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【#シロクマ文芸部 7月⑤】お題:洗面所(#怪異LABO)

シロクマ文芸部の1カ月の全お題を使って一つの物語を作っています。レギュラー部員は月初めにお題を全部教えてもらえるので思いつきました。今年で3年目の挑戦となります。

1回目は20字小説、2回目以降は文字数制限のないお話というスタイルで毎月挑戦中です。

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第2話はこちら👇

第3話はこちら👇

第4話はこちら👇

洗面所を通り人魚は怪異LABOと海を往復するようになりました。相棒が海と洗面所をつなげたので人魚も顔を出しやすくなったのですが。

こんなにも頻繁に怪異LABOに顔を出すとは思っていなかった私と相棒は、人魚が来るたびに顔を見合わせ苦笑いを浮かべます。頻繁に顔を出すのは途中経過を聞くというよりもフロフに会いに来ているという要素が多めでした。

「ばあ!」
「みぎゃっ!」

怪異LABOに顔を出すと人魚はまずフロフをからかいます。シャーと毛を逆立てて威嚇するフロフを

「かっわいいぃ!」

と抱きしめるのです。ジタバタと抵抗をするフロフですがそのうち大人しくなります。そっと目を閉じてじっとしているので魚の匂いを堪能していると最初は思いましたが、口からよだれが出る様子はありません。静かに抱かれるフロフを見つめる人魚は軽薄な言葉とは裏腹に慈母のようです。

人魚がわざと驚くように登場するのをフロフは嫌がりますが、切実な依頼を聞いてからフロフは人魚への態度を和らげました。

「嵐の夜にいなくなった子どもを探してほしいの」

母親のいないさみしさを知っているフロフです。人魚からかすかに母親に似たものを感じるのでしょう。身をゆだねママ……とかすかに声を出すこともありました。

「ね~え、フロフちゃん」
「にゃんだ?」

いつものような軽い問いかけにからかわれると感じたフロフは、まん丸毛玉の状態で背中の毛を立て警戒しながら応じていたある日のことです。

「あのさ、君、変身得意だよね?見たままに変身できる?」
「できるにゃ!」
「たとえば人魚とか……」

人魚をじっと見つめたフロフは、人魚の真剣な様子に気づいたようです。こくんと頷くとクルリと回転し、人魚の腕の中に飛び込みました。変身したフロフは人魚の腕から出た尾びれをピチピチと甘えるように動かして見せます。その動きに人魚の瞳が大きく見開かれました。

「うっわー、マジうちの子かと思ったわ……」

軽い口調と反対に人魚の目は潤んでいます。ピチピチと下半身の尾びれを動かしながらフロフは人魚の目をのぞきこんでいると……

「ママァ……」

スリスリと人魚に頬ずりをしました。人魚の目からポロポロと涙がこぼれます。床に落ちた涙はコロンコロンと真珠に変わっていきます。

「こんなに高価な前金をいただいたらなんとしても見つけ出さないと」

美しい真珠を一粒広いながら相棒が呟き、私も無言で頷きました。

(つづく)

小牧幸助部長、今週もありがとうございました。

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、実はこちら先週の水曜日が提出締切でした……。とうとうシロクマ文芸部の部活動を休んでしまったのです😢

やってしまった……

水曜日と勘違いして木曜日に投稿しようとして、私は頭をかかえてしまいました。このままお休み、とも思いましたが怪異LABOは絶賛連載中です。で、思いつきました。

世の中は夏休みでいつもと時間が流れが違う、それなら、今回は7月と8月の話をつなげてしまおうと💡

ということで、今回は1カ月物語ではなく2カ月物語で話を続けます。

人魚の依頼解決へ向けて頑張ります✨