ながら食いは食べ過ぎを招く説
〖プロローグ〗
テレビを見ながら、スマホを触りながら、仕事をしながら食べる。
これはかなり日常的な行動だ。
問題は、その気軽さのわりに摂取量を増やしやすいことである。
気づいたら食べ終わっていて、満足感も薄い。
この感覚にはちゃんと理由がある。
〖結論〗
この説は正しい。
ながら食いは、食事への注意を下げ、満腹や摂取量の把握を鈍らせるため、食べ過ぎを招きやすい。
とくに高嗜好食品や小分けでないスナックでは影響が強く出やすい。
食べた記憶が弱いことも、後の追加摂取につながる。
〖エビデンス〗
実験研究では、注意を別の課題に向けながら食べると、その場の摂取量や後の間食量が増えやすいことが示されている。
また、食事記憶が弱いほど、次の食事での調整が効きにくいことも報告されている。
つまり、ながら食いの問題は単なるマナーではなく、摂取量制御の精度低下である。
〖研究から分かること〗
ながら食いは、食べる量を増やすだけでなく、満足感も曖昧にしやすい。
何をどれだけ食べたかが記憶に残りにくく、終わってからまた別のものに手を出しやすいからだ。
特に、手が自動で動くタイプの食品では影響が大きい。
視線が別に向いていると、停止信号が入りにくい。
〖なぜこの説が広まったのか〗
これは珍しく、経験と研究がかなり一致しやすい説である。
多くの人が「つい食べすぎた」を実感しているし、その原因も分かりやすい。
現代はスマホや動画が常にそばにあるため、問題が日常化しやすい点も大きい。
〖制御ダイエット理論視点〗
ながら食いは入力制御の観測精度を落とす。
どれだけ入ったかを本人が把握しにくくなるからだ。
対策としては、食べる場所を固定する、袋のまま食べない、画面を切ってから食べる、のような環境分離が効きやすい。
集中力の問題にせず、食事の文脈を分けるのが現実的である。
〖まとめ〗
ながら食いは食べ過ぎを招きやすく、研究的にもかなり妥当な説である。
原因は意志の弱さより、注意分散と食事記憶の低下にある。
対策は気をつけることより、食べる場面を他の行動と切り離すことである。
〖参考文献〗
Robinson E, American Journal of Clinical Nutrition, 2013。 Higgs S, Trends in Cognitive Sciences, 2015。 Oldham-Cooper RE, American Journal of Clinical Nutrition, 2011。
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