ぐるぐる製作所|イヤホンって、どうやって音が飛んでるの?
Bluetoothイヤホン。
毎日使ってる。
でも、
どうやって音が飛んでるのか知ってる人は意外と少ない。
というか、
僕は最近まで、「音が飛んでる」と思っていたが違った。
飛んでるのは、音じゃない。
ここで、「え?」ってなった。
じゃあ何が飛んでるの?
答えは、
音を数字にしたデータ。
スマホは音楽をそのまま飛ばしているわけじゃない。
まず、
音をコンピューターが扱える「数字」に変える。
例えば、
「この瞬間はこれくらいの音」
「次の瞬間は少し小さい」
そんな情報を、
ものすごい速さで数字にしていく。
さらに、
Bluetoothで送りやすいように、
データをぎゅっと圧縮する。
そして、
Bluetoothの電波に乗せて、
イヤホンへ送っている。
つまり、
Bluetoothが音を変換しているわけじゃない。
スマホが音をデータにして、Bluetoothはそれを運んでいる。
宅配便みたいな役割だ。
コンピューターは0と1しか分からない
コンピューターは、
人間みたいに音楽を聴けない。
理解できるのは、
0と1だけ。
だから、
さっき数字にした音を、
コンピューターが読めるように、
最終的には0と1の並びに変えている。
つまり、
Bluetoothで飛んでいるのは、
音ではなく、
0と1でできた音のデータということになる。
オーケストラもデータになるの?
ここで新しい疑問が出てきた。
オーケストラって、
バイオリン。
チェロ。
ホルン。
トランペット。
ティンパニ。
何十種類もの楽器が、
同時に鳴っている。
あんな複雑な音が、
本当にデータだけで表現できるの?
答えは、
できる。
でも、
さらに疑問が出てきた。
0と1だけじゃ無理じゃない?
そう思った。
だって、
ギターとピアノって全然音が違う。
ギター専用のデータ。
ピアノ専用のデータ。
そんなものがあると思っていた。
実は、
ない。
Bluetoothは、
ギターという概念を知らない。
ピアノも知らない。
オーケストラも知らない。
知っているのは、
空気の揺れ方だけ。
空気の揺れを数字にしている
例えば、
ギターの弦を弾く。
すると空気が震える。
ピアノも同じ。
人の声も同じ。
猫の鳴き声も。
拍手も。
雷も。
全部、
空気が震えているだけ。
マイクはその震えを測っている。
CDの音質では、
なんと
1秒間に44,100回。
「今、この瞬間はこれくらい揺れた。」
「次は少し大きくなった。」
「今度は小さくなった。」
そんな情報を、1秒間に44,100回も数字にする。
だから、
YOASOBIも。
オーケストラも。
赤ちゃんの泣き声も。
全部、
同じ仕組みでデータになる。
イヤホンは何をしている?
イヤホンは、
Bluetoothで届いたデータを受け取る。
そして、
圧縮されたデータを元に戻し、
「この瞬間はこれくらいスピーカーを震わせよう」
と計算する。
スピーカーが震える。
空気が震える。
耳に届く。
つまり、
Bluetoothイヤホンは、
音を受け取っているんじゃない。
音の作り方を受け取っている。
楽譜を送っているようなもの
これが一番しっくりきた。
Bluetoothが送っているのは、
演奏そのものじゃない。
楽譜みたいなもの。
イヤホンはその楽譜を読んで、
毎秒何万回もスピーカーを動かしている。
だから、
オーケストラも。
ギターも。
人の声も。
全部再現できる。
Bluetoothイヤホンって、小さなコンピューターだった
考えてみれば、
Bluetooth。
アンテナ。
コンピューター。
バッテリー。
スピーカー。
マイク。
タッチセンサー。
全部、
あの小さなイヤホンの中に入っている。
僕はずっと、
「ワイヤレスのスピーカー」
くらいに思っていた。
違った。
耳につける超小型コンピューターだった。
一番驚いたこと
Bluetoothは、
ギターを知らない。
ピアノを知らない。
オーケストラを知らない。
でも、
世界中の音楽を鳴らせる。
知っているのは、
空気の揺れ方だけ。
たったそれだけで、
感動する音楽も。
泣ける映画も。
ライブの歓声も。
全部再現できる。
なんだか、
ものすごい技術だと思った。
次にBluetoothイヤホンをつける時、
ちょっとだけ思い出してほしい。
今あなたの耳に届いているのは、
音が飛んできたんじゃない。
スマホが数字にして、Bluetoothが運び、イヤホンがもう一度作り直した音。
そう思うと、
あの小さなイヤホンが、
少しだけすごく見えてくる。
今日もどこかで、
誰かが
「Bluetoothって音が飛んでるんでしょ?」
と思っている。
たぶん昨日までの僕みたいに。
— ぐるぐる製作所
