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なんかしらんけどようなる臨床① ― 患者さんが教えてくれたこと ―

「先生のおかげで、なんかようなりましてん」

退院の日、患者さんがそう言ってくれたことがある。

正直に言うと、
何をしたのかと聞かれると、よくわからない。

特別な技術を使ったわけでもない。
すごい訓練をしたわけでもない。

ただ、

「今気がかりなことってどんなことですか?」「どんなことで一番お困りですか?」
「どうなったらひとまずOKですかね?」

そんなことを聞きながら、
リハビリ(正直軽く整えるくらい)をして、
話を最後まで聞いていただけだった。

それでも患者さんは言う。

「なんか知らんけど、ようなりましてん」


学生で助手をしていた頃、患者さんから手紙をもらったことがある。

そこにはこう書いてあった。

「ラブレターを書いた気持ちです」

びっくりした。

もちろん恋愛の意味ではない。
でもそれくらいの気持ちで書いてくれたらしい。

また別の患者さんにはこう言われた。

「この先生、心のリハビリまでしてくれた」

そのとき僕は思った。

(え?そんなことしてたかな)
(まっ、少し苦労はしたかな🤔)

自分では特別なことをしたつもりはない。
でも患者さんは、そう感じてくれていた。


臨床を長くやっていると、
面白い瞬間がある。

言葉ではなくて、

表情がふっとゆるむ
・肩の力が抜ける
・空気がなんかやわらぐ

そんな瞬間。
僕はこれが一番好きな瞬間だ。

そのあとで患者さんが言う。

「なんか調子ええねん」と


かっこよく言うと

「気づきを促す臨床」

なのかもしれない。

でも僕はやっぱり、

「なんかしらんけどようなる臨床」

という言葉の方が好きなのであります。


続きます。

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