訪問看護は2か所利用できる?複数ステーション利用の条件と医療保険・介護保険のルール
訪問看護を利用する際に「複数の訪問看護ステーションを併用することは可能なのか?」という疑問を持つ利用者や訪問看護ステーションの管理者は少なくありません。
この記事でわかること
医療保険と介護保険でルールが違う?
2カ所以上の訪問看護ステーションを利用するには条件がある?
同じ日に2つのステーションから訪問した場合、どの加算が算定できる?
このような制度の複雑さに戸惑うこともあるでしょう。
本記事では、訪問看護で複数の訪問看護ステーションを利用する場合のルールを、医療保険・介護保険の違いを整理しながら、算定可能な加算や注意点 を詳しく解説します。
1. 介護保険における「複数の訪問看護ステーションの利用」
1.1 介護保険では利用制限なし
✅ 介護保険では、ケアプランに組み込める範囲内であれば、複数の訪問看護ステーションを利用可能。
✅ 同日に複数回訪問看護を利用することも可能。
✅ 毎日訪問看護を受けることも可能。
介護保険の場合、基本的には「ケアプランの範囲内で訪問看護を調整できる」ため、利用者の状態に応じて複数の訪問看護ステーションを組み合わせることが可能です。
例えば、
訪問看護ステーションA:医療的ケア(胃瘻管理・吸引など)を担当
訪問看護ステーションB:リハビリ特化型ステーションとして訪問リハビリを提供
といった形で、利用者のニーズに応じた柔軟な対応ができます。
2. 医療保険における「複数の訪問看護ステーションの利用」
2.1 医療保険では「3つの原則」がある
医療保険においては、訪問看護の利用に以下の 「3つの原則」 があります。
✅ 1日1回まで
✅ 週に3回まで
✅ 1カ所の訪問看護ステーションのみ
この原則により、基本的には1つの訪問看護ステーションのみが利用できる 仕組みになっています。
しかし、一定の条件を満たせば例外的に複数の訪問看護ステーションを利用することが可能 になります。
2.2 例外的に2カ所以上の訪問看護ステーションを利用できるケース
医療保険で 「複数の訪問看護ステーションを利用できる」 のは、以下の条件を満たす場合です。
✅ 別表7に該当する疾患の利用者
✅ 特別管理加算の対象者(別表8)
✅ 特別訪問看護指示書が発行され、週4日以上の訪問が計画されている利用者
2.3 例外的に3カ所以上の訪問看護ステーションを利用できるケース
さらに、以下の条件を満たす場合は、3カ所以上の訪問看護ステーションの利用が可能 になります。
✅ 上記の別表7・別表8の利用者で、週7日の訪問看護が計画されている場合
例えば、ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの進行性疾患の利用者が、「毎日訪問が必要な状態」 である場合は、3カ所の訪問看護ステーションが関与するケースも考えられます。
3. 同一日に複数の訪問看護ステーションが訪問した場合の算定ルール
医療保険では、1日に2カ所以上の訪問看護ステーションが訪問することも可能 ですが、すべての費用が算定できるわけではありません。
3.1 1カ所の訪問看護ステーションしか算定できないもの
以下の加算は、同じ日に複数の訪問看護ステーションが訪問しても、
1カ所のステーションしか算定できません。
✅ 訪問看護基本療養費
✅ 訪問看護管理療養費
✅ 夜間・早朝訪問看護加算、深夜訪問看護加算
✅ 難病等複数回訪問加算
✅ 複数名訪問看護加算
✅ 乳幼児加算
✅ 特別地域訪問看護加算
✅ 緊急訪問看護加算(※届け出が必要)
3.2 例外的に同一日に2カ所の訪問看護ステーションが算定可能なケース
例えば、
1カ所目の訪問看護ステーションが計画に基づく訪問を実施した後、2カ所目の訪問看護ステーションが緊急訪問を行う場合 は、一部加算を請求可能です。
算定例
1カ所目の訪問看護ステーション
✅ 訪問看護基本療養費
✅ 訪問看護管理療養費
✅ その他加算
2カ所目の訪問看護ステーション
✅ 緊急訪問看護加算(2,650円)
※ 緊急訪問看護加算を算定するには届け出が必要。
4. 訪問看護ステーションが気をつけるべきポイント
訪問看護で複数のステーションを利用する場合、適正な運用と算定を行うために、以下のポイントを押さえておく必要があります。
✅ 訪問スケジュールの管理を徹底
複数のステーションが訪問する場合、訪問日程や役割分担を事前に調整することが重要。
✅ 指示書や計画書を適正に作成
医療保険では、特別訪問看護指示書や訪問看護計画書に「複数の訪問看護ステーションを利用する必要性」を明記する必要がある。
✅ 算定可能な加算を事前に確認
同じ日に複数の訪問看護ステーションが訪問しても、すべての加算が算定できるわけではないため、請求漏れや誤請求に注意。
✅ 医師・ケアマネとの連携を強化
複数の訪問看護ステーションが関与する場合、医師やケアマネージャーと連携し、訪問計画を適正に管理することが重要。
5. まとめ
訪問看護において、「複数の訪問看護ステーションを利用できるかどうか」は、医療保険・介護保険で異なるルールが適用されます。
✅ 介護保険では、ケアプランの範囲内であれば制限なし。
✅ 医療保険では「1日1回・週3回・1カ所のステーションのみ」が原則。
✅ 別表7・別表8の対象者、または特別訪問看護指示書が発行されている場合は、複数のステーション利用が可能。
✅ 同じ日に複数の訪問看護ステーションが訪問した場合、算定できる加算には制限がある。
訪問看護ステーションの適正な運営のために、制度の正しい理解と管理を徹底しましょう。
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