【"不正/不祥事の解説シリーズ"連載開始】インシデントを未然に防ぐ!
こんにちはHIROです。米国でGRC/内部監査に特化したコンサルファームの代表をしています。
このシリーズでは、公認不正検査士/公認内部監査人の私が世の中の不正や不祥事といったインシデントを分かりやすく解説します。数多くの内部監査で企業内部の実態を知り尽くした私が実体験も交えながら解説するので、非常に参考になると思います。
今日はシリーズ開始の予告として、このテーマを取り上げた背景などについてお伝えします。
1. なぜ「不正・不祥事解説シリーズ」を始めるのか?
1.1. 不正や不祥事は「どの企業にでも起こり得る」
皆さんは「不正」や「不祥事」と聞くと、どこか遠い世界の話に思えませんか?
でも実は、これは特別な誰かだけの問題ではありません。
企業で働く以上、誰もが「リスク」と隣り合わせに生きています。
私自身、公認不正検査士(CFE)として、そして公認内部監査人(CIA)、公認情報システム監査人(CISA)として、これまで数多くの現場を歩いてきました。
特に海外子会社の監査で訪れた拠点では、毎回のように「あり得ない」と思うような不正事例に出会いました。
そこから強く感じたこと。
それは、不正は偶然ではなく、「必然」で起きている、という事実です。
1.2. 「氷山の一角」に過ぎない現実
ニュースに取り上げられる不正事件は、実はごく一部です。
私たち専門家が企業を診断する際に目に映るのは、その何倍もの未公表事例。
企業内にとどまって表に出ない、隠れた不祥事が山のように存在しています。
例えば、ある海外子会社の監査で遭遇したケースでは、管理職による着服が何年にもわたって続いていました。また品質不正などにも遭遇しています。
それらの事例のほとんどは世間には公表されていません。世間に公表すると企業価値が大きく低下する極めて重大なリスクとなるため、公表義務がある一部の会計不正等を除き、社外に公表せずに内部解決しているケースが9割以上を占めます。
内部統制が適切に機能していれば、防げたはずの事案。
けれど、リアルな現場では「起きてしまってから慌てる」ケースが後を絶たないのです。
2. このシリーズを通じて伝えたいこと
2.1. 「事前防止」が何よりも重要
不正や不祥事が起きてしまった後では、企業にとって膨大な損失が発生します。
金銭的損害だけではありません。
ブランドの毀損、社員の士気低下、取引先からの信頼喪失――。
一度壊れた信用を取り戻すには、何年もの歳月が必要です。
だからこそ、不正は「起きる前」に防ぐ。
そのためには、内部統制をしっかり整備し、リスク感度を高め、社員一人ひとりが自分ごととして捉える文化を育てることが不可欠なのです。
このシリーズでは、そうした視点から、私自身のリアルな体験や知見を交えてお届けします。
2.2. 「難しい話」を、分かりやすく噛み砕く
不正リスクや内部統制と聞くと、「専門的で難しそう」と感じるかもしれません。
実際、専門用語が飛び交い、一般の方には馴染みづらい世界でもあります。
でもご安心ください。このシリーズでは、専門家以外の方に向けてできるだけわかりやすい言葉で説明していきます。
ときには、例え話も交えて。たとえば不正リスクを「体の免疫力」にたとえたり、内部統制を「家の防犯システム」にたとえたり。
そんな工夫をしながら、楽しく学べるコンテンツにしていきます。
3. 私自身が見てきたリアルな現場
3.1. 海外監査で目撃した「不正のリアル」
私はこれまで、延べ15か国以上、100社以上への内部監査・コンサルティングを手がけてきました。
アメリカ、インドネシア、タイ、中国、イタリア、ルーマニア…場所は違えど、そこで目撃した不正の構造には驚くほど共通点がありました。
例えば、
キックバック
賄賂の授受
経費の私的流用
在庫や資産の横領
これらは決して「悪人だけ」の問題ではありません。
環境さえ整えば、誰もが不正に手を染めてしまう可能性があるのです。
「うちは大丈夫」と思っている企業ほど、危ない。
これが、私が痛感したリアルです。
3.2. 不正が起きる組織の特徴
現場を見てきた経験から、不正が起きやすい組織にはいくつか共通点があると感じます。
ガバナンスが弱い
内部監査機能が形骸化している
経営層が現場のリスクを軽視している
海外子会社の経営を放任している
こうした土壌があると、不正は水を得た魚のように拡がっていきます。
だからこそ、リスク感度を持った内部監査が必要なのです。
4. このシリーズが目指すゴール
4.1. 企業の健全な発展を支えるために
私はこのシリーズを通じて、ただ不正を暴くことを目的にしているわけではありません。
最終的なゴールは、企業の健全な発展を支えること。
そのために、不正リスクに対する感度を高め、内部統制を「生きたもの」として機能させるヒントをお届けしたいのです。
健全な企業こそが、社員の幸せを生み、社会全体に貢献する。
その好循環を、少しでも後押しできたら。
そんな想いで、このシリーズを書いていきます。
4.2. 一緒に学び、考え、変えていきたい
このシリーズは、私一人の発信で終わらせるつもりはありません。
読者の皆さんと一緒に学び、考え、そして実践へとつなげていきたい。
「こんなテーマを深掘りしてほしい」
「うちの会社で役立ちそうな話が聞きたい」
そんなリクエストも大歓迎です。
一緒に、未来のリスクを未然に防ぐ力を育てていきましょう。
この記事は、私個人の専門家としての継続学習のため、また読者の方々の学習のために投稿しています。「いいね」や「フォロー」で応援いただけると励みになります。それでは、次回の記事でお会いしましょう!
