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ギャル、日本の海底資源の可能性に震える|日本の海底資源、実はここまで来ていた

1. はじめに

おはようございます!ミネナホです!
今回も着々とインプットしている海洋産業に関する知識をnoteを活用させていただきながらアウトプットできたらと思います!
第1弾では「日本のEEZは世界第6位で、海底には莫大な資源が眠っている」という話をしました。

第2弾では「その深海を調べるためにAUV(自律型無人探査機)という技術が使われている」という話をしました。

今回の第3弾では、「じゃあ実際に、その海底に何が眠っているの?」というところを、ひとつひとつ丁寧に見ていきます。

第1弾の記事で資源の名前をずらっと並べてはみたものの、
「メタンハイドレートってそもそも何?」
「コバルトリッチクラストって名前は面白いけど何に使うの?」
という部分は、正直さらっと流してしまっていました。
今回はその「さらっと流した部分」をちゃんと掘り下げていきます。

結論から先に言うと、日本の深海に眠っている資源たちは科学的にすでに存在が確認されている、具体的な資源群です。
一部はすでに試掘も完了し、商業化を目指している段階に入っています。

「あることはわかっている。使えるかどうかはこれからの技術次第」
この絶妙なフェーズにあります。

と、その資源たちの紹介の前に前回少しご紹介している単語もありますが、振り返りも兼ねて、今回も専門用語から先に整理しておきます。


2. この記事に出てくる専門用語、先にご紹介します

メタンハイドレート
天然ガス(メタン)が低温・高圧の環境で氷状に固まったもの。「燃える氷」とも呼ばれる次世代エネルギー資源。

海底熱水鉱床(かいていねっすいこうしょう)
海底火山の周辺に形成される金属鉱物の塊。銅・金・銀・亜鉛などを含む。

コバルトリッチクラスト
海山(かいざん)の斜面に長い年月をかけて堆積する鉱物層。EV電池に不可欠なコバルトを多く含む。

マンガン団塊(まんがんだんかい)
深海底にゴロゴロ転がる黒い鉱石の球。数百万年かけて少しずつ成長する。

レアアース泥(希土類泥)
スマートフォン・EV・ロケットなどのハイテク製品に不可欠なレアアース(希土類元素)を大量に含む深海の泥。

レアメタル(レアアースの違いも一緒に)
「レアメタル」は希少金属の総称。
「レアアース(希土類)」はその中でも特定の17元素を指す、より限定的な言葉。どちらも「希少で、ハイテク産業に欠かせない」という点は共通しています。

JOGMEC(ジョジメック)
石油天然ガス・金属鉱物資源機構。
日本の鉱物・エネルギー資源の調査・開発を支援する国の機関。海底資源調査の主要な組織です。

3. 「燃える氷」|メタンハイドレート

まず最初に紹介するのが、メタンハイドレートです。

参考

天然ガス(メタン)が、低温・高圧という深海特有の環境のもとで、
水分子に取り込まれて氷状に固まったものです。

見た目は白くて半透明な氷の塊で、火をつけると燃えることから
燃える氷」とも呼ばれています。

日本近海では特に
南海トラフ(東海沖から四国沖にかけての深海)に大量の埋蔵が確認されており、
日本のガス消費量に換算すると数十年分に相当する
とも言われています。

エネルギーのほぼすべてを輸入に頼っている日本にとって、「国産エネルギー源」として期待値がとても高い存在です。
政府はすでに2013年・2017年と二度にわたって海洋産出試験(試掘)を実施しており、世界初の海洋での天然ガス生産成功という快挙も達成しています。

ただ、「掘れる」ことと「商業ベースで安定的に大量に供給できる」ことは全く別の話で、まだまだ採掘コスト・環境への影響評価・地層の安定性確保など、解決すべき課題はまだ残っています。

「すでにある」
「でもまだ本格的には使えない」

この絶妙なもどかしさが、メタンハイドレートの現在地です。
それでも、LNG(液化天然ガス)価格の高騰や、エネルギー安全保障への意識が高まるほど、この資源の重要性は増していきます。

4. 海底熱水鉱床|水深1,600mの「金属の山」

次は海底熱水鉱床です。

参考

海底火山の活動によって海水が地殻の割れ目に入り込み、マグマの熱で高温になって噴き出す。
この「熱水」が岩盤を通り抜ける際に地殻内のミネラルを溶かして運び出し、噴き出し口の周辺に金属鉱物として堆積したものです。

含まれる金属は多彩で、銅・亜鉛・鉛・金・銀などが豊富に含まれています。まさに「海底の鉱山」と呼べる存在です。

海底熱水鉱床は水深約1,600m前後に存在するものも多いようです。
メタンハイドレートやレアアース泥が水深5,000〜6,000mに存在するのと比べると、相対的に「浅い」エリアにある資源です。
「深海資源の中では、比較的到達しやすい」とも言えます。

日本のEEZ内では、
沖縄トラフ(沖縄本島の西側に広がる深海盆地)
伊豆・小笠原弧(伊豆諸島から小笠原にかけての海域)
などで複数の熱水鉱床が確認されており、JOGMECも継続的に調査を進めています。
中でも沖縄トラフは世界的にも有数の熱水活動が活発な場所です。

陸上の金属鉱山が世界的に枯渇しつつある流れを考えると、「深海にある」というハードルを越えた先の価値はとてつもなく大きい。
採掘システムの開発が最重要テーマのひとつです。

5. コバルトリッチクラストとマンガン団塊|数百万年の積み重ね

この2つは、どちらも「超長い時間をかけて少しずつ積もる」タイプの資源です。

コバルトリッチクラストは、海底の山(海山)の斜面に、数百万〜数千万年という時間をかけて薄く積み重なっていく鉱物層のことです。 含まれる金属として特に注目されているのがコバルトです。
コバルトはEV(電気自動車)のリチウムイオン電池の主要原料ですが、現在の産出はコンゴ民主共和国に約7割以上が集中しており、労働環境問題や地政学リスクが繰り返し指摘されてきました。
日本のEEZ内で自国調達できる可能性があることは、サプライチェーンの安全保障上、非常に大きな意味を持ちます。

参考

マンガン団塊は、深海底にゴロゴロと転がっている黒い球状の鉱石です。直径は数センチ〜数十センチほど。1mmの厚みを増すのに数百万年かかると言われており、地球の長い歴史が生み出した産物です。マンガン・ニッケル・コバルト・銅などを含み、こちらもEVや電子機器向けの素材として需要が高まっています。

参考

ひとつ注意しなければならないことは、コバルトリッチクラストもマンガン団塊も、「一度採掘したら人間のスケールでは再生しない資源」だということ。

陸上の森林のように「育てて使う」ことが難しい。
だからこそ、採掘の判断には科学的な調査と慎重な環境影響評価が必要になります。

6. レアアース泥──南鳥島沖で試掘が完了した「世界最大級の宝」

5つの資源の中で、個人的に一番「えええ、そんな話があるの!?」となったのがレアアース泥です。

参考
※レアアース泥が一部含まれたもの

レアアース(希土類元素)は、スマートフォン・EV・風力発電機・ロケットなど、現代のハイテク製品のほぼすべてに使われている元素群です。

現在は中国が世界生産量の約60〜70%を占めており、日本を含む多くの国が中国からの輸入に大きく依存しています。
2010年の中国によるレアアース輸出規制問題は、日本の産業界に大きな衝撃を与えました。
「供給が止まったら日本のハイテク産業が止まる」という現実を突きつけられた出来事でした。

そのレアアースが、日本のEEZ内である南鳥島(みなみとりしま)近海の深海底に、世界需要の“数百年分”に相当する規模で存在する可能性があることが報告されています。

そこでは、太平洋の深海底に「レアアース泥」が広く存在していることが示されました。

その後、2018年には同研究グループが、南鳥島EEZ南部海域の約2,500km²に、レアアース酸化物換算で1,600万トン以上の資源量が存在すると発表。これは、一部のレアアースについて世界需要の数百年分に相当するとされています。
東京大学プレスリリース|南鳥島沖に眠る世界需要の数百年分のレアアース資源

さらに現在では、南鳥島沖で試験的な採泥・回収実験も進められており、商業化に向けた研究開発フェーズへと移行し始めています。

現在、地上の資源問題が取り上げられている中で、海底資源が、いま少しずつ現実になろうとしているんです。

課題はやはり水深5,000〜6,000mという超深海にあること、採掘後の環境影響評価の必要性です。
ただ「実物は存在している」「試掘も完了した」。という事実は、日本の資源戦略を大きく変えうる状況になってきています。

7. 海底資源開発は「巨大なシステム設計」である

5つの資源を紹介してきましたが、どれを見ても共通して言える課題があります。
それは、「機器を一個作ればOK」という話ではないということ。
海底資源開発は、再現性がかなりハードルが高いんです。

深海という環境は、
・超高圧
・通信困難
・GPSが届かない
・長距離のメンテナンスが困難
というなかなか難しい条件です。

その中で
「どこにあるのか調査する」
「どう採掘するのか」
「どう回収するのか」
「どう精錬するのか」
「環境影響はどうか」
「採算は合うのか」
「産業として成り立つのか」
という全工程を、一つのシステムとして設計する必要があります。

ここで前回(第2弾)のAUVが登場します。
AUVは「海底を調べる目」として、このシステムの入口を担っています。
資源を引き上げる前に、まず「どこに何があるか」を精密にマッピングする作業が不可欠であり、そこにAUVは欠かせない存在なんです。

逆に言えば、採掘技術・システムを世界で最初に確立した国が、これらの資源を最初に商業利用できる国になれる。
その候補として最も有利な立場にいるのが、世界第6位のEEZを持ち、センサーや精密機械技術に強みを持つ日本です。

8. さいごに

今回お伝えしたかったのは、「日本の海底に私たちを救う資源がある」というだけではなく、「その一部はすでに試掘まで完了し、商業化への動きが始まっている」という現実です。

科学的に確認された→試掘した→採掘システムを開発する→商業化する。

このステップの中で今、日本はちょうど「採掘システム開発」という最も難しくて、最もワクワクするフェーズに差し掛かっています。

次回(第4弾)は少し視点を変えて、「洋上風力発電が日本を変える?」というテーマで浮体式洋上風力という技術を掘り下げます。
「洋上風力ってなに?」と思った方ぜひ楽しみにしていてください。
これも、なかなか私たちの想像を超える、ワクワクが詰まっています!

お楽しみに!

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