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リリスを抑えすぎたときの歪み──いい人でいようとした先で、奥がねじれてしまうとき

ブラックムーンリリス(リリス)って、
占星術では“説明のつかない欲”や“抑えてもにじむ衝動”にふれやすい場所やねん。
だから、ときどき“出すと危ないもの”として扱われやすい。

欲。嫉妬。執着。
思い通りにしたい気持ち。
触れたいのに、壊したくもなる衝動。
見られたいのに、見抜かれたくない矛盾。

たしかに、
そのまま無自覚に出したら、しんどくなることもある。

でもね。
ほんまに怖いのは、
出しすぎることだけじゃない。

抑えすぎることでも、
人は歪む。

今日はその話をするね。

抑えたものは、消えない

これ、リリスの話ではかなり大事。

抑えた欲は、なくなるわけじゃない。
見ないふりをした衝動も、消えてない。
ただ、表から見えへんところに沈むだけやねん。

で、沈んだものって、
そのまま静かに眠ってくれたらええけど、
たいていは別の形で出てくる。

たとえば、

  • 妙に相手を試したくなる

  • 素直に甘えられず、冷たくなる

  • 欲しいのに「別にいらん」と言ってしまう

  • 強く惹かれてる相手ほど雑に扱ってしまう

  • “ちゃんとしてる自分”を守るために、裏でしんどくなる

これって、
性格が悪いとかやなくて、
奥に押し込めた熱の出方が
ねじれてることがある。


「そんな欲はない」は、いちばん危うい

リリスを抑えすぎてる人って、
自分の中の欲に対してすごく厳しいことがある。

嫉妬なんてしてはいけない。
執着なんてみっともない。
独占したいなんて幼い。
からだが先に反応するなんて恥ずかしい。
こんなこと考える私はよくない。

そうやって、
“感じた事実”より先に
“感じた自分への裁き”が始まる。

でもその裁きが強いほど、
欲そのものは地下に潜って濃くなる。
ここ、しんどいところやねんけど。
押さえたものほど、見えない場所で力を持ってしまう。

表向きは平気そう。
理性的。
分別がある。
大人っぽい。

なのに、
ほんまに心を動かされた場面では、
自分でもびっくりするくらい不安定。

それは、急におかしくなったんじゃなくて、
ずっと抑えてたものが、出口を失って暴れてる
だけかもしれへん。


歪みは、たいてい“反対側の顔”で出る

ここ、おもしろいけど切ないところやねん。

リリスを押さえ込みすぎると、
その人はしばしば“逆のキャラ”になる。

ほんまは深く欲してるのに、無関心そうにふるまう。
ほんまは触れてほしいのに、近づかせない。
ほんまは独占したいのに、自由を尊重するふりをする。
ほんまは嫉妬でざわついてるのに、余裕ある顔をする。

で、その“できた人”の仮面が
ある日しんどくなる。

ちょっとした既読無視で崩れたり。
相手の何気ない一言で異様に傷ついたり。
急にどうでもよくなったふりをして関係を切ったり。
逆に、急に重たくなって自分でも止められなくなったり。

抑圧の歪みって、
ふだんは見えにくい。
でも、ほんまに揺れたときにだけ、
一気に輪郭が出る。


「いい人」でいるほど、奥が煮詰まる

これは特に、
ずっと“ちゃんとしてきた人”に起こりやすい。

人に迷惑をかけない。
重くならない。
相手の自由を尊重する。
空気を読む。
求めすぎない。

一見、すごく成熟してる。
実際、その姿勢に救われてきた人もいる。

でもそのぶん、
自分の奥にある

  • 本当はもっと欲しい

  • わたしだけ見てほしい

  • 離れてほしくない

  • からだごと惹かれてしまっている

  • こんな自分を見抜いてほしい

みたいな、
生っぽい願いをずっと後回しにしてしまう。

するとその願いは、
やさしく言葉にされる機会を失って、
だんだん濃く、重く、言いにくいものになる。

それが歪みのはじまりやねん。

欲が悪いんじゃない。
言える形のうちに受け取られなかったことが、
ねじれを生む。


リリスを抑えすぎると、“惹かれ方”まで不器用になっていく

これもある。

ここ、ちょっと痛い話かもしれへんけど。

自分の欲を認められへん人ほど、
まっすぐ愛してくれる相手ではなく、
少し難しい相手、
少し遠い相手、
少し傷つく相手に惹かれやすくなる。

なんでかというと、
“安心な関係”やと
自分の欲があらわになってしまうから。

ほんまに受け取ってくれそうな相手の前では、
自分の渇きや濃さが見えてしまう。
それが怖い。

そやから、
最初からまっすぐ満たされへん相手に行く。
追いかける恋、
曖昧な関係、
不安定な熱。
そういうものの中におるほうが、
自分の欲を“相手のせい”にしやすいから。

これ、本人はめっちゃ苦しい。
でも構造として見ると、
リリスを抑えすぎた結果、
安全に欲しがることができなくなってる
とも言えるねん。


からだにも歪みは出る

リリスは心だけやなくて、
からだの反応にもにじむ。

ほんまは惹かれてるのに、
気持ちより先に拒絶っぽくなる。
逆に、心ではまだ追いついてないのに、
からだだけ先に強く反応して戸惑う。
欲しいのに、欲しいと言えない。
気持ちいいのに、それを受け取るのが恥ずかしい。
安心してる相手ほど、力が抜けへん。

こういうのも、
単なる性的な話ではなくて、
“感じること”そのものに許可が出ていない状態。

リリスを抑えすぎると、
快感が素直に流れず、
恥・罪悪感・自己否定と結びつきやすい。

すると、
欲してるのに受け取れない。
受け取ったのに責めてしまう。
満たされたはずやのに、あとでしんどくなる。

このねじれ、かなり苦しいねん。


歪みは悪ではなく、「未回収のわたし」

ここ、責める話にしたくないねん。

歪んでる、って言うと
すごく悪いことみたいやけど、
ほんまはそうでもない。

それはたぶん、
置いてきた自分がまだ回収されてないだけ。

欲しがってはいけないと思ってきた自分。
嫉妬してはいけないと思ってきた自分。
濡れるような感情や反応を恥じてきた自分。
支配されたくないのに、
どこかで委ねたさも持っていた自分。

そういう“きれいにできなかった部分”を
長いこと置き去りにしてきたら、
どうしても少しねじれる。

でもそれは、
壊れてる証拠じゃない。
むしろ、
ほんまはそこに命があるってこと。


じゃあ、どうしたら歪みはほどけるのか

たぶん最初の一歩は、
直すことじゃなくて
認めること

わたし、嫉妬するんやな。
わたし、独占したいときあるんやな。
わたし、やさしいだけではおれへんのやな。
わたし、からだごと惹かれることがあるんやな。
わたし、ほんまは見抜いてほしいんやな。

これを、
いきなり誰かにぶつけなくていい。
行動に移さなくてもいい。

でも、
自分の中でだけは
なかったことにしない。

欲を野放しにすることと、
欲を認めることは、まったく別やから。

認められた欲は、
少しずつ言葉を持ち始める。
言葉を持った欲は、
前より乱暴に暴れにくくなる。


おわりに

リリスを抑えすぎたときの歪みは、
その人の弱さというより、
“ちゃんとしようとしすぎた痕跡”なのかもしれへん。

乱れないように。
欲しがりすぎないように。
重くならないように。
嫌われないように。

そうやって守ってきたものがあるからこそ、
奥がねじれた。

でも、
ねじれたまま終わりじゃない。

ブラックムーンリリスは、
危ない欲の印というより、
まだ自分の手に戻ってきていない熱の場所。

そこを“悪いもの”として封じ続けるんじゃなくて、
少しずつでも
「ここに、わたしの本音がいたんやな」
と見つけていけたら、

歪みはただの歪みではなく、
回収されはじめた自分の輪郭に変わっていく。

——ほしのりりす


次回予告

次回は、
ブラックムーンリリスを書きながら
どうしても避けられなかった場所について。

占星術師の私が、
なぜ“身体を通ってしまう感情”に触れようと思ったのか
――その怖さと、星が映してしまうものの精度を
静かにほどいてみるね。
(5/23 21時公開予定)

さらに、次々回は、
この熱が“からだの関係”の中で
どう深まり、どう絡まり、ほどけにくくなっていくのか
――リリスとセックスの“はまり方の構造”をほどいてみるね。
(近日公開)

あわせて読んでほしいnote

あなたの内なるリリスへ、さらに深く触れたいなら。
「ブラックムーンリリス」について書いたnoteも、そっと置いておきます。

12星座ごとの入口を軽く見たい方へ

読んでくれて、ありがとう。
あなたの中のリリスが、少しずつ言葉を持ちはじめますように。


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ほしのりりす🌙🌑感じるよるの占星術 読み終えて、なにかが残ってしまったなら── その余韻を、そっと返してもらえると、うれしいです。 わたしはまた、ひらいて書ける気がします。