10-6 赤星がお店に置いてあるなら飲まねばならない
居酒屋通やビール通を見分けるために「赤星(あかぼし)ってなに?」と聞けば一発です。赤星を知らずして居酒屋通やビール通は名乗れないと言ってもいいでしょう。日本のラガー界において避けて通れない銘柄の一つです。
赤星とはサッポロラガービールの通称で、ロゴに大きく輝く赤い星がその由来です。現在は毎年のように缶で限定発売されていますが、長らく業務用の瓶ビールで提供され大衆居酒屋を中心に根強い人気を誇ってきました。
赤星飲むならやっぱり瓶じゃないとねってことで、今回は銀座6丁目にあるらーめん松富(まつとみ)さんにお邪魔しました。


松富さんでは赤星(中びん 550円 税込)や缶チューハイは、店の入口横にある冷蔵庫の中から自分で取り出し、栓を抜いて冷蔵庫内にあるグラスと一緒に席に着くというセルフサービススタイルなのが、また良いです。赤星って大衆居酒屋や町中華には欠かせないアイテムの一つで、セルフかつ手酌でやれないと雰囲気が半減しちゃいますね。
赤星をグラスに注ぐと、薄くて明るい金色です。最近のクラフトビールに見慣れていると、薄まってるビールなんじゃないかと思うくらいの薄くて明るい金。
香りはあまり感じないですが、ちょっとしてから焼いた食パンのような風味がやってきます。優しいホップの苦みがしっかりしていて、それがしっかり続いて逃げてくれません。飲み応えも十分にあるので、軽そうに見える見た目と違ってドンッとした質感で居座ります。
少し温くなると、今度は甘味が出てきます。だからといって変な香りが伴ったりはせず、お酒や料理が進んだ頃のちょうど良い口直しの役割もこなします。赤星は何役もこなしちゃう仕事できすぎビールです。昨今の人手不足な飲食店において本当に助かる存在でしょうね。もっと置いてくれ~


いつまでも口の中に優しい苦みがいる感じだから、何か欲しくなって食事も進みます。特製しうまい(2個 360円 税込)は味付けが濃くなくあっさりめなので赤星の苦味を和らげるのにちょうど良く、赤星もまたその苦味で料理の味わいを目立たせてくれます。

松富名物の担々麺(880円 税込)はとても辛旨く、しばらくすると汗が止まらなくなってきますが、これを爽やかに感じさせてくれる逸品です。汗を拭くハンカチを片手にどうぞ。
こういう味が強い担々麺相手には、赤星のしっかりした苦味がスパッと断ち切ります。一息付けてくれる赤星が、とても頼もしい相棒になります。

赤星が置いてある店は大体、店内は綺麗じゃないけど安くて美味い店だという認識を40代以上の方は持ってるのではないでしょうか。今風に言うと昭和感があってコスパ抜群って事になるんでしょうけど、ベテラン勢にとって赤星の味やスタイル、存在感は昔の、あの頃のままです。
飲食店に入ってメニューに赤星があるのを見つけたら、ぜひ頼んでみてください。赤星がいい仕事を見せてくれますよ。
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