自分の意思だと思った? ヴィクトリア朝時代のクリスマスが発揮する、凄まじい影響力
◾️大人のクリスマス気分を気取っていた
誰かが組んだ旅行プランより
自分の意思と偶然で動きたい
harukaです(フラグ)。
先日は毎年恒例
阪急百貨店9階催事場の
クリスマスマーケットに
行ってまいりました。


地味に値段が可愛くない
実はこの日はランチの予定があり
久々にお会いする方だったこともあって
「ちょっと早めに行ってカードを買おう」
「カフェでメッセージを書こう」
「プレゼントも添えてお渡ししようウフッ」
と、我ながら優雅な計画を
密かに立てておりました。

カフェで優雅に執筆タイムですよ
で、無事実行。
「やりたいと思ったことを叶えるって快感〜☺️」
などと調子こいていた
一見、優雅なこの一連のムーブ
実は160年前の
ヴィクトリア朝時代のイギリスに
全部仕組まれていたことに
後から気づきました🇬🇧
今日はそんな
「仕組まれたクリスマス」について
買いてみたいと思います。
実は、似たようなことは
クリスマスツリーの記事でも
書いているんですが
今日はもっと
カルチャー寄りのお話です🎄
◾️キリストは家族で集まってプレゼント贈りあってたんか?
前回の記事でも書いたんですが
そもそも現代のクリスマスって
イエス・キリストあまり関係ないですよね。
キリストが生まれたのは
イスラエル北部のナザレ。
クリスマスツリーもクリスマスカードも
関係なさそうな土地柄です。
クリスマス、あるいは「降誕祭」は
神の子であるキリストが
人間の姿をとって(受肉)人前に現れたことを
お祝いする祭りだとされています。
だから、「クリスマスは家族で集まって…」
という現代クリスマス批判者たちの
クリスマスのイメージも
本来からは離れたもの、ということになります。
◾️小説家・女王・役人が仕掛け人
それでは
家族で集まって
七面鳥をつつきながら
アットホームに過ごすはずの
現代的なクリスマスは
いつくらいに出来上がったのか?
その答えが
みんな大好き
19世紀イギリス・ヴィクトリア朝時代です。

中流階級の女性たち
産業革命で技術革新が進み
「中流階級」や「余暇」が生まれ
メディアが「流行」を増幅させ始めた時代。
この時に様々な
「新しい」クリスマスの在り方が
次々と生み出され
後世に決定的なイメージを植え付けました。
▶︎ディケンズ『クリスマスキャロル』
現代のクリスマスを語る上で
欠かせないのが
イギリスの文豪ディケンズによる
『クリスマスキャロル』という文学作品。
ドケチな爺さんが
クリスマスの精霊に色々やられて
チャリティー精神あふれる
優しい爺さんに生まれ変わる話です。

ドケチ爺さんのスクルージ
それまでのクリスマスは
宗教色もありながら
村や酒場でどんちゃん騒ぎという
あまり家庭的なお祭りではなかった模様。
ところが
ディケンズ『クリスマスキャロル』は
宗教色は抑えつつ
「クリスマスは家族で集まろう」
「困っている人は助けよう」
「七面鳥とか食べて贈り物をしよう」
などという
アットホームで口当たりのいい
クリスマスのイメージを描き出し
たちまちイギリスで大ヒット。
みんなこぞって
家族で素敵なクリスマスを
過ごそうとしたり
プレゼント交換をしたり
クリスマスに
チャリティーイベントを打ったり
するようになったそうです。
インフルエンサーが発信する
流行りのライフスタイルに飛びつく
SNS時代の我々と
あまり変わりませんね🥹
尚、「Merry Christmas」というフレーズを
ここまで流行らせた立役者も
ディケンズだと言われています。
▶︎ヴィクトリア女王とクリスマスツリー
そう、ヴィクトリア朝時代では
「家族」というコンセプトが
中流階級の心をくすぐる
キーワードでした。

それまでにも「家族」は
もちろん存在しましたが
「温かい家庭って素敵だよね」
という考え方は
ある程度生活に余裕が出てきて
都会的な核家族が定番化して生まれた
割と近代的なもの。
そこにきて
庶民が憧れる
圧倒的最強ファミリーといえば

ロイヤルファミリー
英国王室の
ロイヤルファミリーです。
前回の記事でも書きましたが
ヴィクトリア女王一家が
クリスマスツリーを囲んで
団欒する姿は
たちまち庶民の憧れになり
ヨーロッパ大陸の一部地域の慣習だった
クリスマスツリーという文化は
一気にイギリス全体へ、そして世界へと
広がっていきました。
そして、そこには
「家族でクリスマスツリーを囲む」
という、やはり「家族」のイメージも
くっついてくるわけです。
メディアの発達と相まって
「家族で過ごす、新しくて素敵なクリスマス」
というイメージは
それまでにないスピードで拡散され
決定的な影響力を持つようになりました。
▶︎郵便制度の革命! クリスマスカード
ところで
「クリスマスカード」という文化もまた
19世紀イギリスの産物です。
クリスマスに挨拶状を交わす習慣は
それ以前にも存在したようですが
郵便制度が整う以前の社会では
クリスマスカードを送り合う文化は
上流階級の人々に限られていました。
ところが「切手」という
これまた新たな郵便制度が生まれると
「季節の挨拶にオシャレなカードはいかが?」
と、「クリスマスカード」が
売り出されるようになりました。


V&A博物館初代館長ヘンリー・コール
少しでも手軽に
庶民に郵便制度を使ってもらおうと
カラフルな手描きのクリスマスカードが
1000枚ほど売り出されました。
やがてカラー印刷が可能になると
クリスマスカードは一気に人気を博し
現代にまでその慣習は
続いている、というわけです。
◾️心から贈りたいと思った、その気持ちは
というわけで
久々にお会いする方々のため
せっせとクリスマスカードを書いて
プレゼントを贈り
いい気持ちになろうと思った
100%ピュアなはずだった
私の思いつきは
ぜーんぶ19世紀イギリスの文豪やら
メディアや仕掛けたクリスマスイメージに
まんまと囲い込まれていた
というわけです。
古今東西の情報あふれる
現代社会では
私たちは知らず知らずのうちに
「何か」に影響を受けている。
そう考えると
一個人の純粋な
自由意志なんてものは
幻想なのかもしれません
とはいえ、です。
たとえ歴史と文化の
延長線の先端で
生かされている人生であっても
「お世話になった方に想いを伝えたい」
「この時間を大切にしたい」
そう思った気持ちそのものは
間違いなく「イマ・ココ」で
私の中から生まれたもの。
その表現手段として
いろんな歴史を知っていること
いろんな文化を知っていること
その上で、行動すること。
一周回って豊かだな、と思います。
粋な表現手段を思いついてくれた
ヴィクトリア時代の仕掛人たちに
感服しつつ
今日も明日も
先人たちの企みに
踊らされ、踊りたいと思います。
以上、ここまで読んでくださり
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次の記事でお会いしましょう!
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