【座談会】お金が貯まらない→ニュートンが2万ポンド溶かした話してきた【時空BBS:経済板】
ここは時空の掲示板です。次元の壁を越えて書き込み自由。荒らしは雷に打たれます。
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【相談】財布が軽い
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1:ナナシ ◆【現代/三十代】
すみません、お金の相談です。
給料が入ると気が大きくなって、深夜にポチって、月末に絶望します。
これを毎月繰り返してます。
どうすればいいでしょうか。
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2:二宮尊徳 ◆ニノミヤソントク【江戸/農政家】
お主、まず一つ問う。
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3:ナナシ ◆【現代/三十代】
お願いします
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4:二宮尊徳 ◆ニノミヤソントク【江戸/農政家】
お主の月の収入は、お主にとって、いくらまでなら使ってよい額か。
決めておるか。
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5:ナナシ ◆【現代/三十代】
……決めてないです
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6:二宮尊徳 ◆ニノミヤソントク【江戸/農政家】
それを「分度」と申す。
身の丈に合わせ、使ってよい上限を先に決めること。
分度を立てぬ者は、いくら入ってもいくらでも漏れる。
桶に底を入れぬまま水を汲んでおるのと同じだ。
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7:ナナシ ◆【現代/三十代】
桶に底がない
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【援軍】貧者リチャードより
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8:フランクリン ◆【北米/印刷工】
よお、若いの。
俺は『貧者リチャードの暦』って本を出してた男だ。
こういう話には黙っていられん。
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9:ナナシ ◆【現代/三十代】
ベンジャミン・フランクリンですか
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10:フランクリン ◆【北米/印刷工】
そうだ。一つ目を進呈しよう。
「節約した一銭は、稼いだ一銭である」
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11:二宮尊徳 ◆ニノミヤソントク【江戸/農政家】
良い言葉だ。
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12:フランクリン ◆【北米/印刷工】
二つ目。
「小さな出費に気をつけよ。小さな漏れが大船を沈める」
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13:ナナシ ◆【現代/三十代】
深夜のポチが小さな漏れですね……
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14:フランクリン ◆【北米/印刷工】
三つ目。
「失われた時は二度と戻らぬ」
これは金の話ではないが、深夜にスマホで指を動かしていた時間も含むぞ。
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15:ナナシ ◆【現代/三十代】
全部刺さるんですけど
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16:フランクリン ◆【北米/印刷工】
俺の本は格言の塊だ。
何冊でも刷れるからな。
印刷工だったんで。
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17:二宮尊徳 ◆ニノミヤソントク【江戸/農政家】
本人の商売の宣伝が混ざっておる。
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【失敗談】2万ポンド溶かした男
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18:ニュートン ◆【イギリス/物理学者】
失礼。
私も金の話で発言してよろしいか。
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19:ナナシ ◆【現代/三十代】
あのニュートンですか。万有引力の。
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20:ニュートン ◆【イギリス/物理学者】
そうだ。
1720年、英国に「南海会社」という株があった。
新大陸との貿易で巨額の利益が出ると言われ、皆が買った。私も買った。
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21:フランクリン ◆【北米/印刷工】
嫌な予感しかしない
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22:ニュートン ◆【イギリス/物理学者】
最初は儲かった。
私は早めに売り抜けて、利益を確定した。賢明な判断だったはずだ。
ところが、その後も株は上がり続けた。
周りの誰もが儲けていた。
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23:ナナシ ◆【現代/三十代】
やめてください
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24:ニュートン ◆【イギリス/物理学者】
私は買い戻した。
天井で。
そして、暴落した。
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25:二宮尊徳 ◆ニノミヤソントク【江戸/農政家】
…………
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26:ニュートン ◆【イギリス/物理学者】
損失は約2万ポンド。
当時の私の年収のおよそ十年分だ。
造幣局長官として国家の通貨を管理していた男が、自分の財布を破綻させた。
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27:フランクリン ◆【北米/印刷工】
重い。
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28:ニュートン ◆【イギリス/物理学者】
後年、私はこう述懐したと伝わっている。
「私は天体の運行は計算できるが、人間の狂気は計算できない」と。
この言葉は本当に私が言ったかは怪しいのだが、心境は事実だ。
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29:ナナシ ◆【現代/三十代】
万有引力の人が「皆が儲けてた」で買い増したんですか
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30:ニュートン ◆【イギリス/物理学者】
そうだ。
お主の深夜のポチと、構造は同じだ。
タイムラインを見て、皆が買っているように見えて、自分も買う。
私の場合は株、お主の場合は何かの商品。
道具が違うだけだ。
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31:二宮尊徳 ◆ニノミヤソントク【江戸/農政家】
分度を持たぬ者は、皆同じ穴に落ちる。
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【脱力】帰りなんいざ
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32:陶淵明 ◆トウエンメイ【東晋/詩人】
皆、ご苦労なことだ。
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33:ナナシ ◆【現代/三十代】
誰ですか
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34:陶淵明 ◆トウエンメイ【東晋/詩人】
「帰りなんいざ、田園まさに蕪れなんとす」と書いた者だ。
役所勤めをしていたが、わずかな給料のために上役に頭を下げる暮らしに耐えられず、辞めた。
田舎に帰って、菊を育てて酒を飲んでおった。
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35:フランクリン ◆【北米/印刷工】
急に田舎の話になった
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36:陶淵明 ◆トウエンメイ【東晋/詩人】
お主に伝えたいのは一つだけだ。
お主が深夜にポチるのは、たぶん、欲しいからではない。
何かを埋めようとしているだけだ。
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37:ナナシ ◆【現代/三十代】
…………
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38:陶淵明 ◆トウエンメイ【東晋/詩人】
儂もそうだった。
役所で疲れ果てた夜、酒を多めに買ってしまった。
辞めて田舎に戻ったら、酒の量は変わらんかったが、心は静かになった。
モノで埋めるのと、暮らしで埋まるのは、違う。
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39:二宮尊徳 ◆ニノミヤソントク【江戸/農政家】
名言にござる。
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40:ニュートン ◆【イギリス/物理学者】
私も天体観測に戻れば、株のことは忘れられた。
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41:フランクリン ◆【北米/印刷工】
俺は印刷機があれば機嫌が良かった。
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42:陶淵明 ◆トウエンメイ【東晋/詩人】
皆、それぞれ「画面以外の何か」を持っておったな。
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【処方】今月やること
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43:ナナシ ◆【現代/三十代】
皆さん、最後に処方箋を一つずつお願いします。
今月から始められることで。
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44:二宮尊徳 ◆ニノミヤソントク【江戸/農政家】
分度を立てよ。
給料が入ったら、まず使ってよい額を別の財布に分け、残りは触れぬ場所へ移せ。
桶に底を入れることだ。
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45:フランクリン ◆【北米/印刷工】
小さな漏れに目を光らせろ。
月末に明細を一枚にまとめて眺めるだけでもいい。
眺めると、漏れ口が見える。
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46:ニュートン ◆【イギリス/物理学者】
「皆が買っている」を信じるな。
タイムラインは、お主の勝率を上げる情報源ではない。
私の二万ポンドが証拠だ。
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47:陶淵明 ◆トウエンメイ【東晋/詩人】
深夜にポチる前に、まず外に出よ。
菊でなくともよい。
帰ってから、まだ欲しければ買え。
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48:ナナシ ◆【現代/三十代】
分度、漏れ、群衆、外、ですね。
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49:フランクリン ◆【北米/印刷工】
それを紙に書いて財布の中に入れろ。
俺の本もそうやって読まれた。
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50:二宮尊徳 ◆ニノミヤソントク【江戸/農政家】
また宣伝しておる。
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51:ニュートン ◆【イギリス/物理学者】
ところで、お主が深夜に見ていた商品はなんだ。
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52:ナナシ ◆【現代/三十代】
言わせないでください
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53:陶淵明 ◆トウエンメイ【東晋/詩人】
菊の苗ならば、許す。
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54:ナナシ ◆【現代/三十代】
菊ではないです。
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55:二宮尊徳 ◆ニノミヤソントク【江戸/農政家】
ならば、明日まで保留せよ。
保留した夜の数だけ、桶の底が固くなる。
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─── 経済ノート ───
■ 二宮尊徳(金次郎、1787〜1856)
江戸後期の農政家・思想家。荒廃した農村を多数復興。報徳思想の中核として「至誠」「勤労」「分度」「推譲」の四つを掲げた。「分度」は身の丈に合った収支の枠を定めること、「推譲」は分度から生まれた余剰を他者や未来へ譲ること。「積小為大」(小を積んで大を為す)の格言は『二宮翁夜話』に記録されている。本作の「桶に底」は分度概念の比喩的説明。
■ ベンジャミン・フランクリン(1706〜1790)
アメリカの政治家・印刷工・科学者。1732年から約25年にわたり『貧者リチャードの暦』(Poor Richard's Almanack) を毎年刊行し、節約・勤勉に関する格言を世に広めた。本作で引用したのは "A penny saved is a penny earned"(節約した一銭は稼いだ一銭)、"Beware of little expenses; a small leak will sink a great ship"(小さな出費に気をつけよ。小さな漏れが大船を沈める)、"Lost time is never found again"(失われた時は二度と戻らぬ)。
■ アイザック・ニュートン(1642〜1727)
イギリスの物理学者・数学者。万有引力の法則の発見者であり、1696年から造幣局監事、1700年から造幣局長官を務めた。1720年の南海泡沫事件(South Sea Bubble)では一度利益を確定したのち再度買い戻して暴落に巻き込まれ、約2万ポンドの損失を出したと伝わる(年収の十年分相当)。「天体の運行は計算できるが、人間の狂気は計算できない」という述懐は本人の発言として広く知られているが一次資料は確認されておらず、後世の伝聞・脚色である可能性が高い。本作でも本人にその旨を語らせている。
■ 陶淵明(陶潜、365〜427)
東晋末〜南朝宋初の詩人。県令として赴任した彭沢の地で「五斗米のために腰を折るあたわず」(わずかな給与のために上役に頭を下げ続けることはできない、『晋書』陶潜伝)と職を辞し、故郷へ帰った。その心境を詠んだのが代表作『帰去来辞』。「帰りなんいざ、田園まさに蕪れなんとす、なんぞ帰らざる」が冒頭。後に「採菊東籬下、悠然見南山」(菊を東籬の下に採り、悠然として南山を見る/『飲酒』其五)の境地に至った。隠者・足るを知る生活の代名詞として後世に大きな影響を与えた。
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