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【石垣島だより:号外】瞬間風速40m弱の恐怖から学んだ、命を守る「最強の台風対策」と目から鱗の生活の知恵

今回は先日(7月11日)に、石垣島を襲った「台風9号」のリアルな体験談をお届けします。
実は今回の台風、事前の予想では「瞬間風速70メートルで石垣島直撃か」と言われ、島全体がかつてない緊迫感に包まれていました。私にとっては移住後初めての大型で猛烈な台風。結果として進路が少しズレたため、石垣島は大きな被害を免れましたが、宮古島や多良間島では深刻な被害も出てしまいました。
この緊迫した数日間を通じて、地元の先輩たちから教えてもらった「本当に役立つ台風対策」や、実際にやってみて感動した「目から鱗の生活の知恵」がたくさんあります。
これから沖縄への移住を考えている方はもちろん、本州で台風や災害への備えを見直したい方にも、ぜひ知っていただきたい知恵をシェアしたいと思います。

1.なぜ明暗が分かれた?知っておきたい台風の「右側」と「左側」

今回の台風9号は、石垣島と宮古島の間を通過していきました。このルートが、実は両島の被害の大きさを大きく分けることになったのです。
学校の理科の授業で習った記憶がある方もいるかもしれませんが、北半球の台風は必ず「反時計回り」に渦を巻きます。そのため、台風の進行方向に対して「右側(東寄り)」は、台風自身の風の強さに移動速度がプラスされるため、風雨が猛烈に強くなります。これを「危険半円」と呼びます。
逆に、進行方向の「左側(西寄り)」は、風の向きと移動速度が打ち消し合うため、いくらか風が弱まる傾向があります。これは「可航半円」と呼ばれています。
「可航」と呼ばれるのは、大昔の航海では、台風に巻き込まれかかった船は、可航半円から台風の外への脱出を図ったからなのだそうです。もちろん今の船はそもそも台風には近づかないようにしますから、あくまでも昔の話です。
今回は、宮古島が台風の「右側(強い方)」に入り、石垣島が「左側(弱い方)」に入りました。最大瞬間風速を見ても、宮古島が40メートルを超えたのに対し、石垣島は36メートルほど。わずかな進路のズレでこれほどの差が出るのは、自然の脅威であり、知っておくべき科学の法則ですね。

ベランダの物はすべて室内に入れて、ネットを二重に張りました

2.【必需品】 知られていない「暴風ネット」の本当の効果

沖縄の台風対策といえば、ベランダなどに張る「暴風ネット」が有名です。
もともと私は防風ネットを1枚持っていましたが、2006年の歴史的ともいえる猛烈台風(台風13号)を経験した先輩のアドバイスにしたがって、慌ててホームセンターに駆け込んで、ネットを二重に張ることにしました。
吹き返しの南風が海側から猛烈に吹き付けたとき、窓越しにベランダを見て驚きました。ネットが信じられない勢いで風をはらんで動いていたのです。
よく天気予報などでは、気象の「専門家」が「暴風ネットは飛来物よけです」と説明していますが、そういう人は専門家と言っても沖縄の強烈な台風の体験のない人でしょうね。
確かに防風ネットには飛来物除けの効果もありますが、実はそれだけではありません。
暴風ネットには「風の力を劇的に弱める効果」があるそうです。特に二重に張ることで、部屋にぶつかる風の塊を細かく分散してくれます。
私のマンションには雨戸がありませんが、ネットのおかげでガラス窓がガタガタと鳴ることもなく、静かに過ごすことができました。沖縄での暮らしにおいて、このネットは単なる道具ではなく「命を守る必需品」だと確信しました。

電池式ランタン

3.停電・断水に備える!現代の生活の知恵と「昭和の母」の知恵

台風で最も恐ろしいのは、電気や水道などのライフラインが止まることです。今回、私が実践したポイントを3つご紹介します。
① ランタンは「充電式」より「電池式」が強い
最近はUSB充電式のLEDランタンが人気ですが、停電が長引いてバッテリーが切れたとき、再充電する手段がありません。また、再充電できたとしても時間がかかるので、その間は暗い中での生活になります。万が一の長期戦を勝ち抜くには、やはり「電池(単三や単四)を入れるだけで動くランタン」を常備しておくのが一番安心です。
② 母から学んだ「お米を炊いておく」知恵
私は幼少期、神奈川県の湘南海岸のすぐ近くに住んでいました。
台風が近づくと、私の母が決まってやっていたのが「電気が通じているうちに、ご飯をたくさん炊いておくこと」でした。 母は、それでたくさんのおにぎりを作っていましたが、おにぎりにしなくてもごはんのままでもかまいません。
非常食としてカップ麺や冷凍食品を用意していても、電気が止まれば電子レンジも使えず、お湯を沸かすのにも苦労します。
でも、ご飯さえ炊いておけば、最悪それだけで1〜2日は生き延びられます。昔の親の知恵は、現代でも最強の防災術でした。
③ 浸水をシャットアウトする「ペットシーツ」の神ワザ
沖縄の台風は強い風の中で雨が降りますから、雨は風に押されて「横から」降ってきます。
横殴りの雨は、窓のサッシやそのレールのわずかな隙間からジワジワと部屋の中に侵入してきます。他そのまま放っておけば部屋が水浸しにもなりかねません。
多くの方は、隙間に新聞紙やタオルを詰めるのですが、それだと水をうまく吸い取らないこともあって、効果が十分でありません。
移住して長いある先輩に教えてもらったのが「ペット用のトイレシーツを棒状に丸めて冊子のすき間を埋める」という方法です。
吸水力が抜群で、どれだけ雨が吹き付けても部屋を完璧に守ってくれました。終わったらそのままゴミ箱に捨てるだけ。ペットを飼っているご家庭なら常備されていると思うので、これは本当におすすめです!

ケルヒャーのバッテリー式洗浄機

4.台風が去った後の「石垣島あるある」と塩害対策の救世主

台風が通り過ぎた翌朝、マンションのあちこちから一斉に「水の音」が聞こえてきました。住民の皆さんが一斉に、窓やエアコンの室外機、車を水で洗い流し始めたのです。
島では、台風の後に付着した塩分をすぐに洗い流さないと、あらゆるものが「塩害」で錆びて壊れてしまいます。
しかし、みんなが一斉に水を使うため、今度は市役所から「このままでは断水になるので節水してください!」というLINE通知が届くのが、いつものお決まりのパターン(石垣島あるある)です。
私は共用廊下側の窓や室外機など、水道ホースが届かない場所の洗浄に、SUPボードを洗うために持っていた「ケルヒャーの充電式モバイル洗浄機」を使いました。バケツの水を汲み上げてコードレスで使えるため、大活躍!これまで趣味で使っていた道具が、思わぬ形で防災・減災に役立ってくれました。

おわりに:台風は自然の恵み、そして大切なお知らせ

初めての大型台風を経験し、自然への畏怖の念を抱くとともに、台風には地球にとって大切な役割があることも学びました。
海水を豪快にかき混ぜることで、上昇しすぎた海水温を下げ、地表の気温をコントロールしているのです。石垣島では、「台風が来ない年は暑い」と言われることもあります。
また、海水温を少し下げることで、サンゴの「白化現象」を防ぐという効果もあります。
そういう点では、台風は、美しい海を守るための大切な恵みでもあります。自然のサイクルを受け入れながら、これからもこの島と付き合っていきたいと思っています。

最後に、皆さんへお知らせがあります。 私の新しい本『「二つの人生」を生きるための経済学再入門〜人生百年時代の新戦略〜』(慶應義塾大学出版会)の発売日が、8月5日に決定いたしました!
これからの「人生100年時代」をどう豊かに生き抜くか、その新しい戦略を経済学の視点から分かりやすく解き明かした一冊です。まもなくAmazonでの予約も開始されますので、また改めてご案内させていただきますね。ぜひお手に取っていただけると嬉しいです。


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佐々木宏夫 いつもお読みくださり、また温かい応援をいただき、心から感謝申し上げます。 頂戴したご支援を励みに、次の記事の構想を練りたいと思います。 愛犬ブランとの散歩中に、記事のアイデアが浮かぶことも多いので、頂戴したご支援の一部は、ブランのおやつ代にさせていただきたいと思います🐶