春場所ニューカマー4年後
2015年春場所デビュー組の注目力士をその後を定点観測するこのシリーズも「4年後」になりました。まだまだ力士生活の先は長いでしょうが、そろそろ出世組は結果を出したい時期でもあります。
では、今年も彼らの出世ぶりを振りかえって見ましょう。
まずは同期の出世頭、御嶽海のこの1年から。

なんといってもハイライトは、7月場所、西関脇で13勝2敗で見事に幕内初優勝を飾りました。横綱陣不在の場所だったとはいえ内容もよく、大関昇進も時間の問題かと思わせました。しかし大関盗りに挑んだ9月場所は9勝止まりで失敗、さらに11月場所では負け越しで大関盗りは白紙に。年明けの1月場所は好調さを見せながらもケガで途中休場、そして先場所は再び負け越しと、ここのところブレーキ気味で、大関昇進レースでもとうとう貴景勝に先を越されてしまいました。しかし、この人はなぜか番付運が妙によく、負け越しても三役から陥落せず、すでに13場所連続三役在位。先場所も小結で負け越したのに、どうやら来場所も三役に残留できそうな見込みだ。この強力な番付運を、なんとか大関昇進に結びつけたいところだ。
次は北勝富士。こちらも一進一退の一年。

下位で大勝ちして前頭上位まで進んでは、上位の壁に跳ね返されるパターンが入幕以来続いていましたが、今年1月場所でついにその壁を突破して、3月場所では新三役の座を射止めました。これでブレイクするかと思ったのですが、新三役場所はまたも負け越しで、どうやら平幕に逆戻りになりそうです。そんな一年だったので、三賞受賞もなく、二桁勝利もたったの1場所とややガッカリな一年となりました。学生時代からのライバル御嶽海や、大関昇進した貴景勝にくらべてもポテンシャルでは上回ると思うので、そろそろびしっと結果を出してもらいたいところですね。
そして、苦難の一年となってしまった、宇良。

小柄な体格のハンデをカバーする、反り技など多彩な技術で、いちはやく人気ものとなっていましたが、昨年9月場所での負傷が長引き、5場所全休で番付は三段目まで降下。ようやく復活した9月場所では大勝ち、続く11月場所では三段目優勝を果たして幕下へ再帰し、復活の狼煙があがったと思われた矢先、1月場所で再び負傷してしまい3月場所は全休。うーん、この一年を棒にふった形となってしまいました。まずはケガを治すことですね。焦るな。
この三人の学生相撲出身組に対して、元ボディビルダーと異色の経歴を持つ朝山端あらため朝鬼神はどうだったか。

三段目突破に1年を要し、ようやく幕下昇進した昨年1月場所では負け越して三段目に1場所で陥落したものの、すぐに復活。5月場所は2度目の幕下昇進で6勝と大勝ちして一気に幕下定着をはたすかと思われたのに、その後は4場所連続の負け越しで、ふたたび三段目に後退。ボディビルで作り上げた体も、ようやく力士らしくなってきたんですがねえ。でも先場所は勝ち越して、さあ反撃開始ですね。
この同期には、カナダ出身の誉錦、インドネシア出身の琴安倍など外国籍の力士がいましたが、いずれもすでに引退。しかし、モンゴル出身の霧馬山は頑張って、ついに結果を出しました。

ご覧のとおり、学生相撲出身の北勝富士、宇良に負けず、初土俵以来わずか4場所での幕下昇進をはたしましたが、その後は足踏み。2016年は幕下と三段目のあいだをウロウロし、しかし11月場所以降は幕下に完全定着。その後も勝ち越し・負け越しが交錯する幕下生活。5月場所には幕下優勝をはたしていよいよかと思いきや上位でまたしても足踏み。それでも今年1月場所では幕下筆頭で勝ち越して、ついに関取昇進を果たしました。学生相撲トリオ以外では関取一番乗り。そしてその新十両場所でも見事に勝ち越しました。さあ、次は幕内へ向けての勝負です。
さて、この2015年3月場所デビュー組の同期は43人。
このうち、初年度の2016年1月場所までに引退してしまったのが9人。次年度は7人、その翌年は2人、そしてこの1年(2018年3月場所から2019年1月場所)にも2人が引退したので、計20人が土俵を去ったことになる。
残る23人の出世ぶりを見ると、現時点での最高位が幕内なのが3人、十両が1人、幕下が2人、三段目が9人、序二段が8人となっている。
われわれが傍目から見ていると、どうしても出世の早い力士が目につくせいで、4年もすると皆が皆、幕下くらいまではするする出世している気がするが、じっさいはご覧のとおり、幕下まで到達するのもたいへんな世界なのである。
さて5年目となり、そして新元号下での最初1年で出世レースはどうなるのか。楽しみに見守りたいものだ。
では2020年3月場所後に、またお会いしましょう。
