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【実況】DNA構造の発見、今夜決まる【時空BBS:科学板】

ここは時空の掲示板です。次元の壁を越えて書き込み自由。荒らしは雷に打たれます。

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 【発端】生命の設計図を探せ
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1 :ワトソン ◆Watson【分子生物学/20世紀アメリカ】
DNAの構造を解き明かすレースが始まっている。
参加者は知っての通り、我々以外にもいる。
状況を整理したい。

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2 :クリック ◆Crick【分子生物学/20世紀イギリス】
整理しよう。
まず前提として、DNAが遺伝情報を担う物質であることは
1944年のエイブリーの実験で強く示唆されている。
問題は「その構造がどうなっているか」だ。

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3 :ワトソン ◆Watson【分子生物学/20世紀アメリカ】
>>2
そうだ。構造がわかれば、遺伝情報がどう複製されるかも見えてくる。
これは生物学最大の問いの一つだ。

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4 :ポーリング ◆Pauling【化学/20世紀アメリカ】
私も参戦している。
タンパク質のアルファヘリックス構造を解明したのは私だ。
DNAも同じ手法で解ける。

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5 :クリック ◆Crick【分子生物学/20世紀イギリス】
>>4
ポーリング。あなたは化学結合の天才だが、
生物学のデータにどこまで目を通している?

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6 :ポーリング ◆Pauling【化学/20世紀アメリカ】
>>5
必要な情報は十分に持っている。
DNAは三重らせん構造だ。三本の鎖が中心で絡み合い、
リン酸基が内側に来る。

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7 :ワトソン ◆Watson【分子生物学/20世紀アメリカ】
>>6
……リン酸基が内側?

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8 :クリック ◆Crick【分子生物学/20世紀イギリス】
>>6
リン酸基は負の電荷を帯びている。
それを内側に密集させたら電荷の反発で構造が安定しない。
基本的な化学の問題だが。

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9 :ポーリング ◆Pauling【化学/20世紀アメリカ】
>>8
…………。

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10 :ワトソン ◆Watson【分子生物学/20世紀アメリカ】
>>9
化学結合の巨匠が、化学の基本でミスをした。
これは我々にとってチャンスだ。

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 【鍵】写真51番
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11 :フランクリン ◆Franklin【結晶学/20世紀イギリス】
私の話もしてもらおうか。
私はX線回折法でDNAの繊維を撮影している。
結晶学は推測ではない。実験データだ。

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12 :ウィルキンズ ◆Wilkins【生物物理学/20世紀イギリス】
フランクリン。
同じ研究室で働いているが、正直に言えば
我々の間の連携はうまくいっていない。

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13 :フランクリン ◆Franklin【結晶学/20世紀イギリス】
>>12
連携の問題ではない。
私のデータは私が解析する。それだけだ。

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14 :ワトソン ◆Watson【分子生物学/20世紀アメリカ】
>>11
フランクリン、あなたのX線写真は見たことがある。

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15 :フランクリン ◆Franklin【結晶学/20世紀イギリス】
>>14
……いつ見た。私が見せた覚えはないが。

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16 :ウィルキンズ ◆Wilkins【生物物理学/20世紀イギリス】
>>15
……。

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17 :フランクリン ◆Franklin【結晶学/20世紀イギリス】
>>16
ウィルキンズ。あなたが見せたのか。

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18 :ウィルキンズ ◆Wilkins【生物物理学/20世紀イギリス】
>>17
あの写真は研究室の成果だ。
共有することは不当ではないと判断した。

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19 :フランクリン ◆Franklin【結晶学/20世紀イギリス】
>>18
私に無断でか。
あの写真が何を示しているか、撮影した私が一番よく知っている。

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20 :クリック ◆Crick【分子生物学/20世紀イギリス】
>>19
……フランクリン。正直に言う。
あなたの写真51番は決定的だった。
あのX字型の回折パターンは、らせん構造の証拠だ。

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21 :フランクリン ◆Franklin【結晶学/20世紀イギリス】
>>20
そう。らせん構造だ。
私自身もその結論に近づいていた。
ただし私は確証が得られるまで発表しない主義だ。

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 【構築】二重らせんの朝
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22 :ワトソン ◆Watson【分子生物学/20世紀アメリカ】
写真51番の情報、そしてシャルガフの法則。
アデニンとチミン、グアニンとシトシンの量が常に等しいという規則。
これが鍵だった。

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23 :クリック ◆Crick【分子生物学/20世紀イギリス】
>>22
塩基が対になって内側で水素結合する。
AはTと、GはCと対を作る。
二本の鎖が互いに相補的に結びつく。

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24 :ワトソン ◆Watson【分子生物学/20世紀アメリカ】
>>23
二重らせん。リン酸基は外側。塩基対が内側。
二本の鎖は逆向きに走り、互いの鋳型になる。

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25 :クリック ◆Crick【分子生物学/20世紀イギリス】
これで遺伝情報の複製メカニズムも見える。
二本の鎖をほどけば、それぞれが新しい鎖の鋳型になる。
構造そのものが複製の仕組みを語っている。

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26 :ポーリング ◆Pauling【化学/20世紀アメリカ】
>>24
……二重か。三重ではなく。

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27 :ワトソン ◆Watson【分子生物学/20世紀アメリカ】
>>26
二重だ。そしてリン酸基は外側だ。

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28 :ポーリング ◆Pauling【化学/20世紀アメリカ】
>>27
認めよう。私の三重らせんモデルは誤りだった。
リン酸基の配置を間違えたのは初歩的なミスだ。
若い二人に先を越された。

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29 :フランクリン ◆Franklin【結晶学/20世紀イギリス】
>>24
構造は正しいだろう。私のデータとも一致する。
だが一つ聞きたい。
論文に私のデータへの言及はあるか。

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30 :ワトソン ◆Watson【分子生物学/20世紀アメリカ】
>>29
……謝辞の中で触れている。

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31 :フランクリン ◆Franklin【結晶学/20世紀イギリス】
>>30
謝辞。

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 【波紋】功績は誰のものか
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32 :クリック ◆Crick【分子生物学/20世紀イギリス】
フランクリン。あなたの写真がなければ
我々はこの構造にたどり着けなかった。
それは事実だ。

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33 :フランクリン ◆Franklin【結晶学/20世紀イギリス】
>>32
事実なら、なぜ論文ではそうは読めない。

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34 :ウィルキンズ ◆Wilkins【生物物理学/20世紀イギリス】
>>33
フランクリン。
私にも責任がある。あの写真の共有について、
あなたに断るべきだった。

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35 :フランクリン ◆Franklin【結晶学/20世紀イギリス】
>>34
断るべきだったのではない。断らなかった。
それが全てだ。

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36 :ポーリング ◆Pauling【化学/20世紀アメリカ】
>>35
フランクリン。外から見ていて一つ言える。
科学の世界で実験データを出した人間の貢献が
正しく評価されないことは、残念ながら珍しくない。
だが、あなたのX線回折写真がこの発見の基盤であることは
歴史が証明するだろう。

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37 :フランクリン ◆Franklin【結晶学/20世紀イギリス】
>>36
……歴史か。
私は1958年に37歳で死んだ。
受賞の話があったとしても、受けることはできなかった。

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38 :ワトソン ◆Watson【分子生物学/20世紀アメリカ】
>>37
……。

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39 :クリック ◆Crick【分子生物学/20世紀イギリス】
>>37
1962年、ワトソンと私、そしてウィルキンズの三人が受賞した。
あなたの名前はなかった。
あの賞は存命者にしか贈られない。

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40 :フランクリン ◆Franklin【結晶学/20世紀イギリス】
>>39
知っている。
だが私が生きていたとしても、四人目の枠はない。

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 【最終レス】設計図は語る
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41 :クリック ◆Crick【分子生物学/20世紀イギリス】
まとめよう。
ポーリングの三重らせんは誤りだったが、
タンパク質の構造解明という前提がなければ我々の手法もなかった。
フランクリンの写真51番がなければ、構造を確定できなかった。
ウィルキンズの研究室がなければ、あのデータは存在しなかった。

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42 :ワトソン ◆Watson【分子生物学/20世紀アメリカ】
>>41
そしてシャルガフの塩基比の規則がなければ、
塩基対の発想に至らなかった。

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43 :フランクリン ◆Franklin【結晶学/20世紀イギリス】
科学の発見には、表に出る名前と出ない名前がある。
私は自分の名前のために研究したのではない。
だが、データを出した人間の仕事が正しく扱われることは、
科学の信頼に関わる問題だ。

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44 :ポーリング ◆Pauling【化学/20世紀アメリカ】
>>43
同意する。
私は負けた側だが、負けた理由は明確だ。
データを軽視し、自分のモデルに固執した。
科学者としての基本を忘れていた。

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45 :ウィルキンズ ◆Wilkins【生物物理学/20世紀イギリス】
>>43
フランクリン。
歴史の評価は遅れたが、今では多くの人があなたの貢献を知っている。
それで許されるとは思わないが。

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46 :フランクリン ◆Franklin【結晶学/20世紀イギリス】
>>45
許す許さないの話はしていない。
正確に記録されればいい。それだけだ。

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47 :クリック ◆Crick【分子生物学/20世紀イギリス】
生命の設計図は二重のらせんだった。
そしてその発見もまた、一人の手柄ではなく、
何人もの仕事が絡み合った結果だった。

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48 :ワトソン ◆Watson【分子生物学/20世紀アメリカ】
>>47
らせんが二重なのは、構造だけではなかったということか。

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49 :フランクリン ◆Franklin【結晶学/20世紀イギリス】
うまいことを言うな。
だがデータは嘘をつかない。
人間は嘘をつくが。

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 【科学ノート】
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このスレッドに登場した科学的議論は、分子生物学の歴史に基づく脚色です。
もっと知りたい方のために、元ネタを簡単に紹介します。

■ DNA二重らせん構造の発見(1953年)
ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックが、DNAの構造が二重らせんであることを解明した。二本の鎖が逆方向に走り、内側で塩基同士が対を作る(A-T、G-C)。この構造自体が遺伝情報の複製メカニズムを示唆していた。1953年に『ネイチャー』誌に発表。

■ ロザリンド・フランクリンと写真51番
ロザリンド・フランクリン(1920-1958)はX線結晶学の専門家で、DNAのX線回折写真を撮影した。特に「写真51番」は明瞭なX字型パターンを示し、らせん構造の決定的な証拠となった。この写真はフランクリンの同意なくワトソンとクリックに共有された。フランクリンは37歳で亡くなり、1962年のノーベル生理学・医学賞(ワトソン、クリック、ウィルキンズの三名が受賞)には含まれなかった。ノーベル賞は存命者にしか授与されない規定があり、また一つの賞の受賞者は最大三名という制限もある。

■ ライナス・ポーリングの三重らせんモデル
ライナス・ポーリング(1901-1994)はタンパク質のアルファヘリックス構造を解明した化学者で、二度のノーベル賞受賞者(化学賞・平和賞)。DNAについても三重らせん構造モデルを提案したが、リン酸基を内側に配置する化学的な誤りがあり、すぐに否定された。

■ シャルガフの法則
エルヴィン・シャルガフ(1905-2002)が発見した法則で、DNAに含まれるアデニン(A)とチミン(T)、グアニン(G)とシトシン(C)の量がそれぞれ等しいというもの。この規則性がワトソンとクリックに塩基対の着想を与えた。

■ 科学における功績の帰属
科学の発見は多くの場合、複数の研究者の成果の積み重ねによって実現する。しかし評価や賞は限られた人数にしか与えられないため、誰の貢献がどの程度認められるかは、研究の質だけでなく、当時の社会的状況、人間関係、性別による偏見など多くの要因に左右されてきた。フランクリンの事例は、科学史における功績帰属の問題を考える上で最も重要な事例の一つとされている。

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