100_control/n/n20928c99a13b
▶ 制御ダイエット理論 本編目次記事はこちら 制御ダイエット理論|シリーズ一覧 https://note.com/from100_control/n/n526e5811412c
このシリーズは、 知識を単発で増やすためだけのものではない。
減量を"思いつき"ではなく"構造"として捉えるために書いている。
気になるところから辿ってもらえたらうれしい。
