都合よく利用されるHSPを卒業する「論理的防衛術」
「職場で理不尽な要求ばかり押し付けられる」
「上司の機嫌に振り回されて、毎日すり減っている」
「相手の矛盾に気づいているのに、何も言えずに飲み込んでしまう」
もしあなたが、そんな生きづらさを抱えているなら。 世の中のカウンセラーや自己啓発本はきっとこう言うと思います。
「もっと自分を愛しましょう」
「傷ついたインナーチャイルドを癒やしましょう」
「相手のことも、優しく受け入れてあげましょう」
――正直に言うと、それはもぉとっくにやりました。
自己啓発本もアダルトチルドレン関連の本も、読めるだけ読んだ。
それでも、不安神経症になった。本代だけが静かに散っていった。
そういう綺麗事は、ルールなんて都合よく破っても平気な人、声の大きい人が押し通ってしまう現実の職場では、正直1ミリも役に立たない。
それどころか、「相手に寄り添えば、きっとわかってくれる」というこちらの誠実さにつけこまれて、都合よく利用されるだけだったりする。
あなたに今、本当に必要なのは「心を癒やす優しい言葉」じゃなくて、理不尽を静かに見極めて、自分の境界線には踏み込ませないための【論理的防衛】という考え方かもしれません。
1. なぜ、あなたの「優しさ」は報われないのか
あなたが傷つき、すり減り続けているのは、あなたが悪いからでも、能力が低いからでもありません。「優しすぎるから」です。
――優しいなんて思ったことない、という人もいると思う。
私も、以前の記事に書いた通り、自分を優しい人間だなんて微塵も思っていなかった。
でも「ルールを守る」「困っている人には手を貸す」というような、ごく当たり前の倫理観。それすらも、「ルールはバレなきゃOK」「自分さえよければOK」という考え方の人から見ると、「優しい」=「都合のいい人」に見えてしまう。
世の中には、他人の罪悪感や共感性を、うまく利用しようとする人が確かにいます。機能不全な家庭や、いわゆるブラックな職場では、こんな「見えない呪い」をかけてくることがあります。
「あなたのために言ってあげているんだ」(支配の正当化)
「これくらいやって当然でしょう」(限界値の搾取)
「あなたがそんな態度だから、こっちだって言いたくもなる」(責任のすり替え)
私も、似たような入り口から始まりました。
私が働いていたのは、外国人の実習生を受け入れるための、非営利の組合のような組織でした。この手の組織を作るには、実は「常勤の職員が最低1人はいること」という条件があります。
でも私が入った時点で、その「常勤職員」の枠は、上司Aの身内(同僚Dとします)が名前だけ登録されている状態でした。実際には、ほとんど出勤していない。それでも、給料はちゃんと支払われている。誰もそれを不思議だと思っていないし、聞けば「まぁ、そういうものだから」で終わる空気がありました。
つまり私は、入社した瞬間から、「本当は誰もいないことになっている組織」を、たった一人で回す立場に置かれていたわけです。
これに対して、感情や誠実さで向き合おうとすると、余計に消耗する。言い返しても、謝っても、黙っても、なぜか毎回、頭が重くなって、家に着く頃にはぐったりしている。そんな経験、ありませんか。
理不尽な相手に、感情で言い返してはいけません。必要なのは、冷静に筋道を立てて考えることです。
2. 呪いをほどく「論理的防衛」という生存戦略
私自身、決して穏やかではない環境を生き抜いてきました。
話が通じない、期限を守らない、言ったことを平気で忘れる、無茶な要求を押し付けてくる……挙げていったらきりがない。
そんな中で、心を殺さずにどうにか生き延びるために身につけたのが、この『論理的防衛』という考え方です。
相手の言動を、感情を挟まずに、一歩引いて「構造」として見る。矛盾を筋道立てて解きほぐし、「これは相手の問題であって、私の問題じゃない」と、静かに線を引く。
具体的にやっていたのは、たとえば「記録を取る」ということでした。
最初は、本当にただの業務日誌でした。
「〇時に電話対応」「メール送付」「申請書作成」くらいの、簡単なメモ。
でも、理不尽なやり取りが増えるにつれて、そのメモの中身は少しずつ変わっていきました。誰が、いつ、何を、どんな言い方で言ったか。「これはまずいな」と感じたメールは、忘れないうちに、仕事の合間を見つけてすぐ保存する。メモも、手の空いた時間か、終業時刻の5分前と決めて、必ず書く習慣にしていました。
正直、気が休まる時間ではなかったです。でも、この地味な積み重ねが、後になって自分をちゃんと助けてくれることになる。当時の私は、まだそこまで見えていなかったけど。
「冷たい」「理屈っぽい」と言われることもあるかもしれません。でも私にとっては、これが自分という存在を守り抜くための、たったひとつの生存戦略でした。
『論理的防衛』は、誰かを攻撃するための武器じゃありません。大切な自分を、理不尽な相手からそっと引き離しておくための、いわば「距離の取り方」です。
相手の矛盾を見抜く目と、感情に流されない考え方があって、はじめて私たちは、本当の意味で安心できる場所を持てるようになります。
3. 「優しさの呪い」をほどいた、その先へ
もしあなたが、「もう誰かに自分の人生を差し出したくない」「理不尽な人に心をすり減らす毎日を終わりにしたい」と、少しでも思っているなら。
まずは、「優しくあらねば」という思い込みを、少しだけ横に置いてみてください。相手が仕掛けてくる理不尽の構造を静かに見極めて、自分を守るための考え方を、少しずつ準備していきましょう。
では、具体的にどうやってこの「論理的防衛」を頭の中に作って、実際の場面で使っていくのか。
他人の理不尽を無効化するための考え方、そして職場で主導権を握らせないための、具体的な思考の型と会話のコツ。
私が実際の毎日の中で身につけて、自分を守り抜いてきた【論理的防衛の実践マニュアル】を、次回、具体的なステップとしてお伝えします。
もう、誰かの機嫌のために、自分をすり減らす必要はありません。
この考え方を味方につけて、自分の人生を、少しずつ取り戻していきましょう。
次回の更新、楽しみにしていてください。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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