【中学受験】息子小4編 母、勝手に頑張る
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いまや監督業を勇退し客席にいる夫だが、もともとは私に一切相談せず息子を中学受験塾に入れた張本人である。
当初は私がげんなりするほど、息子への期待に満ちた父親だった。
その期待が重すぎたのか、もともとそんな空気を意に介さない息子だったのか(おそらくこちら)、家庭学習に意欲をほぼ見せなかった。
それ以来、撤退ムード漂う夫から引き継ぐ形で、息子とてんやわんやの日々を送る羽目になっている。
何を相談しても短い一言で正論を返す夫。
正直、反論したくてたまらない。
しかし、息子とバトルの後、夫とまでバトルする気力がなかった。
しばしば小競り合いはあるが、「もう辞めたらいい」という夫には同調しない私であった。
それでも時々、すべてがアホらしくなる。
夫の言う通り、もう辞めたら少なくともこの苦しみからは解放されるのに。
そうまでして、なぜ私は中学受験生の親を続けてしまうのか。
夫が、ある日突然「今日あの塾に振り込むぞ」と言った塾代は、夫が独身の時に貯めたお金だった。
若い時、今より収入も少なかったであろう一人暮らしの夫が、やりくりして貯めたそのお金。
それをあの息子に全ベットする…?
私は、すぐさま「やめた方がいい」と止めた。
当時、小2の息子と公文の宿題で散々すったもんだしていた私には、そうとしか思えなかった。
しかし、その時の夫は、息子が「できる子」に見える親ばかフィルターがかかっていた。
その上、夫は私の言葉に脊髄反射で反論する傾向があった。
こうして中学受験が強行突破される流れとなったが、私は内心「きっと後悔するぞ…」と思った。
そして、わりと早い段階でその通りとなった。
もちろん「それ見たことか」と思った。
しかし、それと同時に、夫が独身時代の貯金を無為に失おうとしているように見え、急に気の毒になった。
このお金、元本保証とはいかずとも、せめて少しは意味のあるものにできないか?
私が徹底して息子のサポートを頑張れば、成績が上がるかもしれない。
少なくとも、勉強した経験は無駄にはならない。それなら、夫のお金も無駄にならない。
私が頑張れば、誰も損はしない。
息子も夫も、そんな私の事情など知らない。
誰に頼まれたわけではない。勝手に頑張っているだけなのだと、今日も自分に言い聞かせる私だった。
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