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コブクロの歌を医療や福祉に従事する多職種が口ずさめるようになれば、患者やサービス利用者に最善の結果がもたらされる

多職種連携教育(IPE:Interprofessional Education)という言葉があります。

私が初めて、このIPEという言葉を聞いたのは、今から3年前の宮崎大学医学部地域医療・総合診療科学の吉村教授の講演だったと記憶しております。

宮崎で開催されたリハビリテーションの学会で、吉村先生はイギリスのIPEを紹介し、宮崎大学医学部の学生の卒前教育について公演をされました。

その後、保健所の在宅緩和ケアの研修で、延岡市で在宅医療を展開している縁在宅クリニックの岩谷先生の講演のスライドで、日本の多職種連携コンピテンシーの図が紹介されておりました。

図の真ん中に、「患者・利用者・家族・コミュニティ中心」という言葉があり、それを包んでいるのが「職種間コミュニケーション」でした。

さらにその外側には、4つの言葉がありました。

職種としての役割を全うする

・関係性に働きかける

・自職種を省みる

・他職種を理解する


なんだか素敵な言葉だなと、ずっと気になっておりながら、いつしか忘れておりました。

最近、「医療経営学概論」(日経BP)という本を読みました。

慶応大学の大学院の特任教授をされている裴英洙先生が書かれているものです。

厚労省の検討会で会ったことがあり、ネットで本を見たときにすぐにポチしました。

病院は「部族社会」である。

医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務スタッフといった多様な専門職が在籍しており、それぞれが独自の集団を形成している。

各職種は高度な専門知識や技能を有しており、それぞれが異なる倫理観や行動規範、独自言語やコミュニケーション手法を共有し、集団として活動している。

同じ医療機関という組織の中でも、職種ごとに独自の「サブカルチャー」が形成されるケースが少なくなく、そのため、その境界を越えて共同する際にしばしば「縄張り意識」や「縦割り構造」が立ちはだかる。

医療における究極的な活動は患者の健康と生命を守ることであり、複数の専門家が連携して迅速かつ正確に対応する必要がある。

しかし、それぞれの専門職集団(=部族)が自らの価値観、職業観、習慣、やり方などに固執し過ぎると、情報共有の不足やコミュミケーションの不全が生じやすくなる。

結果として、患者中心の医療から遠ざかってしまうという問題が生じる。

医療機関は多数の専門職集団で形成される組織であるがゆえ、部族性を完全にゼロにすることは難しい。

だからこそ、想定される弊害を乗り越えるためには、部族性があるものと認め、組織横断的なコミュニケーションの促進や、チーム医療の理念を浸透させるリーダーシップ、相互理解を深める研修・ミーティングの充実などが促進されるような仕掛けを、経営者が常に意識して構築していく必要がある。

また医師や看護師などの現場スタッフは、自らの「部族性」を自覚し、それを自らできるだけ低減させる努力を重ねることも必要である。

過度な部族性を解消し、真に患者中心のケアを実現するためには、医療従事者全員が自らの専門性を尊重し合いながら、共同して目標達成に向かう組織文化づくりが欠かせない。

そうだったか!

これを読んだときに、私の海馬がフル回転して、IPEが蘇りました。

さっそく今はやりのGeminiに聞いてみました。

イギリスの多職種連携教育は、世界で最も進んだモデルの一つとされているとのこと。

イギリスのIPEの拠点となっているCAIPE(The Centre for the Advancement of Interprofessional Education )の定義が有名だそうです。

2つ以上の専門職が、ケアの質を改善するために、共に学び、互いから学び、お互いについて学ぶ。

Occasions when two or more professions learn with, from and about each other to improve collaboration and quality of care.

この定義で重要なのは、単に同じ教室にいる(With)だけではなく、相互作用(From / About)が必要であるとしている点です。

・共に学ぶ(With):同じ場所で学習体験を共有する。

・互いから学ぶ(From):各職種が持つ独自の知識やスキルを教え合い、吸収する。

・互いについて学ぶ(About):各職種の役割、責任、専門的なアイディンティティ、そして限界を理解する。

イギリスでこの定義が発展し、重視されている背景にはいくつかの特徴があるそうです。

1 NHS(国民保健サービス)との密接な連携

イギリスでは国営の医療システム(NHS)が基盤にあるため、サービス提供の効率化と安全性の向上のために、政府主導で多職種連携が推進されてきました。

2 専門職間の壁を壊す「共通基盤」

かつての医療現場では医師を頂点とした階層構造が顕著でしたが、IPEを通じて「患者中心のケア」という共通の目的のもと、水平な協力関係を築くことが目指されています。

3 高等教育への取り組み

看護、医学、リハビリテーション、ソーシャルワークなどの学部において、卒前教育のカリキュラムとしてIPEを組み込むことが一般的になっています。

定義が目指す究極の目標

定義の最後にある「ケアの質を改善するために」という部分は非常に重要です。

IPEは、教育自体が目的ではなく、その先にある「多職種連携協働実践」を実現し、最終的に患者やサービス利用者に最善の結果をもたらすための手段である、と明確に位置づけられています。

うーむ。深い!

目的ではなく、手段。

実利主義は英国の伝統です。

宮崎出身の小渕健太郎さんのいるコブクロさんの歌、「永遠にともに」を思い出しました。

共に歩き 共に探し 共に笑い 共に誓い

共に感じ 共に選び 共に泣き 共に背負い

共に抱き 共に迷い 共に築き 共に願い

サビの歌詞には、キーワードの「共に学び」はありませんが、これは紛れもなく多職種連携の歌です。

「IPEの歌」として、宮崎県の医療や福祉に従事する多職種が口ずさめるようになれば、部族間のしがらみが溶けて、患者やサービス利用者に最善の結果がもたらされるようになる、そんな気がしました。

もちろん、本来の結婚式ソングとしても有効です。上から目線で恐縮です。

コブクロさんの焼酎「桜樽こぶくろうま」(神楽酒造)が登場しました。

県庁横の宮崎物産館KONNEに売っており、さっそくゲットしました。

東京新宿のKONNEにもあるそうですよ。


コブクロさんのコンサートのことを書いています。


岩谷先生の講演について書いた記事です。

名曲です。

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