史上最強の年間最多勝 2019
2019年納めの九州場所の初日が近づいてきました。新番付も発表されて、力士諸兄は最後の追い込みに余念がないものと思います。。
毎年この時期になると気になるのが、年間最多勝争いの行方です。
いちおう確認しておくと、年間最多勝の資格があるのは、年間6場所のすべてで幕内に在籍していることです(ちなみに正式名称は「最多勝力士賞」)
さて、この1年間の大相撲の総決算ともいうべき最多勝争い、去る秋場所まででの情勢はこうなっています。

太字になっているのが最多勝争いの有資格者、数字が赤色なのは幕内最高優勝、数字が入っていない薄アミの枡は十両以下だった場所。なお、名前だけあって記録がないのは、昨年はランクインしていたのに今年は圏外だった力士たちです(引退した稀勢の里らも含みます)
ご覧のとおり、現在トップは御嶽海と阿炎の45勝。
年間90番のうち、残すのは15番だけ。つまりこの時点でトップから15勝以上離されている力士は最多勝争いから脱落ということです。今年はけっこう混戦なので、完全脱落力士は錦木と栃ノ心だけ。
もっとも、現実問題として追いつけそうなのは5勝差くらいまででしょうか。そうみると、現在40勝の玉鷲、宝富士までの10力士の争い。
このなかに第一人者の白鵬の名前がないのは寂しいですね。全勝優勝があるのに脱落ですから。大関の高安も最多勝圏外。昨年の年間最多勝を獲得した栃ノ心が現在のところ最下位なのもガッカリです。
九州場所では大関獲りの話題もでてくる御嶽海、さて史上初の関脇連覇、そして年間最多勝獲得の三冠はなるでしょうか? また、横綱・鶴竜、大関・豪栄道が上位の意地を見せて逆転するのか? 期待の若手である朝乃山(九州場所は新三役)らが本格的に新時代の扉を開くのか?
それにしても、トップの御嶽海と阿炎のどちらかが仮に15戦全勝優勝を飾っても、年間勝ち星の総計は60勝どまり。このぶんだと、これまでの史上最少の年間57勝だった2017年(白鵬)、昨年の59勝(栃ノ心)に続いて3年連続の大台割れになりそうです。1場所平均10勝以下ですから、かなりのロースコアですね。
なぜこんなことに?
これまでは土俵の第一人者である横綱が不振に陥っても、誰かしらが大勝ちしてその穴を埋め、やがて次なる実力者が登場して第一人者の座を継承してきたものなのです。こうして見ると、大相撲現代史において、なんとなく繋がってきた強者の交代劇、第一人者のリレーが、いままさに途切れていることがわかります。
これはひょっとしたら、大相撲の危機なのかもしれません。
いや私は再三書いてきたように、いまは若手の実力拮抗による潰しあいの時期で、この中から白鵬を超える次なる第一人者が登場するものと思っているんですがね。
そんなこんなも含めて注目したい九州場所。初日は11月10日です。
大相撲/丸いジャングル 目次
【2019/11/17】 前半戦終了。6勝を上積みして50勝ラインに到達した朝乃山が単独トップに躍り出ました。場所前までトップに並んでいた御嶽海と阿炎はいまひとつ不調でここまで4勝4敗と伸び悩み。それでも朝乃山とはまだ1差の49勝。続くのは46勝の遠藤、45勝の北勝富士と明生ですが、ちょっと差が開いたので、最多勝争いは上位3力士に絞られたとみていいでしょう。白鵬はここまで7勝1敗、計44勝で猛追していますが、場所前までの差が大きかったので最多勝奪回は無理そうですね。場所前まで可能性を残していた鶴竜と豪栄道が上積みゼロで休場したので、今年の年間最多勝は横綱、大関以外になることは決定的。さあ後半戦はどんな展開になるでしょうか。
【2019/11/25】 千秋楽を終えて、2019年、令和最初の年間最多勝が決定しました。中日で単独トップだった朝乃山が最終的に11勝4敗でトータル55勝で初の年間最多勝を獲得です。とはいえ最高位・小結での受賞は史上初。勝ち星数も史上最少。いまの相撲界の混沌ぶりを示す結果となりました。2位も最高位・小結の阿炎(54勝) 3位タイに九州場所優勝でようやく滑り込んだ横綱・白鵬と、今場所は6勝9敗の負け越しで大関獲りが霧散した御嶽海でした。50勝を超えたのはこの4力士のみ。安定して好成績を続けられた力士がいなかった2019年でしたね。
