どうでも良くないのにどうでもいい。そんな気持ちを歌った曲「Blue Guilt」 製作日誌
今回はAIを使わず完全自作の曲になってます。
世界を動かす「どうでもいい」
人は毎日何かしらの「どうでもいい」に遭遇するけどそのほとんどが実はどうでもよくないパターンが多い。
「選挙どうでもいい」 →実際自分の生活に関わってる
「芸能ニュースどうでもいい」 →ほんとは自分もちやほやされたい
「悪ガキどうでもいい」→ほんとは注意したい
「社会問題どうでもいい」→ほんとは自分の意見聞いてほしい
他にも困ってそうな人を見た時とか、店やサービスに対する要望・クレームとかいろいろある。
「どうでもいい」は窒素や宇宙のダークエネルギーのように日常に溢れ、目立たないが重要な役割を果たしている。
人類の歴史は「"どうでもいい"の歴史」とも言える。正確には人々が「どうでもいい」と思いつつも心のどこかで「どうでもよくない」と感じているような水面下に眠る感情を、勇気や行動力・才能のある何者かがサルベージして世界を変えてきた。
誰が勇気を出して意見を言うと「私もそう思ってました…!」とみんなが続く。そういうのを積み重ねながら世界が回ってる。
今回はこのテーマを軽やかで脱力感のあるアコースティック・ポップな歌にした。
制作日誌
曲を作ったきっかけは役所に書類を提出しに行った時に、役員に大声で文句を言ってる人を見かけたことだった。
ドキドキしながら話を聞いてると、ただの気狂いクレーマーではなくてまともな意見を言ってて、馬鹿なのは所員の方だった。
そういう時はいつもビビリなくせに口を出したくなるけど「どうでもいい」とやり過ごした。しかしああいう人間は必要だと感じた。
オレも世界のいろんな仕組みやルールに強い違和感を感じて必死になることがあって、そのたびに世間一般の人々との温度差に失望してきた。
しかし本当に冷めてるやつもいるが実際にはどうでもいいフリをして自己防衛してるだけの人も多いだろう。
ブルーギルのような釣り人
いつもは最初にギターで土台を作るが今回はメロディが先に浮かんで、それにギターを合わせて曲を書いた。
「人の心の奥底の"どうでも良くない"をすくい上げる」というテーマから、真っ先にサルベージという単語が浮かんだ。河原で作業してたのも影響したかもしれない。
歌詞を考えながら歩いてると、イキった感じの若い男たちが釣りをしていた。針が掛かってもがいてる魚を見て笑ってる男たちを見た私は「釣りは動物虐待だな」と思った。
私も若い頃は釣りをごく当たり前のレジャーとしか考えてなかったが、"気まぐれベジタリアン"になった今では釣りという残忍な行為を黙認出来ない。(と言いつつ昨夜煮干しを食べたがもう買わないと思う。)
今回の「煩悩に満たされたイキり男」はともかく、釣り人の中には「基本的には良心的だけど釣りが当たり前の行為すぎてそれが虐待だとも考えなかった」タイプの人種もいるだろう。
そして釣り人たちの無意識下には彼らが普段感じない(ようにしてる)罪悪感が眠ってる。もし社会の風潮が変わったら今の喫煙者のように罪悪感を感じることになるだろう。
そういう、社会的に認められてるから普段は意識しない罪悪感を、釣りの定番ブルーギルをモジって「Blue Guilt」(ブルーギルト、青い罪悪感)と呼ぶことにした。
ほんとは発言したいけど発言出来ずに「どうでもいい」で済ませることへの罪悪感なども意味してる。
歌詞では繁殖力が高くて他の種を絶滅させる恐れのあるブルーギルを人間に例えたり、集団意識に汚染されたり釣られる人間をブルーギルに例えて主語を曖昧にするという、自分が多用するトリックを使ってる。
音楽製作
ギターとメロディは20分くらいで完成させた。最初はもっとクッキリと歌っていたが試行錯誤の末、ささやき声を使うことにした。
最近は歌ってると左耳が潜水した時のようにコモる症状があったが、今回はそこまで頻繁しなかった。大声で歌うと起こりやすいようだ。
アレンジと編集はなるべくこだわらないようにした。今回のテーマは等身大で日常的な曲にすることだったからオーバープロデュースは避け、コーラスもメインと同じラインでアクセント的に加えるにとどめた。
同じパートのコピーをほんの少しタイミングをずらして小さい音量で左右に振り分けて音圧を上げる手法も今回は使わなかった。
今までのアコギ作品と同様、音が硬くなるのを避けるため、マスター以外ではコンプレッサーは使わなかった。リミッターも薄くかけるに留めた。
音量のオートメーションもかなり大雑把にやった。この作業がYouTubeの字幕と説明文(さらに多言語化)に次いでダルい作業で、ストレートネックを悪化させるのでやりたくなかった。
EQも適当にやるつもりだったけど多少時間をかけてしまった。ベース無しのゆったり曲なので低音のバランスに苦戦した。
タンバリンとマラカスは全部手動で打ち込んだ。ギターとなるべく被らないようにしつつ主張しすぎずメリハリを効かせることを意識した。
DIY動画製作
動画は最近はAI生成画像を使った作品が多かった。それ以前もネット上の素材を組み合わせるパターンが多かった。
今回も最初はそういう路線を考えていた。水に沈む(または浮かぶ)ギターや、ギターの指板を川底に見立てた合成動画が真っ先に浮かんだが、それは「FLOW」や「SEAHOOD」と被るのでやめた。
次にヘッド部から垂らしたギターの弦で釣りをする動画を考えたが、合成や生成は難しそうだし、実際に川に行って撮影するとしても、人が少なくてその構図が撮れる場所を探したりするのが面倒だった。
音楽同様に製作に時間をかけたくなかったので自宅のバスタブを使うことを思いついた。
最初は百均に売ってるような小さいギターの置物とかをペットボトルの蓋を浮かべることを考えていたけど金を使いたくなかったのでピックを浮かべようとしたら沈んでしまったが結果オーライだった。ピックが水に沈むとは知らなかった…
ピックを心の底のBlue Guiltの役にすることにして、魚みたいな形の落ち葉を浮かべることにした。
Uberの配達の帰りに公園で落ち葉を集めて1日放置してたら黄色が腐食して茶色になってしまったので自宅周辺を散歩しながら再収集した。落ち葉は芸術すぎるのに当たり前の光景すぎて過小評価されている。
バスタブ横の水面台に撮影用スマホスタンドをテープで固定して撮影することにした。掃除をしてもバスタブのシミが取れなかったのでピックで隠したり薄い色付きの入浴剤で誤魔化した。森林系が良かったが近くのコンビニには柚子しかなかった。
昔の自分ならADHDの癖で下準備をおろそかにして衝動的に取り掛かってiPhoneを水没させてたかもしれないが、今回はちゃんと深呼吸して一服してから計画的に段取りを踏み、iPhoneのネックストラップを水道の蛇口に掛けた。


これを、iOSの昔ながらの定番ミュージック・ビデオ製作アプリ「VideoStar」のエフェクトを使って加工した。2トーンにする予定はなかったが、結果的にいろんな色の落ち葉を集めた意味がほとんど無くなってしまった。
いつも通り、YouTubeの字幕と説明文の段階でかなりダルくなり、燃え尽き症候群になった。ストレートネックがまた悪化した。音楽製作中は酒とタバコが増えるので心臓と血流の状態も悪くなって不安とパニックの波が来たのでまたベンゾジアゼピンや睡眠薬をかなり飲んでしまった。
2、3日はゆっくり過ごそうと思う。普通に働いてたらオレはもう再起不能になっていただろう。生活保護(アーティスト保護)があって本当に良かった。
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