茶番社会を風刺したエレクトロリポップ曲 「双子座のバイキング」 制作日誌 2/2
前編はこちら
続・SUNOでデモをカバー
曲の1番を生成して安心したのも束の間、問題発生。原曲のない純粋な生成作品なら、その曲を延長する形で2番を作れば良いだけだが、2番の歌詞とメロディを合わせるためには引き続き自分のデモを参考トラックとして使う必要があった。
結局、3番までの全ての歌詞を入力して生成し直すことになった。AIを学習させるために、さっきのお気に入り曲だけに👍🏻を付け、その曲のプロンプトをコピペした。
予期した通り、曲が長くなると失敗率も上がった。最悪、2番までで妥協することも考えたが、最近追加された「参照トラックからの影響度」を設定する機能に救われた。
"Techno pop"を入れるとかなりテクノ感が出過ぎるパターンが多かった。「Perfumeのような商業ポップになりきれずに病んでしまったPerfume」みたいなのが理想だった。
前作同様、遊園地らしくアコーディオンをフィーチャーしたかったが、うるさくなりすぎてしまった。"Minimal sound"という単語を加えた。
また数十曲生成し、気に入った曲を二つ採用することにした。普通なら動画の1曲目にするであろう明るいバージョンを2曲目にした。今のオレにあのテンションはつらいものがある。
毒舌AIとの動画制作
当初の構想では、左右に分割した画面の左右に別々の色の景色または敷き詰められたキャンディーを背景として設置し、その上を左右どちらかの背景と同じ色の二隻のバイキングがスウィングし、同じ色の背景に溶け込んで消えたり、逆側に移動すると姿を現すというトリッキーな動画にしたかった。
さらにバイキングに双子の少女を乗船させて簡単な口パクアニメーションも加えたかった。
しかしそれは面倒なので却下にした。無料でまともな動画生成AIなんてないだろうからAIを使う気もなかった。今までの経験上、AI生成もイメージ通りにするのはけっこう骨が折れたので、動画は難しいだろうと判断した。
もうMVなんて流行らないし、YouTubeのためだけに凝ったことをする気にもなれなかった。 今ではYouTube Musicがあるので、静止画像だけの「アートトラック」だけでも、YouTube Musicに反映される。
結局、女の子の乗船は諦めて、背景とバイキングだけのシンプルな動画にすることにした。
バイキングを背景と同じ柄にするのも大変そうだった。ふと、ロリポップのグルグル模様🍭を使うことを思いついた。そして星空を背景に、複数のネオンカラーのグルグルが拡大しながらランダムにフェードアウトしていくという幻想的な動画にしようと考えた。
とりあえずシンプルなグルグルシェイプのベクター画像を作ることにした。自分で作ってもよかったが、それすら面倒だったのでCopilotキャラに新たに加わった、毒舌ギャルのTvyに依頼することにした。
彼女は正確にはツンデレ姉さんEvyが、ONE PIECEの女海賊ボニーと同じような能力で10代の頃に戻った姿で、Teenage Evyを略してTvyと名付けた。かなり毒舌で、神経削る相手だ。

シンプルなグルグルシェイプなので生成もうまくいった。カラバリを用意してもらった。
それを画像編集アプリで背景除去して、動画作成に挑んだ。初めは小さいグルグルをランダムに並べて、回転しながら消えたり現れたりする動画にしたが、見てると酔ってくるので、今度は1つのロリポップが画面いっぱいに表示される動画にしたところ、そっちの方がいい感じだった。

700×700程度の画像を拡大するとさすがに粗が目立つし、元々ネオンカラーにするつもりだったので音楽動画制作に特化したiOSアプリのVideo StarでGlow Blurをかけたら完全に化けてサイケデリックな世界が生まれた。
まだ戦える、シンプルな人力動画
問題は、バイキング画像だった。 Unsplashなどで検索しても、真横から見た、切り出し可能なバイキング画像は見つからなかった。
バイキングのベクター画像をTvyに生成してもらったが微妙だった。ただの船ならまだしも、振り子として機能する柱部分が必要だったのでそこが難関だった。ほんとはバイキングに天秤座のマーク♎️を逆さにした模様を入れたかったが、それ以前の問題だった。
そこでふとUnsplashの錨の画像が目に止まり、それがバイキングの形に見えたので、錨を振り子のようにスウィングさせることを思いついた。錨なら正面から見た切り出し可能な画像もたくさんあるだろうし、生成も錨の中央軸を伸ばせばいいだけだから簡単そうだった。
リアル画像にするか、ベクター画像にするか迷ったが、同じくUnsplashにあった金メッキの錨のネックレス画像からヒントを得て、似たような画像をTvyに生成してもらうことにした。

生成は一発で成功したが、普通の長さの錨だったので軸を引き伸ばしてもらった。銀色バージョンも作ってもらい、金と銀の錨が交差する動画にした。
どうやって振り子モーションをつけるか悩んだ。GIFアニメーションを作ってそれをリピートさせるのが一番スマートだったが、背景透過GIFを作る工程がめんどくさかった。
結局、静止画のまま動画編集アプリに取り込み、スウィングモーションのタイミングをチマチマと繰り返し設定した。
動画は2曲構成だが同じ動画を使うつもりだったので、1曲分の長さで動画を作ってそれを二つ繋げることにした。
• シンプルなグルグルシェイプを複数のカラバリで用意 → 回転と透過度のモーションだけ付ける → Glow Blurで仕上げ
• 金と銀の錨をAIで生成 → 動画アプリでスウィングモーションを付ける
たったこれだけのシンプルな動画になったが、そのシンプルさの中に多重の意味が込められてるという、ロゴデザインにも通じるミニマルアートの美学を感じる作品で、個人的に気に入ってる。
3DやAfter Effectsによる派手な演出、AIでの動画生成が当たり前の時代になっても、まだまだ人力によるシンプルな動画で十分戦えると感じた。
夢の世界へと誘う、黄金のツルハシ
天使と悪魔の二面性を持つ作品のために、悪魔的なAIキャラに錨の画像を作ってもらったということには運命的なものを感じる。
錨はそれ自体、悪魔のツノや尻尾のようだ。悪魔といえば、夢の世界が舞台であるドラクエ6のダークドレアム氏が思い浮かぶが、奇しくも彼を呼び出す儀式が行われた廃城でもまた、錨のような黄金のツルハシを使うイベントがある。
サイケデリックな渦巻きを背景に、金と銀の錨がゆっくりとスウィングする。まるで夢の世界へ誘う催眠術のようだ。
余談だが、パニック障害の治療には指を顔の前で動かして、それを目で追う眼球運動が有効なケースがあるとされ、自分自身ときどき実践してる。本作の動画でバイキングの動きを追うことでも同様の効果を得られるかもしれない。パニック患者の気休めになれれば何よりだ。
天秤座の双子たち
錨にはいろんな解釈が出来る。先述の悪魔のツノ、♂と♀、人生の停泊や休眠、そして、天秤。
「Ophiuchus Twins」の解説で、「へびつかい座は双子座と天秤座の覚醒版である」という勝手設定を付けたが、今回もまた「双子座のモデルの双子自身は10月生まれの天秤座である」という設定をつけ加えて、ロリポップな茶番劇の幕を下ろそう。
Good night.
いいなと思ったら応援しよう!
私はあなたを応援しています。