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🌹65歳、バッハに何度目かの恋|エッセイ⑩



人生お供ツールとしてのピアノ

晩学ピアノの私だからこそなのか、生来のこだわり気質ゆえなのか、65歳になった今も、弾くことについてはとても前のめりな感覚を持ち続けている。
ありがたいことだ。
飽かず弾き続けていけるということは、”人生楽しんだもの勝ち”、だったり、”生きてるだけで丸儲け”、だったりをモットーとする私にとっては、最強の”人生お供ツール”を獲得したようなものだと感じている。

弾けないバッハは、ある


そんな私が、前のめりに弾いているのがバッハのインベンション。
う・・・インベンション・・?
と息を止めちゃった方もいらっしゃるでしょうか。
22歳で本格的にレッスンを受け始めて以来、色々な先生方にお世話になりました。20代の頃、どんな先生からもまず言われたのは
「バッハを持っていらっしゃい、2声のインベンション」

以来、もちろん2声、3声、平均律クラヴィーア曲集など、それなりに勉強させていただいてはきた。

もちろん、バッハについては他の作曲家同様、いえ、それ以上に、単純に好きなどという言葉ではくくれない作曲家だという理解もそれなりに持ち合わせてはいるつもりだ。
構造が明確に整理され、全ての音の動きが意味づけされる譜面の美しさ、メロディーメーカーでもあり、ジャズの世界にも引っ張りだこになる和声進行やリズム。

そんな私なりの理解の上に、なんとか少しでも音楽的に弾けはしないかと、ささやかな努力を試み続けても来た。30代、40代、50代・・・。明けない夜は無い。が、しかし。弾けないバッハは、ある。

二人の声、一人遊びの贅沢🥂


すっ飛ばして言えば、そんな私が今、インベンションを弾くのが楽しくてしょうがない。

バッハが楽しいって、何それ?
レッスンで泣く思いを経験された方はそんな一言も出てくるかもしれない。
これ又全省略してサクッと理由を説明するなら、弾ける実感が得られるようになったというところ。
「あ、弾ける・・・・。二声がちゃんと別々なニュアンスで弾けるってこういうことか。立体感、あるかも。それぞれ聴けるし、声部の歌い方をコントロールしながら二人分の仕事、ちゃんとできるじゃないの?!」

いや、なにはともあれ、とにかく楽しいの。
バッハを弾けることが。
生徒にももちろんレッスンしてきたし、何度も何度も弾いてきたはずのインベンション1番が、今、一番楽しく弾けるの。

背中を押してくれる、愛しのインヴェンション

全15曲のうち今は5曲をまとめて弾いています。
完成度をできるだけ上げる、というか、誰か素晴らしいピアニストの演奏を聴いているような感覚で自分の指から出てきたバッハを聴きながら弾けたら至福過ぎる。
グールドや、オラフソンのようにとは言わないけれど、望むは自由。
美しい音楽に向かってまだまだ歩き続けたい私の背中を押してくれる、愛しのインヴェンション。




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礒山久理/プロフィール
音楽好きな父の影響でクラシックを始め様々なジャンルのレコードを聞いて育つ。音楽教室講師を経て礒山久理ピアノ教室を主宰。生徒の心に寄り添い、楽しみながら上達するピアノレッスンを実践し多くの生徒を育てている。
30代よりバレエピアニストとしてのキャリアを重ね、「バレエとピアノの素敵な関係」「ブルクミュラーフェスティバル(2014年音楽之友社主催)」NHK「ららら♪クラシック」へ出演。又「ティータイムコンサート」等ソロピアニストとしても活動を継続。
「クロワゼ」等バレエ雑誌のほかメディアでの紹介多数。
ピアノを黒河好子、霧生トシ子、田中まり子、アキレス・デッレ・ヴューニュの各氏に師事。北海道教育大学、幼児教育専攻。メンタルヘルス協会心理カウンセラー資格保持。

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