なぜ今のシューゲはSlowdive寄りなのか──再現可能な音とエフェクターの話
最近、ちゃんとSlowdiveを聴き始めました。
正直に言うと、今までちゃんと通ってこなかったんですよね。
シューゲイザーと言えばMy Bloody Valentine、というイメージが強くて、あの音の壁みたいなやつをなんとか再現できないか、という方向ばかり考えていました。
でも、改めてSlowdiveを聴いてみて思ったんです。
「あ、これなら作れるかもしれない」
この感覚、ちょっと大事な気がしています。
マイブラは“現象”、Slowdiveは“構造”
マイブラの音って、何度か挑戦したことがあるんですが、どうやっても“それっぽい何か”にしかならないんですよね。
歪ませて、空間系を足して、それでも何かが違う。
後から考えると当たり前で、あれってもう
「手法」じゃなくて「現象」
なんだと思います。
対してSlowdiveはどうかというと、音を分解していくとちゃんと見えてくるんですよね。
歪みはそこまで強くない
ディレイで奥行きを作っている
リバーブで空間を広げている
コーラスや揺れで“夢っぽさ”を足している
つまり、
やれば近づける音
なんです。
今のシューゲがSlowdive寄りな理由
これ、最近のシューゲイザーを聴いていても感じるんですが、明らかに方向としてはSlowdive寄りなんですよね。
理由はいくつかあって。
まず一番大きいのは、
再現できるかどうか
だと思います。
今って、ライブでもDTMでも「再現性」がめちゃくちゃ重要で、毎回違う音になるようなものは扱いづらい。
その点、Slowdive的な音作りはかなり現実的です。
それから、機材の進化もあります。
昔は限られていた空間系エフェクターが、今は手軽に手に入るようになっていて、ある程度のクオリティなら誰でも出せる。
そうなると当然、
「気持ちいい空間を作る音」
の方が主流になっていく。
結果として、
「思想はマイブラ、手法はSlowdive」
みたいな状態になっている気がします。
シューゲイザーの正体は“歪み”ではなかった
ここ、個人的に一番大きな気づきでした。
シューゲって、なんとなく「歪みの音楽」だと思っていたんですが、違いました。
必要なのは歪みじゃなくて、
空間でした。
リバーブを深くかけて、ディレイで奥行きを作る。
それだけで、音が前に出るのではなく、包み込むような感じになります。
ボーカルすら“前に出さない”という発想もここから来てるんだと思います。
実際にどうやって作るのか
じゃあどうやってその音を作るのか、という話なんですが、必要なものはかなりシンプルです。
■ リバーブ(最重要)
まずはこれです。
正直、ここが9割かもしれません。
ポイントは「深さ」で、思っているよりかなり深くかけます。
最初は違和感があるくらいでちょうどいいです。
■ ディレイ(奥行き担当)
リバーブだけだと“広がるだけ”なんですが、ディレイを入れると奥行きが出ます。
ショートディレイを軽く入れるだけでも、音が立体的になります。
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■ コーラス / モジュレーション(揺れ)
ここで“夢感”を足します。
ほんのり揺れるだけで、急にそれっぽくなります。
やりすぎると酔うので注意です。
機材の話をもう少しだけ
このあたりのエフェクターって、実はそこまで高いものじゃなくても全然いけます。
むしろ今は安くても優秀なものが多いので、
「とりあえずやってみる」
くらいのテンションでも十分形になります。
逆に、ここでハマったらちょっといいやつに行く、くらいの順番がちょうどいい気がします。
まとめ
マイブラは唯一無二で再現が難しい
Slowdiveは構造が見えていて再現可能
今のシューゲはその“作れる音”の方向に寄っている
そして何より、
空間で音を作る
という発想に変わると、ギターもDTMも一気に面白くなります。
正直、もっと早くちゃんと聴いておけばよかったなと思っています。
でもこういうのって、タイミングなんですよね。
今だから分かる、みたいな。
