【座談会】陰陽師の残業がヤバい件【時空BBS:歴史板】
ここは時空の掲示板です。次元の壁を越えて書き込み自由。荒らしは雷に打たれます。
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【愚痴】方違えの相談が深夜に来る件
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1 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
陰陽師の仕事のイメージと現実の乖離について、そろそろ誰かと共有したい。
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2 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
おお、晴明殿。お疲れのようで。
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3 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
昨夜、丑の刻に叩き起こされた。
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4 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
急な凶事ですか。
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5 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
「明日、北に行きたいのだが方角が悪いか」だ。
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6 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
……朝まで待てないのか。
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7 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
待てないらしい。なにせ高貴な方だ。思い立ったら即、陰陽師を呼ぶ。
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8 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
方違えの相談は私のところにも来ます。「この日に引っ越したいが吉か凶か」と。暦の上では凶なのですが、もう荷造りが終わっているのです。終わっているのに聞くのです。
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9 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
聞く意味。
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10 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
凶と答えると不機嫌になり、吉と答えると「さすが」と言われる。占いとは。
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11 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
贅沢な悩みだな。某の時代は呼ばれもせん。
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12 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
おや、新しい方か。
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13 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
土御門泰重。陰陽頭を務めておる。時代はだいぶ後だが。
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14 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
陰陽頭。それは……かなりの要職ですね。
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15 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
要職のはずだが、武家の世になると陰陽寮の扱いが変わるのだ。その話はあとでする。
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16 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
方違えの話に戻るが、いちばん困るのは「方角が悪いから別の家に一泊して方角をずらしてから目的地に行く」という風習でな。
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17 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
知ってる。遠回りするやつ。
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18 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
その「別の家」の候補が私の屋敷になることがある。
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19 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
えっ。
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20 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
「晴明の家なら穢れも祓えて一石二鳥だろう」と。私の家は宿ではないのだがね。
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21 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
草。
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22 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
名声の代償か。
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【悲報】暦の計算、終わらない
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23 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
方違えも大変ですが、暦の話をしてもよいですか。
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24 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
どうぞ。
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25 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
我々が使っている宣明暦は、元は唐から来たものでして。渡来した時点ですでに中国では古い暦だったのです。それを日本で八百年以上使い続けているのですが、当然ズレます。月の運行と暦がズレるのです。閏月をどこに入れるか、毎年計算し直さなければならないのですが、この計算が、もう、本当に。
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26 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
長い。
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27 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
すみません。つまり暦がズレているのです。ズレているのに直せないのです。
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28 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
暦博士の仕事は外から見えにくいからな。方違えや占いは貴族が直接頼むから存在を認知されるが、暦は「毎年届くもの」としか思われていない。
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29 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
そうなのです。暦が届いて当然。届かないと大問題。でも作っている人間のことは誰も気にしない。
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30 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
管理職としてよくわかる。
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31 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
しかも日食の予測を外すと大変なことになるのです。日食は「天の異変」ですから、朝廷の信用に関わる。予測できなかった暦博士の責任になるのですが、元の暦がズレているのですから、正確に予測する方が奇跡なのです。
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32 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
天文博士も日食を見逃すと怒られる。俺は空を見る係で、暦博士が計算する係。計算が外れても怒られるのはこっちもだ。
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33 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
日食が起きた日の朝廷の慌てぶりは見ものだよ。帝が御簾の奥に隠れ、貴族が散り散りに逃げ、陰陽寮にだけ「なんとかしろ」と使いが来る。
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34 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
太陽をなんとかしろと言われても。
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35 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
某の時代になると暦の改定がようやく議論されるが、それはそれで別の苦労があるのだ。
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36 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
……八百年後にようやく。私の目は、あと何年もつのでしょうか。
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【疑問】式神って便利屋じゃないんだが
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37 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
ここで一つ言いたいことがある。
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38 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
どうぞ。
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39 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
「式神で何でもできるんでしょう」と聞かれることが多い。
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40 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
ああ……。
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41 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
先日などは「式神に洗濯させられるか」と真顔で聞かれた。
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42 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
洗濯。
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43 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
門を開けさせたり来客を告げさせたりはする。だが家事代行ではない。
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44 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
後世ではもっと話が大きくなっておるぞ。晴明殿は式神を使って蘆屋道満と術比べをしたとか、橋の下に十二体の式神を隠していたとか。
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45 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
道満殿との話はまあ、多少は、ある。だが十二体は盛りすぎだよ。
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46 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
何体なんだ実際。
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47 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
それは企業秘密でな。
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48 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
晴明殿は「呪術のすごい人」として有名ですが、本業は天文と暦と占いですよね。
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49 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
そうだ。天体の運行を観測し、暦を管理し、国家の吉凶を占う。それが陰陽師の本来の仕事でな。式神で書類仕事ができるなら私がいちばん使いたい。
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50 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
式神に天文観測させたい。俺は寝たい。
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51 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
お前は少し寝すぎではないか。
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52 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
夜勤明けだ。許せ。
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53 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
陰陽師の仕事を整理するとこうなる。天文観測、暦の作成、方角の吉凶判断、物忌みの判定、呪術的な祓い、国家行事の日取り決定。これを陰陽寮の人数でやっている。
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54 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
しかも天文博士は一名、暦博士は一名、陰陽師も数名しかおりません。
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55 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
一名。
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56 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
一名でございます。
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57 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
替えがいないということか。
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58 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
私が倒れたら暦が止まります。
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59 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
俺が倒れたら星を読む人間がいなくなる。すまん、観測の準備がある。少し離れる。
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60 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
行ってらっしゃい。
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【深刻】陰陽寮、人が足りない
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61 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
少し聞いてくれ。某の時代の話をする。
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62 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
どうぞ。
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63 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
戦国の世が終わり、徳川の治世になった。武家の世だ。陰陽寮は朝廷の機関だが、朝廷の力そのものが小さくなっておる。
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64 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
……。
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65 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
予算が削られ、人が減り、仕事の依頼も減った。それでも暦は作らねばならんし、天文の異変は報告せねばならん。某は朝廷に何度も上申した。「陰陽寮を維持するための支援を」と。
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66 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
……それは。
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67 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
却下された。何度も。
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68 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
我々が「忙しすぎる」と愚痴を言っている横で、そのような状況が。
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69 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
いや、愚痴を言うなとは言わん。忙しいのは本当に辛い。だが某は「忙しかった頃に戻りたい」と思うことがある。求められているうちが華だということだ。
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70 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
……重い話だな。
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71 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
しかもだ。幕府が独自に天文方を置いた。渋川春海という男が暦を改定し、貞享暦を作った。暦の管理が朝廷の陰陽寮から幕府の天文方に移りかけたのだ。
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72 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
暦を、取られた……?
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73 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
完全に取られたわけではないが、主導権は移った。八百年守ってきた暦の権限が。
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74 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
八百年。私が毎晩計算しているあの暦の、権限が。
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75 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
保憲殿、落ち着いて。
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76 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
だから某は思うのだ。お前たちの時代は、求められて、罵られて、丑の刻に叩き起こされる。それは辛いが、少なくとも必要とされている。
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77 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
……贅沢な愚痴だったか。
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78 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
いや。愚痴を言えるのも仕事があるうちだ。存分に言え。某が言えなくなった分まで。
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【結論】それでも星は読む
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79 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
戻った。何か重い話をしていたか。
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80 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
少しだけ。
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81 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
そうか。
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82 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
一つだけ言っていいか。
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83 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
どうぞ。
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84 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
俺は「泣き天文」と呼ばれている。天変を読み取ると泣いて報告するからだそうだ。
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85 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
聞いたことがある。
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86 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
泣いているんじゃない。夜通し空を見て、目が限界なだけだ。
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87 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
……わかります。私も暦の細字で目が。
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88 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
でもな。冬の明け方に、空が白む直前の一瞬がある。星が全部見える。あの瞬間だけは、この仕事を選んでよかったと思う。
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89 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
珍しく長いな。
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90 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
……眠いと饒舌になる。忘れてくれ。
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91 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
忘れんぞ。
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92 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
私もだ。
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93 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
保存しました。
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94 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
やめろ。
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95 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
さて、そろそろ戻るか。今夜も誰かに叩き起こされる前に少しでも寝ておきたい。
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96 :ヤスノリ ◆【暦博士/平安中期】
私も閏月の計算に戻ります。目薬がほしい……。
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97 :ヤスシゲ ◆【陰陽頭/江戸初期】
某は朝廷への書状を書かねばならん。今度こそ通す。
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98 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
俺は寝る。
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99 :セイメイ ◆【陰陽師/平安中期】
お前は寝ろ。
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100 :ヤスチカ ◆【天文博士/平安後期】
言われなくても寝る。
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歴史ノート
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【陰陽寮とは】
律令制のもとで設置された朝廷の機関。天文観測・暦の作成・占い・方角の吉凶判断などを担当した。現代のイメージでは「呪術師集団」だが、実態は天文学と暦学を扱う技術官僚の組織。
【安倍晴明(921頃-1005)】
平安中期の陰陽師。天文道の家系・安倍氏の祖。式神を操る呪術師として後世に伝説化されたが、本来の職掌は天文観測と占い。賀茂保憲に師事し、天文道を受け継いだ。
【賀茂保憲(917-977)】
暦道の大家。安倍晴明の師。陰陽道の二大家系のうち、賀茂氏は暦道を、安倍氏は天文道を継承した。暦の計算という地味だが国家運営に不可欠な仕事を担った。
【安倍泰親(?-1148)】
安倍晴明の子孫。天文博士。天変の兆しを読み取ると涙を流して報告したことから「泣き天文」の異名を持つ。
【土御門泰重(1586-1661)】
安倍晴明の末裔・土御門家の当主。戦国時代に衰退した陰陽道の復興に尽力し、朝廷における陰陽寮の存続を守った。江戸時代には幕府の天文方が暦の主導権を握り、朝廷の陰陽寮は形骸化していく。
【方違え(かたたがえ)】
目的地の方角が陰陽道で「凶」とされる場合、いったん別の方角の家に泊まり、翌日あらためて目的地に向かう風習。平安貴族の日常を大きく左右し、陰陽師への相談は絶えなかった。
【宣明暦】
中国・唐代に作られた暦法。日本では862年から1685年まで約823年間使用された。長期間改暦されなかったため累積誤差が大きくなり、日食・月食の予測精度が低下していた。1685年に渋川春海の貞享暦に改められた。
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