【Amazonプライムデー】妻のiPhoneを値上げ前に買い替えるべきか——Pixelに移った夫が、家計で本気の試算をした
はじめに
その夜、僕はダイニングテーブルでスマホのニュースを眺めていました。隣では妻が、iPhone 15で友達とのLINEを返しながら、ときどき画面を僕に向けて「これ見て、かわいくない?」と笑っています。
僕の指先には、ティム・クックの言葉が流れてきました。「製品の値上げは避けられない」。Appleのトップが、ここまではっきり言うのは異例です。しかも理由は関税でも円安でもなく、AIブームによるメモリチップの世界的な高騰だというのです。
そのとき、ふと頭をよぎりました。僕はもうiPhoneを卒業してPixelに移ったので、この値上げは「対岸の火事」です。でも、妻はちがいます。うちで唯一、これからもずっとiPhoneを買い続けるのは、妻なのです。
つまり我が家にとって、Appleの値上げは他人事ではありません。「妻のiPhone」という、一点を直撃する家計の問題なのです。
この記事は、iPhoneを卒業した僕が、生命保険会社の総務という「コストを計算するのが仕事」の目線で、家族のiPhoneを値上げ前に買い替えるべきかを本気で試算した記録です。同じように、家族のスマホ選びを任されている方に読んでほしい一本です。
まず事実から——クックが認めた「100年に一度の大洪水」
感情論で買い急ぐ前に、まず何が起きているのかを整理します。
2026年6月17日、ティム・クックCEOはWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)のインタビューで、メモリチップの高騰により、Apple製品の値上げは「避けられない」と語りました(※1)。クックはこの状況を「100年に一度の大洪水」にたとえ、「40年以上この業界にいるが、こんなことは見たことがない」とまで述べています(※2)。
原因は、生成AIの爆発的な普及です。世界中のデータセンターがメモリを買い占め、スマホ向けのメモリまで価格が跳ね上がっている。Appleほどの巨人でも、もう吸収しきれないところまで来た、というわけです。
具体的な数字も出ています。調査会社TechInsightsの推計では、次期iPhone 18 Proの販売価格は200ドル(約3万2,000円)引き上げる必要があるとされています(※3)。スマホに使われるメモリのコストだけを見ても、iPhone 17 Proでは39ドルだったものが、iPhone 18 Proでは145ドルへと、4倍近くに膨らむ見込みです(※3)。
そしてAppleは毎年9月に新型iPhoneを発表します。つまり、この値上げが現実になるのは、早ければ2026年9月。逆に言えば、いまの価格でiPhoneが買えるのは、残り数か月ということになります。
ここまでが、僕が試算の前提に置いた「動かしようのない事実」です。
なぜ我が家では「妻のiPhone」だけが、値上げの直撃を受けるのか
ここで、我が家のスマホ事情を白状します。
僕自身は、先日iPhoneからGoogle Pixel 10aに乗り換えました。Linuxを母艦に使い、自分で環境をいじるのが好きな人間なので、Androidのほうが性分に合っていたのです。だから今回の値上げは、正直なところ「ふーん、大変だな」くらいの距離感で眺めていられます。
でも、妻はちがいます。
以前にも妻が「iPhoneだけは変えない」という本当の理由から見えた、Appleの真の強さという記事に書いたのですが、妻はiPhone 4の頃から十数年、一度もAppleの外に出たことがありません。僕が「安くていいAndroidあるよ」と勧めても、返ってくる答えはいつも同じです。
「LINEの履歴とか写真が消えるの怖いから、ずっとiPhoneでいい」(原文ママ)
彼女が守りたいのは、スペックではなく「これまでの暮らしが消えないこと」。だから、次にスマホを買い替えるときも、まず間違いなくiPhoneを選びます。選択肢が、最初からiPhoneしかない。

これは、家計の観点で見ると、けっこう重い事実です。僕のスマホ代は値上げと無関係に下げていける。でも妻のスマホ代だけは、Appleの価格政策をそのまま受け止めるしかない。我が家の通信・端末コストは、これから「妻のiPhone」を軸に動いていくのです。
しかも、11月には第一子が生まれます。子どもの写真と動画が、これから妻のiPhoneにどんどん溜まっていく。妻にとってiPhoneは、ますます「絶対に手放せない、思い出の金庫」になっていきます。
だからこそ、僕は真剣に考えました。この金庫を、値上げ前のいまのうちに新しくしておくべきなのか?
総務の僕が、調達コスト目線で試算してみた
会社で備品を発注するとき、僕がいつも考えるのは「いま買うか、待つか」です。値上げが分かっているなら、必要なものは値上げ前にまとめて確保する。これは調達の鉄則です。
その目線を、そのまま家計に持ち込んでみました。
妻のいまの端末は、iPhone 15。動作はまだ快適で、バッテリーも極端にへたってはいません。つまり「いますぐ壊れて困る」状態ではない。ここがポイントです。
シナリオは2つあります。
シナリオA:値上げ前のいま、型落ちを確保しておく。
9月以降に値上げが来ることを見越して、いまのうちにiPhone 16eやiPhone 15といった型落ち・現行モデルを買っておく案です。仮にiPhone 18 Proで噂どおり200ドル上がるなら、円安も重なって、体感では数万円の差になりかねません。家族の端末を1〜2年内に替える予定があるなら、その差額は無視できない金額です。
シナリオB:壊れるまで使い、必要になってから買う。
妻のiPhone 15はまだ現役。慌てて新しくしても、いまの端末がムダになるだけ、という案です。値上げは痛いけれど、「使えるものを捨てる」ほうが、トータルでは損をするかもしれません。
僕が出した答えは、後で書きますが、この2つを天秤にかけるうえで効いてくる事実が、もう一つあります。
それは、7月のAmazonプライムデーです。プライムデーは、値上げが本格化する9月より前にやってくる、いまの価格でApple関連製品を狙える「最後の大型セール」になる可能性が高い。型落ちiPhoneや、ケース・充電器といった周辺アクセサリをまとめて整えるなら、ここが現実的なタイミングです。
このあたりは、僕が以前書いたApple値上げニュースから読み解く、スマホの買い替え時の考察とも地続きの話です。値上げは「点」ではなく、業界全体で進む「流れ」だと捉えると、慌てず、でも手は打つ、という構えが取れます。
それでも僕は、「いますぐ買い替え」はしないと決めた
試算の結論を書きます。我が家は、いますぐ妻のiPhoneを買い替えることはしません。
理由は単純で、妻のiPhone 15がまだ十分に元気だからです。値上げが怖いからといって、現役の端末を捨てて新品を買うのは、調達の世界でいえば「在庫があるのに発注する」ようなもの。それこそ家計のムダです。
ただし、何もしないわけではありません。僕が決めたのは、こういう構えです。
次の買い替えが1年以内に視野に入っているなら、値上げ前に動く。
たとえばバッテリーがへたってきた、容量が足りなくなってきた、という兆候が出たら、9月の値上げを待たず、プライムデーのタイミングで型落ち・現行モデルを確保する。
逆に、まだまだ使えるなら、堂々と待つ。
値上げのニュースに煽られて買うのではなく、「本当に必要になったとき」を自分の基準で見極める。
そして、家族のスマホだからこそ言えることが、一つあります。妻のように「データが消えるのが怖い」という人にとって、iPhoneからiPhoneへの買い替えは、実はいちばんハードルが低い乗り換えです。iCloudにサインインすれば、写真もLINEもアプリの配置も、ほとんどそのまま新しい端末に再現される。「買い替え=怖いこと」ではなく「買い替え=そのまま引っ越せること」だと分かっていれば、値上げ前に動く決断もしやすくなります。
家族のスマホこそ、早めに、計画的に。これが、総務目線でたどり着いた僕の結論です。
「いま動くべき人」と「待っていい人」
最後に、僕の試算を、あなたの家庭にも当てはめられるように整理しておきます。
いま(値上げ前に)動いたほうがいい人
家族の端末が古く、1年以内の買い替えが視野に入っている
バッテリーの劣化や容量不足など、買い替えの兆候が出ている
子どもの誕生など、写真・動画が一気に増えるライフイベントを控えている
iPhoneしか選ばない家族がいる(=値上げを必ず受ける家庭)
慌てず待っていい人
いまの端末がまだ快適に動いている
値上げのニュースだけが買い替えの動機になっている
端末そのものより、ケースや充電器など周辺を整えたいだけ(それならプライムデーで十分)
どちらにせよ、共通して言えるのは「ニュースに急かされて買うのではなく、自分の家庭の事情で決める」ということです。値上げは、あくまで判断材料の一つにすぎません。
おわりに
僕が値上げだの試算だのと電卓を叩いていたのは、結局のところ、妻が安心して、これからも思い出を撮りためていける環境を守りたかったからです。スマホの値上げは、数字の話のようでいて、その奥にあるのは「家族の暮らしをどう守るか」という、ずっと温かい話なのだと思います。
Appleの値上げは、たしかに痛い。でも、慌てる必要はありません。事実を知り、家庭の事情で決め、必要なときに、いちばん得なタイミングで動く。それだけで、十分です。
あなたの家にも、「これだけは絶対にiPhone」という人がいるなら、一度だけ、家族で買い替えのタイミングを話してみてください。その会話そのものが、きっと、いちばん価値のある「準備」になります。
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出典
※1 Appleのティム・クックCEO、メモリ価格高騰により製品値上げは「避けられない」と発言(2026年6月17日 WSJ報道)
※2 クックCEO「100年に一度の大洪水」「40年以上この業界にいるが見たことがない」発言
※3 TechInsights推計:iPhone 18 Proは約200ドルの値上げが必要、メモリコストはiPhone 17 Proの39ドルからiPhone 18 Proで145ドルへ
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