【Amazonプライムデー】ワイヤレスイヤホン3つの「代替案」 〜AirPods Pro3に心が揺れている(続編)〜
ある夜、ダイニングテーブルでROG Allyの電源を落としたあと、僕はまたスマホでイヤホンの価格を眺めていました。
少し前に「【Amazonプライムデー】AirPods Pro 3に心が揺れている(正直)」という記事を書きました。
上位モデルが安くなると聞いた瞬間に「買い替えようかな」と思ってしまう——あのガジェット好きの業(ごう)について、自分でも危ういと分かりながら綴った記事です。
あの時の結論は「保留」でした。
Pro 3の目玉である健康センサーやライブ翻訳は、iPhoneと組み合わせて真価を出す設計のはず。Pixel 10aとLinuxで暮らす僕の環境では、宝の持ち腐れになる可能性が高いからです。
ただ、保留してから数日、頭の片隅でずっと引っかかっていたことがありました。
「そもそも、次の一台はAirPodsじゃなくてもいいんじゃないか?」
考えてみれば不思議な話です。僕のスマホはPixel、母艦はNixOSのデスクトップ。生活のほぼ全部がApple非純正で回っているのに、耳だけはAirPodsを挿している。Apple非ユーザーだからこそPro 3を諦めかけたのなら、いっそApple前提じゃないイヤホンの方が、僕の生活に素直なのかもしれない——そう思い始めたのです。
そこでプライムデー本番の前に、Pro 3の「代わりになりうる3台」を真剣に並べてみることにしました。今日はその比較記録です。例によって、この3台はまだ僕の手元にありません。だから装着感や音質を「使った風」には書きません。あくまでスペックと価格、そして「Pixel・Linux・もうすぐ父になる」という自分の生活に当てはめたときに、どう映るか——その考察に絞ります。
※まず前提として、僕がいま使っているのは [AirPods 4 ANCモデル] です。不満があって乗り換えるわけではない、という話は前回の記事に書きました。
前回の記事
なぜ「Pro 3一択」をやめて、3台を並べたのか
前回の記事の最後で、僕は自分でも気づいていなかった分岐点に行き着いていました。それは「Pro 3を買うか、AirPods 4のままか」ではなく、「密閉型で世界を閉じるか、開放型で世界とつながったまま聴くか」という、もっと根っこの選択です。
ここに、もう一つの軸が重なります。Apple純正かどうかです。
AirPodsは、iPhoneと組み合わせたときに一番気持ちよく動く道具です。逆に言うと、Pixelとつなぐと「使えるけれど、本領ではない」状態になる。以前「LinuxとAndroidでもAirPodsのフル機能を使える」という記事を書いたくらいで、つまり"ひと手間かけて飼い慣らす"前提なんですね。
一方で、ソニーもSHOKZもゼンハイザーも、最初からAndroidを一級市民として扱ってくれます。専用アプリで音質もボタン操作もイコライザーも、Pixelからそのまま全部いじれる。Apple非ユーザーにとっては、むしろこちらが「ふつう」なんです。
この2つの軸——「密閉 vs 開放」と「Apple純正 vs 非純正」——で候補を探したとき、きれいに性格の違う3台が残りました。順番に並べていきます。
候補①:SONY WF-1000XM6 ── 「密閉型で殴り合う」道の頂点
家電量販店で、ガラスケースの中のソニーのフラグシップを眺めていたときのことを思い出します。値段を見て、そっと棚に戻した記憶も含めて。
WF-1000XM6は、2026年2月に出たソニーの完全ワイヤレスの最上位機です(※1)。新開発のノイズキャンセリングプロセッサー「QN3e」に左右合計8個のマイク、前モデルXM5と比べてノイズを約25%低減——スペックだけ読むと、もう「静寂を金で買う」装置です。Pro 3が密閉型のノイキャンで勝負してくるなら、それを真正面から上回りに行く一台がこれ、という位置づけになります。
僕にとっての魅力は2つあります。
ひとつは、Apple非ユーザーでもフル性能が出ること。ソニーのイヤホンはAndroid向けの高音質コーデックや専用アプリに完全対応していて、Pixelとの組み合わせで本来の力を発揮します。AirPodsを"飼い慣らす"必要がない。これは地味に効きます。
もうひとつが価格の動きです。発売時は44,550円でしたが、発売からわずか3か月で、メーカー指定価格が39,600円に下がりました(※1)。4万円の壁を自分から崩しに来た格好です。となると、プライムデーでさらに一段下がる可能性は十分にあると見ています。
ただ、正直に引っかかる点も書いておきます。これは「世界を閉じる」道具です。ノイキャンで静寂を手に入れるということは、裏を返せば周りの音を遮断するということ。後で書きますが、もうすぐ我が家には新しい家族が増えます。家の中でその静寂が本当にほしいのか——そこが、僕の中で最後まで決着がつかないところでした。
候補②:SHOKZ OpenFit Pro ── 「開放型なのに集中もできる」欲張りな一台
これは完全に、妻のひと言がきっかけで候補に入りました。
以前、家でAirPods 4のノイズキャンセリングをオンにして作業していたとき、背後から呼ばれていたのにまったく気づかず、妻に少し呆れられたことがあります。「聞こえてないと、ちょっと寂しいよ」と。あの感覚が、ずっと頭に残っていました。
SHOKZのOpenFit Proは、耳をふさがない「オープンイヤー型」のフラグシップです(※2)。2026年4月発売で価格は39,880円。耳の穴を密閉しないので、音楽を聴きながらでも周りの声やインターホン、生活音がちゃんと聞こえます。"ながら聴き"の代表格ですね。
面白いのは、この開放型なのに「フォーカスモード」というノイズ低減機能を積んできたことです(※2)。普段は耳を開けたまま家族の声を拾い、集中したいときだけ周囲のノイズをそっと下げる。開放型と密閉型のいいとこ取りを狙った、欲張りな設計になっています。Dolby Audio対応で、ケース込み最大50時間という体力もある。
僕がこれに惹かれる本当の理由は、生活の変化です。2026年11月に、第一子が生まれる予定なんです。
赤ちゃんの泣き声、妻が呼ぶ声、宅配のインターホン。これから僕の家は「聞き逃してはいけない音」で満ちていきます。そう考えると、世界を閉じる密閉型より、世界とつながったまま聴ける開放型の方が、これからの暮らしに合っているのかもしれない。前回「自分の生活で実際に活用できるか」を最優先にすると書いた、その物差しを当てると、この一台の点数がじわじわ上がってくるのです。
候補③:Sennheiser ACCENTUM Open ── 「いちばん身軽な乗り換え」
3台目は、毛色が違います。ゼンハイザーのACCENTUM Openです。
これも耳をふさがないオープンイヤー型ですが、OpenFit Proとは方向性が逆で、とにかく軽く、手頃に、ながら聴きへ移る一台という立ち位置です(※3)。片耳わずか4.4g——トランプ1枚ほどの重さしかなく、長時間つけても耳が疲れにくい設計。ケース込みで約28時間使えて、マルチポイントにも対応しています。
価格も3台の中でいちばん手頃な部類で、ノイズ低減のような派手な機能はありません。そのぶん「音楽を流しっぱなしにして、生活に溶かす」という用途には素直に効きます。老舗オーディオメーカーらしい、音の素性の良さも期待したいところです(ここは未所有なので期待として書きます)。
僕がこれを候補に残したのは、「失敗しても痛くない金額で、開放型という新しい生活様式を試せる」からです。XM6やOpenFit Proは約4万円。いきなりそこに飛び込んで「自分には開放型が合わなかった」となると、けっこう堪えます。その点ACCENTUM Openなら、ながら聴きという文化が自分の暮らしに馴染むかどうかを、軽い気持ちで確かめられる。入り口として優秀なんです。
3台を「僕の生活」に当てはめてみる
スペックを並べると、こうなります。

でも、こういう比較記事でいちばん大事なのは、スペック表の数字ではありません。「その道具が、自分のこれからの生活で本当に活きるか」です。前回の記事から、僕はずっとここにこだわっています。
僕の生活はこうです。スマホはPixel、母艦はLinux。だからApple前提の機能は最初から要らない。平日はオフィス勤務で、ひとりで集中したい移動時間がある。そして秋からは、家の中が「聞き逃せない音」で満ちる。
この物差しを当てると、3台はこう並び替わりました。
通勤・ひとりの集中時間を最優先するなら → WF-1000XM6。静寂は、間違いなく仕事の質を上げます。
家での暮らし・これからの育児を最優先するなら → OpenFit Pro。世界を閉じずに聴ける安心は、お金に換えがたい。
まず開放型を試したいなら → ACCENTUM Open。いちばん低いリスクで、新しい習慣を試せる。
面白いもので、純粋なスペックで殴り合えばPro 3やXM6が強いのに、「自分の生活」というフィルターを通した瞬間、開放型の2台がぐっと前に出てきたんです。これは前回の僕には見えていなかった景色でした。
向いている人・向いていない人
WF-1000XM6が向く人:とにかく静寂がほしい人、通勤・出張・カフェでの集中が生活の中心の人、Androidでもフル性能を引き出したい人。
OpenFit Proが向く人:家族の声や生活音を聞き逃したくない人、長時間つけっぱなしにしたい人、開放型でも"集中"を諦めたくない欲張りな人。
ACCENTUM Openが向く人:まず手頃に開放型を試したい人、軽さ最優先の人、派手な機能より素直な使い心地がほしい人。
どれも「今すぐは」向かない人:いまのイヤホンに不満がない人。これは前回も書きましたが、いちばん大事な但し書きです。セールは「安く買う場」であって、「不要なものを買わされる場」ではありません。
おわりに:保留の答え合わせは、もう少し先で
3台を並べてみて、自分の心がどこへ傾いたかは、正直もう薄々分かっています。「静寂を買う」より「世界とつながったまま聴く」方が、これからの僕の暮らしには合っている気がする。父になる準備というのは、こんなところにも顔を出すのだなと、少しおかしくなりました。
ただ、結論はまだ出しません。プライムデー本番で、それぞれの値引き幅がどう動くか。そこを見届けてから、最後の判断をします。次は「実際に何を買ったか(あるいは買わなかったか)」の購入編で答え合わせをするつもりです。
スペック表の優位より、自分の生活で本当に活きるか。その物差しだけは、今回も手放さずにいきます。
あなたなら、静寂と"ながら聴き"、どちらを選びますか?
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出典
※1 SONY WF-1000XM6:2026年2月27日発売。当初ソニーストア価格44,550円→発売約3か月でメーカー指定価格39,600円に改定。新開発NCプロセッサ「QN3e」、左右合計8マイク、前モデルXM5比でノイズ約25%低減。(ソニー公式ニュースリリース/価格.com)
※2 SHOKZ OpenFit Pro:2026年4月22日発売、価格39,880円。オープンイヤー型ながらノイズ低減「フォーカスモード」搭載、Dolby Audio対応、ケース込最大約50時間、IP55。(Shokz公式/価格.com)
※3 Sennheiser ACCENTUM Open:オープンイヤー型、片耳約4.4g、Bluetooth 5.3+マルチポイント、ケース込約28時間、IPX4。海外MSRP $129.95(国内実売は本比較3台の中で最も手頃な価格帯)。(Sennheiser公式/各販売店)
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