体をととのえる前に、まず話を聴く理由
ハイサイ。
ととのえ職人、五木田穣です。
このnoteでは、
心と体と思考のズレをやさしくととのえる話を日々書いています。
今日は、先日の出張セッションで、
あらためて感じたことを書きたいと思います。
それは、
体をととのえる時間は、
体だけを見ている時間ではない。
ということです。
その日のセッションでは、
最初の1時間ほど、ほとんど体を動かしませんでした。
この1ヶ月、どんなふうに過ごしていたのか。
何に疲れていたのか。
どんなことを考えていたのか。
どこに不安があり、どこに力が入り続けていたのか。
まずは、話を聴く。
体に触れる前に。
動きを見る前に。
エクササイズを始める前に。
その人が今、どんな状態で日々を生きているのかを聴く。
私のセッションでは、ここをとても大切にしています。
体の問題は、体だけで起きているわけではない
腰が痛くなる。
肩まわりが固まる。
呼吸が浅くなる。
お腹に力が入らない。
なんとなく不安が抜けない。
こうした状態は、もちろん体に現れます。
けれど、それらは、
体だけに原因があって、起きているわけではありません。
日々、いろいろなことを考えすぎている。
頑張りすぎている。
背負いすぎている。
人の声や、外の状況に意識を持っていかれすぎている。
そうすると、
自分の内側を感じる時間が、少しずつ減っていきます。
今、自分の体がどうなっているのか。
どこに力が入っているのか。
呼吸は深いのか、浅いのか。
安心できているのか、緊張し続けているのか。
そういう感覚から、少し離れてしまう。
外に意識が向かいすぎると、
心と体と思考の間に、ズレが生まれていきます。
頭では大丈夫だと思っている。
でも、体はずっと緊張している。
休んでいるつもりなのに、
呼吸は浅いまま。
もう考えたくないのに、
思考だけが止まらない。
そういうズレが、
腰に出ることもある。
肩に出ることもある。
呼吸に出ることもある。
不安として出ることもある。
だから私は、
体をととのえていく時に、
体だけを切り離して見ないようにしています。
まず、自分の体に意識を戻す
話を聴いたあと、
その日のセッションでは、ストレッチポールを使いました。
胸をひらく。
股関節をひらく。
肩甲骨を動かす。
片脚を上げる。
両手をバンザイする。
片腕ずつ動かす。
一つひとつの動きは、
とてもシンプルです。
でも、目的はただ筋肉を動かすこと、伸ばすことではありません。
今、自分の体がどう感じているのか。
どこに力が入りやすいのか。
どこが抜けているのか。
動こうとした時、どこが先に頑張ってしまうのか。
呼吸はどこに入っているのか。
そうやって、
外に向かいすぎていた意識を、
少しずつ自分の内側へ戻していきます。
体の状態を感じながら、
普段の姿勢や動作に意識をつなげていく。
無理にお腹に力を入れるのではなく、
自然と中心が働く状態をつくっていく。
それは、単なるエクササイズではなく、
自分に戻ってくるための時間でもあります。
その時間だけは、余計なものから離れられる
自分の体に意識を向けている時、
少なくともその時間は、余計なことを考えにくくなります。
人の声。
周りの期待。
先の不安。
やらなければいけないこと。
変えられないものへの焦り。
そういう外側のノイズから、
少し距離を置くことができます。
呼吸を感じる。
背中の重さを感じる。
肩の力みに気づく。
お腹の奥の感覚に戻る。
足が床についている感覚を確かめる。
それだけで、
心が、少し静かに、穏やかになっていきます。
体が緊張している時、
それは単に、体が硬いというわけではありません。
いろいろ考えすぎている。
頑張りすぎている。
背負いすぎている。
休憩する時間が足りていない。
そういうものが、
肩まわりや腰まわりに現れている。
だから必要なのは、
もっと頑張ることではなく、
一度、荷物をおろすこと。
心の荷物を少しおろすと、
体も少し軽くなります。
体が少しゆるむと、
呼吸が入りやすくなります。
呼吸が入りやすくなると、
心も少し安心します。
心と体が安心すると、
思考も少し静かになります。
そして、
自分に還ってくる。
これが、私の考える「ととのえる」という時間です。
自分の軸が戻ると、少し揺らぎにくくなる
セッションの中では、
呼吸や体の中心の感覚も大切にします。
いわゆるコアと呼ばれる部分。
お腹の奥。
骨盤まわり。
横隔膜。
背骨。
そうした場所が少しずつ働きはじめると、
体の中に軸のようなものが戻ってきます。
自分の軸ができると、
体は安定します。
体が安定すると、
心も少し揺らぎにくくなります。
心が揺らぎにくくなると、
外の世界に振り回されすぎなくなります。
もちろん、
一度のセッションですべてが変わるわけではありません。
でも、
「あ、今の自分はこういう状態だったんだ」
「ここに力が入っていたんだ」
「少し息がしやすい」
「体の中に戻ってきた感じがする」
そういう小さな感覚が戻ってくるだけで、
人は少し安心できます。
安心できると、
体は変わる準備ができます。
変えられるものと、今は変えられないもの
もう一つ、
セッションの中で大切にしていることがあります。
それは、
自分で変えられるものと、
今は変えられないものを分けることです。
変えられないものを変えようとすると、苦しくなります。
人の気持ち。
過去の出来事。
すぐには動かない状況。
時間が必要なこと。
そこに意識を奪われ続けると、
心も体も緊張し続けます。
でも、
今の呼吸は少し変えられる。
今の姿勢は少し変えられる。
今、肩の力に気づくことはできる。
今、自分の体に意識を向けることはできる。
そこに戻ってくる。
変えられないものを無理に変えようとするのではなく、
今、自分にできることへ意識を戻す。
それだけで、
背負っていたものが少し軽くなることがあります。
心の荷物が少し減ると、
体も動きやすくなる。
体が動きやすくなると、
呼吸もしやすくなる。
呼吸がしやすくなると、
少し生きやすくなる。
私は、そう考えています。
ととのえ職人のセッションとは
私のセッションは、
何かを一方的に“される”時間ではありません。
治してもらう。
鍛えてもらう。
正される。
頑張らされる。
そういう時間ではなく、
自分の心と体に向き合い、
自分の内側に戻ってくる時間です。
もちろん、必要に応じて体にも触れます。
動きも、観ます。
呼吸も、ととのえます。
エクササイズも、行います。
けれど、そのすべては、
その人が自分自身の状態に気づき、
自分で自分をととのえていけるようになるためのものです。
ととのえる。
使える。
鍛える。
この順番を大切にしています。
まず、今の状態をととのえる。
次に、体をうまく使えるようにする。
その上で、必要なら、鍛えていく。
無理に変えるのではなく、
その人の今に合わせて、
少しずつ本来の動きや感覚を取り戻していく。
それが、私のセッションです。
体をととのえることは、自分に還ること
体をととのえることは、
ただ痛みをなくすことではありません。
ただ姿勢をよくすることでもありません。
ただ筋肉をつけることでもありません。
自分が安心して生きられる土台を取り戻すこと。
外に向かいすぎた意識を、
もう一度、自分の内側へ戻すこと。
心と体と思考のズレに気づき、
少しずつ、自分に還っていくこと。
そのために、
話を聴き、
体を動かし、
呼吸をととのえ、
必要なところに触れ、
その人の今に合った形で、場をつくっていく。
少し、息がしやすくなる。
少し、体が軽くなる。
少し、自分に戻ってくる。
その小さな感覚を、
これからも丁寧に届けていきたいと思っています。
セッション・講演・研修のご相談について
ととのえ職人として、
個人セッション、出張セッション、講演、研修などのご相談も承っています。
体の不調だけでなく、
心と体と思考のズレをととのえたい方。
頑張りすぎている人が、
少し自分に戻れる場をつくりたい方。
スタッフやメンバーに向けて、
呼吸・姿勢・体の使い方・心身のセルフケアを伝えたい方。
専門的な知識を、
日常の言葉でわかりやすく届けてほしい方。
そのような場に合わせて、
内容を一緒に組み立てていくことができます。
私が大切にしているのは、
一方的に教えることではありません。
その人が、
その場が、
少し自分自身に戻っていけるような時間をつくることです。
必要なタイミングで、
お気軽にご相談ください。
ととのえ職人
五木田穣
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