【Log.7-01】イケメン幽霊と本気の決闘(バトル)してみた
🧢〈 怪奇同好会へようこそ 〉🧢
~変人先輩と巻き込まれ俺の、受難な日々~
BLラブコメ×オカルト / 3話完結 / シリーズ連載中
「名前も分からないのに、なぜ運命の人?」 同好会の尋問でストーカー幽霊につけられた名前は「レイ」。ここから彼の現代への適応(暴走)が始まる!
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第1章:名もなき愛の詩
「それではこれから、尋問を始めます」
放課後の怪奇同好会部室。10月の肌寒さとは裏腹に、そこにはピリついた緊張感が漂っていた。
尋問官役の詩音は、パイプ椅子に座らせた「彼」を見下ろしている。
「あなたは誰?」
「自分は、二階級特進・海軍少尉であります」
「海軍少尉ね……。昨日は新撰組だったのに、なぜ今日は日本軍兵士なの?」
「それは自分にも分かりません」
ハキハキとしたバリトンボイスが響く。
本日のストーカー幽霊くんは、詰襟の軍服に軍帽を目深に被り、背筋をピンと伸ばして鎮座していた。精悍な顔つきは、映画俳優と言われても信じてしまいそうだ。
「で、お名前は?」
「それも分からないであります」
「名前も分からないのに、なぜあなたが悠斗の『運命の人』だと言い切れるの?」
詩音の冷静なツッコミに、食い気味で反応したのは真白先輩だ。
「そうだ! 貴様、いい加減なことを言いやがって!」
先輩は仁王立ちで腕を組み、親の仇のように幽霊を睨みつけている。しかし幽霊は動じない。軍帽のつばの下から、怜(さと)い瞳で先輩を一瞥し、そして――俺の方を見て、ふわりと優しく微笑んだ。
「それは、この胸に聞けば分かる」
「……っ」
俺は思わず息を呑んだ。
彼の手が、俺の胸元ではなく、自分自身の心臓のあたりに当てられる。
「溢れ出るこの熱い想い。間違いない。……愛しいこの顔を、忘れるわけがない」
幽霊が透き通った手で、俺の前髪をそっと撫でた。
冷たいはずの指先。けれど、なぜだろう。目の奥が熱くなるような、懐かしい温かさを感じて、胸がズキンと疼いた。
「そんなわけあるかあああ! 自分の名前も覚えてない奴が!」
いい雰囲気(?)をぶち壊すように、先輩が吠えた。
「ふん。問題などありませんね」
幽霊は鼻で笑い、詩的なことを言い放った。
「名前など取るに足らない。魂の前には、ただの記号に過ぎない」
「何をおおお!?」
「ふんっ!」
二人は「ムッキー!」と歯を剥き出しにして威嚇し合い、同時にそっぽを向いた。同レベルかよ。
詩音は呆れたように頬杖をついた。
「ねえ、とにかく『幽霊くん』じゃ不便だから、何か名前つけようよ」
「こんな奴! 名前なんていらん!」
「そうねえ……幽霊だから、『レイ』くんでどう?」
「レイくん……」
俺が呟くと、幽霊は何度か頷いた。
「うん。悪くない。では自分のことは以後『レイ』と呼んでいただこう」
「ふん! クソレイ」
「ふうん? 何ですか、クソ会長」
「部内喧嘩禁止!!!」
詩音の一喝が響く。
こうして、最強のライバル(幽霊)に「レイ」という名前がついた。
だが、それが全ての暴走の始まりだったとは、この時の俺は知る由もなかったのだ。
(続く)
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因習村の生贄に選ばれたんだが〜相手が変人先輩(男)な件〜
