心に効くリハビリという仕事
少し前、ふと思い出したことがあります。
3年ほど前、公認心理師の資格を受けられるチャンスがありました。
心理の実務経験がある人のための経過措置の期間で、推薦してもらえれば受験できる可能性があったんです。
でも、僕は受けませんでした。
理由はいくつかあります。
その頃は結婚直前で生活が変わる時期でしたし、仕事も忙しくて勉強の余裕があまりありませんでした。
そしてもう一つ。
「もうOT持ってるしいいか」
そう思ったんです。
作業療法士として臨床をしていると、身体だけではなく、心や生活にも関わります。
患者さんの不安、痛みへの恐怖、やる気の低下。
そういうものに向き合うことは、毎日の臨床の中に普通にあります。
だから当時は
「心理の資格がなくても、やれている」
そんな感覚がありました。
それでも時々思うことがあります。
「あの時取っていたらどうだったかな」
後悔というほどではありません。
ただ、「あったら便利だったかもな」と思うことはあります。
肩書きは、信頼をショートカットしてくれることがあるからです。
でも最近、少し違う感覚も出てきました。
それは、臨床で本当に大事なことは
資格や知識だけではないのかもしれない、という感覚です。
作業療法士になって20年以上。
若い頃の僕は、技術をとても大事にしていました。
評価をして、原因を考えて、
正しいアプローチを選ぶ。
もちろんそれは今でも大切です。
でも臨床を続けていると、
少しずつ違うことに気づくようになりました。
患者さんから、こんなことを言われることがあります。
「先生の言うことは、なんかスーッと入ってくるんです」
でも正直に言うと、
特別なことを言っているわけではありません。
むしろ大事なのは、
話の内容よりも
**態度や声のトーン**
だと思うようになりました。
心理学では、言葉よりも表情や声の方が
人の印象に大きく影響すると言われています。
つまり患者さんが感じているのは、
言葉そのものではなく
「なんか安心するなぁ」
という感覚なのかもしれません。
安心できると、人は少し動き出します。
身体も、気持ちも。
リハビリの現場では、
心が少し前向きになると、身体も変わる場面をよく見ます。
逆に、不安や恐怖が強いと、
身体はなかなか動きません。
だから最近、こう思うようになりました。
僕の仕事は
作業療法士でもあり、
心理カウンセラーでもあるけれど、
そのどちらでもないのかもしれない。
もしかしたら僕の仕事は
**心に効くリハビリ**
なのかもしれません。
身体を治すためのリハビリの中に、
心に働きかける時間がある。
そして心が少し元気になると、
身体も少し動き出す。
そんな場面を、これまで何度も見てきました。
だから公認心理師を取らなかったことも、
きっと一つの流れだったのかもしれません。
資格の道ではなく、
臨床の中で少しずつ形になってきたもの。
それが
**心に効くリハビリという仕事**
なのかもしれません。
まだはっきりした形はありません。
でも、
なんとなく自分だけのオリジナルの道のような気がしています。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました😊
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