「広報のネタがない」を解決するヒントに。自社でも書ける法人note企画の種
「広報できるようなネタが思い浮かばない…」
普段から社内でコミュニケーションをとっていても、一人でネタ探しから執筆までを担う「ひとり広報」の方にとって、そんな行き詰まりを感じることは少なくないはずです。
担当の業務で忙しい他のメンバーに「投稿できるネタはありますか?」と声をかけるのは、どこか気が引けるものです。せっかくなら社内から自発的にネタが集まったらいいなと思いつつ、現実はなかなかそうもいきません。
そこで今回は、前回の連載でピックアップした『スキ100超の企業note50記事』を活用しながら「もし企業の広報担当だったら、このネタで書いてみたい!」と感じた企画をいくつか選んでみました。
一人の読者としてその企画に惹かれた理由と、それが広報としてどう役に立つのかを深掘りし、ネタに困っているひとり広報の方が「自社でもこれなら書けるかも」と、次の一歩を踏み出せるようなヒントを探っていきます。
今回が3本目となる連載『ひとり広報のための広報実践ログ』では、月に1回、広報にまつわる実践的なテーマを取り上げていきます。
これから広報に挑戦したい方や、ひとり広報の方にとって、立ち止まったときに読み返せる記事を目指して毎月投稿していきますので、一緒に成長していけたらうれしいです!

ライター:水田やきいも
長野県在住のフリーランスライター。2児の子育てに励みながら広報を勉強中、noteでの発信にも精力的に取り組む。好きな食べ物は焼き芋。
大事なことは何度でも繰り返し伝える
定番ですが、創業ストーリーや、どん底から立て直した話など、心が動くエピソードは自社の想いを伝える手段として押さえておきたい題材です。
「すでに創業ストーリーは書いてしまった…」ということであれば、紹介する2つの記事のように社名やロゴの由来に焦点を当ててみるのも面白いかもしれません。
社名やロゴの由来は、いわば会社の「自己紹介」の核になる部分です。ここを丁寧に言語化しておくと、コーポレートブランディングにも繋がりますし、採用活動の際の語れるネタとしてのストックにもなります。
やってみた系の記事で熱量を伝える
こちらは、日常のちょっとした「分かりにくさ」「不便さ」をきっかけに、社内環境の改善に取り組んだエピソード。
新入社員をはじめ、社歴の長い人でも会議室の場所と名前が一致しない不便さから、会議室名がわかるようプレートを実際に作ってみたのだそうです。
面白いのは、プレートを業者へ発注するのではなく、自ら考え手を動かす姿が見えること。
プレートの大きさやフォント、会議室に貼り付ける位置まで、すべてが理にかなっており“中の人”の「社内環境をより良くしたい」というひたむきな思いがそのまま記事になったような熱量が伺えます。
「うちの社内にも、こんな風に頑張っている人いるな」と、ピンとくる方もいるのではないでしょうか。日常の何気ない景色も、切り取り方次第で立派な発信の種になります。
こうした「社内改善のプロセス」の発信は一見地味ですが、「この会社は現場の声を大切にしているんだな」という信頼感に繋がります。採用候補者の方にとっても、社内のリアルな空気感を知る貴重な判断材料になるはずです。
ここでしか読めない「秘話」を読者視点で伝える
次の記事は、企画から販売までプロダクトの制作秘話を紹介したものです。制作担当の方が時間をかけて試行錯誤する姿に感情移入してしまいます。
内容が素晴らしいのはもちろんですが、写真や動画の挿入、文字サイズや余白の持たせ方が秀逸で、読む側のストレスを軽減する工夫も。
内容で特に印象的なのが、包装へのこだわりです。
購入しても。お贈りしても。
満足、自慢できる設えにしたく思いました。
そして目指す姿として
捨てたくない
そう思ってもらいたい。包装や資材は開封後すぐにゴミ箱へ。それが日常です。それを少しでも躊躇うようなものに。それぞれに意味があって採用した意地みたいなものもあります。
「なぜ、この包装を選んだのか?」作り手の譲れないこだわりを知り、そこに共感したとき「この会社の製品を買いたい」という気持ちが生まれます。
会社の特徴を活かしたイベントで人の温かみが伝わる記事に
社内の雰囲気や人の温かみが伝わってくるのは、出版社のポプラ社で「一般書」というジャンルの本づくりを担当する『ポプラ社一般書通信』のnoteです。
この記事では、一冊ずつオススメの文庫を持ち寄り、忘年会の場でランダム交換する「文庫交換会」の様子が伝えられています。
本の作り手さんならではの選書が興味深く、本への愛情や社内の雰囲気の良さが伝わってきて、読んでいるこちらまで楽しい気持ちになります。
自社の特徴を活かした社内イベントを企画し、その様子を届けてみる、イベントに参加した社員さんのコメントを載せるなど、周囲を巻き込んだ発信の仕方は、ネタに悩むひとり広報さんにとって良いお手本になりそうです。
社内の雰囲気を伝えるのは難しいものですが、自社の強み(ポプラ社なら本)を絡めたイベントなら、説得力が違います。「楽しそうな会社だな」というポジティブな印象は、将来的な採用やコラボレーションの種をまくことにも繋がります。
社員インタビューの切り口を変えると読者と目線が合いやすい
企業noteの題材としてイメージしやすい社員インタビュー。一人ひとりの想いや背景が見えやすい一方で、多面的な魅力を伝えにくい悩みを持つ広報担当者も多いのではないでしょうか。
「この切り口、面白いな」と感じたのは、JTB公式noteの企画です。
ランチを一緒に食べながら仕事や地域の話をするこの企画は、食という身近な入り口から、人の魅力と地域の魅力の両方を自然に届けているところが素敵だなと感じます。
まず読み手と目線を合わせてからインタビューへ繋いでいく導線は、読者がクリックするハードルを下げる工夫として、ぜひ真似してみたいポイントです。
自社のリソース(支店のネットワーク)を活かしながら、地域のファンも巻き込むことで、記事のターゲットがぐっと広がり、効果的な広報戦略だと言えます。
「楽しそう!やってみたい」と感じる企画の共通点は?
今回は「もし企業の広報担当者だったらやってみたい企画」という視点で、発信のヒントを探ってみました。
多くの人に読まれる企業noteの企画に共通していたのは、次のようなポイントでした。
noteでしか読めない、手触り感のあるエピソードであること
「会社」という組織よりも、働く「人」の温かみが見えること
自社の強みをさりげなく活かした企画にしていること
共感や熱量を感じるなど読後感がポジティブで、心が動くこと
会社にとっては当たり前だと思っていた行事や社員の働き方も、角度を変えればきっと新しいネタになります。
日々の業務で忙しく「広報できるようなネタが思い浮かばない…」とお悩みの方にとって、この記事が少しでも企画立案の参考になれば嬉しいです。
ふたり広報のnoteでは「企業noteの育て方」についても発信しています。
また、周りに相談できる人がいない「ひとり広報」の方などに向けて個別相談ができる機会を設けていますので、ぜひお気軽にお問合せください。
