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体重には半減期がある。脂肪は直線で減る|減量停滞の正体【制御ダイエット理論⑦】

減量を続けていると、必ずこういう瞬間が来る。

最初は順調に体重が落ちる。

しかしある時期から、急に減らなくなる。

多くの人はここでこう思う。

「停滞期だ」

そして

  • 食事量を減らす

  • 有酸素を増やす

  • トレーニング量を増やす

といった対策を始める。

しかしこの「停滞期」という現象、
本当に脂肪の減少が止まっているのだろうか。

今回はこの疑問を、
少し別の角度から考えてみたい。


脂肪は直線で減る

脂肪の減少は基本的にエネルギー収支で決まる。

シンプルに書けば、

脂肪減少 = カロリー赤字

である。

脂肪1kgにはおよそ7700kcalのエネルギーが含まれている。

つまり毎日500kcalの赤字を作れば、

1日あたり

約0.065kg

の脂肪が減る計算になる。

このモデルでは、

脂肪は

毎日ほぼ同じ量で減る。

つまり

直線的に減る。


しかし体重はそう見えない

実際の体重ログを見ると、
減量はこのようには見えない。

むしろこう見える。

最初は速く落ちる。

しかし時間が経つにつれて、

体重の減少速度は徐々に遅くなる。

まるで

半減期があるかのように

減少していく。

この挙動を見ると、多くの人はこう思う。

「脂肪が減りにくくなっている」

しかしここには
大きな誤解がある。


体重は脂肪ではない

制御ダイエット理論③で述べたように、

体重は脂肪そのものではない。

体重は

脂肪 + ノイズ

である。

ノイズには例えばこういうものがある。

  • 水分

  • グリコーゲン

  • 塩分による浮腫

  • 消化管内容物

  • 炎症

つまり体重は

脂肪の直接観測ではない。


体重からトレンドを引いた残差。
これは脂肪ではなく、水分・塩分・炎症などによるノイズである。

ノイズの乗った観測値である。


グリコーゲンと水分

ここで重要なのが

グリコーゲン

である。

筋肉や肝臓に蓄えられるグリコーゲンは

1gあたり

約3gの水分

を保持する。

つまり

グリコーゲンが減ると

水分も一緒に減る。

この現象は減量初期で特に大きい。

例えば

  • 糖質制限

  • トレーニング

  • 摂取カロリー減少

などが起きると、

グリコーゲンは減る。

すると

水分保持量も減る。

その結果、

体重は大きく落ちる。


体重は指数っぽく減る


日々のノイズを除くため、7日移動平均でトレンドを確認する。 体重はゆっくりと滑らかな曲線で減少している。

この初期の水分減少が終わると、

体重の減少速度は自然に遅くなる。

つまり

最初は速い。

その後は遅くなる。

この形は数学的には

指数減衰

に近い。

つまり

体重は

半減期があるかのように

減少していく。

しかしここで重要なのは、

半減期があるのは

脂肪ではない。

体重の方である。


私の体重ログ

私自身の体重ログを見てみる。


約295日間の体重ログ。 こうして見ると体重は一直線ではなく、揺れながら減少している。

約295日分のデータを指数モデルで近似すると、


体重トレンドを指数モデルと線形モデルで近似すると、 指数減衰に近い形を示す。

体重減少には

約95日の半減期

が観測される。

つまり

体重トレンドは

およそ95日で

変化量が半分になる。

しかしこれは

脂肪の半減期ではない。

体重という観測値に含まれる

  • 水分

  • グリコーゲン

  • ノイズ

を含んだ

観測系の半減期

である。


停滞期の正体

ここで「停滞期」の正体が見える。

減量初期は

水分とグリコーゲンが減る。

そのため

体重は急激に落ちる。

しかしその影響が消えると、

体重の減少速度は落ちる。

このとき人はこう感じる。

「減量が止まった」

しかし実際には

脂肪減少は

ほぼ直線で続いている。

止まっているわけではない。


停滞期でダイエットは壊れる

問題はここからだ。

多くの人は停滞期を

失敗

と解釈する。

そして

  • 食事を極端に削る

  • 運動を増やす

  • ルールを崩す

といった行動を取る。

つまり

正常な減量を

自分で壊す。


制御ダイエット理論の視点

制御ダイエット理論では、

重要なのは体重ではない。

トレンド

である。

体重はノイズ付き観測値。

脂肪は直線で減る。

この2つを分離して考えることが、

減量を安定させる鍵になる。


次回

もし体重が

脂肪 + ノイズ

であるなら、

旅行
飲み会
連休

といったイベントのあとに体重が増えたとき、

それは本当に

「減量が壊れた」

と言えるのだろうか。

例えば、

旅行から帰ってきた翌朝、

体重が2kg増えていたとする。

多くの人はここでこう思う。

「今までの減量が台無しになった」

そして

食事を削る
運動を増やす
焦ってルールを崩す

という行動を取ってしまう。

しかしここでも、

体重はノイズ付き観測値

である。

つまり

体重の増加 = 脂肪増加

とは限らない。

ではどうすれば、

減量トレンドが本当に壊れたのか

それとも

単なるノイズなのか

を判断できるのだろうか。

制御ダイエット理論では、

この問題を

トレンドの変化

として捉える。

つまり見るべきなのは

体重の増減ではなく、

減量トレンドの傾きが変わったかどうか

である。

そしてこの変化は、

統計的に検証することができる。

次回は、

実際の体重ログを使いながら

旅行や飲み会のあとに

減量トレンドが本当に壊れるのかを

検証してみたい。

そのために使うのが

Δb検定(トレンド変化検定)

である。

次回
あなたの減量は壊れていないか|Δb検定で見るトレンド変化【制御ダイエット理論⑧】


ここまで読んでいただきありがとうございます。

このシリーズでは、ダイエットを
**努力ではなく「制御問題」**として整理しています。

思想・数理・実例・検証を横断しながら書いています。

全体の構成はこちらの記事一覧からどうぞ。

▶ 制御ダイエット理論|記事一覧
https://note.com/from100_control/n/n526e5811412c

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