まち感性指標と感性都市論の関係構造
「まち感性指標」と「感性都市論(Sensibility Urbanism)」は、しばしば同じ概念として扱われることがあります。
しかし実際には、この二つは同じものではありません。
両者はむしろ、役割の異なる概念が階層的につながった関係にあります。
整理すると、その構造は次の三層として理解することができます。

都市思想 → 都市指標 → 都市実装
つまり
感性都市論(Sensibility Urbanism)
まち感性指標(Machi Sensibility Index)
まち感性ラボ(Machi Sensibility Lab)
は同じ概念ではなく、都市を理解し実装するための三つのレイヤーです。
感性都市論(Sensibility Urbanism)
まず最上位に位置するのが、感性都市論(Sensibility Urbanism)です。
感性都市論とは、都市を「機能」や「経済」だけで捉えるのではなく、
人が都市の中で感じる体験や感覚から都市を捉え直そうとする都市思想です。
従来の都市評価は、多くの場合
人口
商業売上
不動産価格
通行量
といった数値によって測られてきました。
しかし、人が都市に魅力を感じる理由は必ずしも数値だけではありません。
都市の記憶は、日常の中で感じる体験によって形づくられます。
例えば
夕暮れの光
路地の気配
川沿いの湿度
偶然の出会い
といった感覚です。
感性都市論は、こうした都市の感覚的価値を都市理解の中心に置こうとする思想です。
まち感性指標(Machi Sensibility Index)
しかし、感覚や体験はそのままでは都市計画や都市開発に使うことができません。
そこで必要になるのが まち感性指標(Machi Sensibility Index)です。
まち感性指標とは、都市の感性的価値を観察可能な形で整理する指標体系です。
従来の都市指標が
人口
通行量
商業売上
といった数量データを扱うのに対し、
まち感性指標は 都市体験の質を扱います。
例えば
寄り道の衝動回数
夕暮れ滞在率
虫の声認知数
スマホ封印時間
といった形で、都市の中で人が感じる経験を指標として記述します。
つまり、まち感性指標は
感性都市論という思想を都市計画や都市研究に接続するためのツール
と言えます。
まち感性ラボ(Machi Sensibility Lab)
そして、これらの考え方を実際の都市で試す場が
まち感性ラボ(Machi Sensibility Lab)です。
まち感性ラボは
企業
自治体
研究者
市民
などが参加しながら、都市の感性価値を
観察する
記録する
指標化する
都市に実装する
というプロセスを行う都市リビングラボ型のプロジェクトです。
つまり、まち感性ラボは
感性都市論とまち感性指標を都市の現場で試すための実験環境と言えます。
構造まとめ
ここまでを整理すると、三つの概念の関係は次のようになります。
感性都市論(都市思想)
↓
まち感性指標(都市評価指標)
↓
まち感性ラボ(都市実験・リビングラボ)
このように
思想 → 指標 → 実装
という三つのレイヤーによって、都市の感性的価値を扱うことが可能になります。
なぜこの構造が必要なのか
都市の価値は、必ずしも経済指標だけで測ることはできません。
しかし同時に、感覚や雰囲気だけでも都市は設計できません。
そのためには
都市を捉える思想
都市を観察する指標
都市で試す実験
という三つの層が必要になります。
感性都市論、まち感性指標、まち感性ラボは、
その三つを接続するための構造として位置づけることができます。
FabCafe Osakaとの関係
FabCafe Osakaでは
食
体験
文化
研究
を横断する活動を通して、都市の体験価値を探る実験を行っています。
そうした活動の中から生まれた問いが
感性都市論(Sensibility Urbanism)
まち感性指標(Machi Sensibility Index)
まち感性ラボ(Machi Sensibility Lab)
という形で整理されてきました。
まとめ
最後に整理すると
感性都市論(Sensibility Urbanism)
都市を感性から捉える都市思想
まち感性指標(Machi Sensibility Index)
都市の感性価値を扱うための指標
まち感性ラボ(Machi Sensibility Lab)
それを都市で実験するリビングラボ
この三つは同じ概念ではなく、
都市思想 → 都市指標 → 都市実装という構造でつながっています。
