小2三男、ためてためてホップ、ステップ、ジャンプ
小1の夏前から突如学校に行けなくなった三男。
理由ははっきりとしないけれど、体をガチガチにこわばらせて足が動かなくなり、目も焦点が合わなくなるほどに身体が拒否反応を示していたので、休ませたほうが良いと親が判断し、それから不登校な日々が始まった。
夏休みは楽しく過ごしたものの、夏休みがあけても同じ状態だったのでそのまま休ませ、秋には、三男を幼稚園の時から気にしてくださっていた教育委員会の先生が家に来て、別のプログラミングの先生によるオンライン授業に取り組んだりした。
それも冬には三男が限界になり、先生の訪問を拒絶するようになったのでお休み。
2年生からは、週に1度、担任の先生が玄関先に訪問してくださり、さらに2学期からは自ら放課後の教室に出向いて先生と話したり、一緒に作業したりして過ごしてきた。
「ぼく、3年生になったら学校に行く」
と言い出したのは先月のこと。
まずはこの2学期終業式に行くと決めた。
11月の月末、「3年生から学校に行くための練習で、12月から学校の授業に合わせて家で過ごしてみたい」と言い出した。
学校からもらう月間の時間割通りに、毎日同じ教科に自宅で取り組むのだと。
お。
わかった。やってみようか。
三男は毎日、10月に自分で決めたスケジュール通りに過ごしてきて、きっちり朝と夕方に「ゲーム」の時間が設けてある。
その時間は1分でもズレてはいけない、というマイルールがある。
時間割通りに過ごすと決めた三男は言う。
「そのためには、ゲームもやめる。だって、学校に行っている子はゲームしないもんね」
そうだね、わかった。
ゲームもなしなのね。
下校してからならいいんじゃない?
「いや、ぼくはもう、ゲームしない」
ゼロか100理論。
そして迎えた12月1日。
1時間目、国語。
教科書を持ってきて、スイミーを読む。
漢字ドリルをやる。
通信教育の国語に取り組む。
2時間目、算数。
算数ドリルをやる。
数独に取り組む。
3時間目、道徳。
とりあえず教科書を読む。
4時間目、算数。
2時間目の続き。
昼ごはん、休憩。
5時間目、国語。
力尽きる。
1日学校と同じように過ごしたら、バテた。
「下校のあとはゲームをやっていいってことにする」
そう、わかった。
2日目も、時間割通りに過ごす予定の三男。
実際のところ、1人で時間割通りにやるのはかなりつまらないようで、時間割表を見つめながら言った。
「ぼく、もう明日から学校行く。同じことをするなら、行ったほうがいい」
人から言われたら勧められてもなかなかうんとは言わない三男だけれど、自分で言う時はやり遂げる。
だから口に出した以上、本当に行くつもりなのだろう。
久しぶりに日中の学校に行くことを考えただけで興奮している三男は、今日1日、飛び跳ねたりあっち行ったりこっち行ったり落ち着かないに違いない。
「人に会わないために、直接外から教室に入れるからね」
「先生が、他の生徒がうるさかったり、大きな音が出たりするのが嫌かもしれないから、別室はどうかと言っていたよ。そうする?」
などと、子どもが転ぶ前に杖を出しまくる私。
すると三男、
「ちゃんと昇降口から行ってみたいんだ」
「いつもの支援の教室で大丈夫。たしかにうるさいけど、気にしないよ」
と。
私は大変な過保護であって、息子のほうがすっかり肝が据わっていた。
この1年間、三男は本当に少しずつ、外に出て挑戦するのを重ねてきた。
水が嫌いで苦手だった水泳に挑戦して、少し潜れるようになったり。
父親とマラソン大会に出場したり。
怖くて足が向かなかった学校に、バランスボール遊びが目的になっていたとは言え、毎週踏み入れることができるようになったり。
「学校に行く」という決意は唐突に見えるけれど、彼にとってこの1年は小さなホップ、小さなステップを繰り返し、だんだんその高さが大きくなってきたということかもしれない。
明日、心がついていけずに学校に行けなくなってもいい。
「行く」と決めたその心が、また三男を少し成長させていくのだろうから。
「決意したのは、ほんとうにすごいね!」と、はにかむ息子に声をかけた。
