【議論】マヨネーズ最初に作った奴、天才か変態か【時空BBS:食文化板】
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【議論】マヨネーズって最初に誰が作ったんだ問題
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1 :リシュリュー公爵 ◆【仏元帥/マオン攻略者】
余である。
1756年、メノルカ島マオン港を英軍より奪取した際、現地で食した冷製ソースをパリに持ち帰ったのは余である。
名付けて「mahonnaise(マオネーズ)」。のちに訛って「マヨネーズ」。
つまり余が発見者。異論は認めぬ。
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2 :マオンの女将 ◆【メノルカ島/salsa mahonesa元祖】
>>1
ちょっと待ちなさいよ元帥。
salsa mahonesa、うちのばあちゃんが先にやってたからね。
あんたただ食って持って帰っただけでしょ?
「発見」じゃなくて「窃盗」でしょそれ。
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3 :リシュリュー公爵 ◆【仏元帥】
>>2
貴族が食したことで、初めて文化となるのだ。
名もなき主婦がこねくり回しておった段階では、まだソースとは呼べぬ。
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4 :マオンの女将 ◆【salsa mahonesa元祖】
>>3
出た貴族の傲慢。
卵と油と塩と酢。あんたら何もしてないのよ。
うちの婆さんが全部やったの。それを腰につけて帰っただけ。
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5 :カレーム ◆【近代仏料理の父】
議論の途中で失礼。
起源論争はさておき、諸君、まず「乳化」について整理しよう。
通常、水と油は分離する。しかし卵黄に含まれるレシチンという物質が界面活性剤として働き、油の微粒子を水中に安定させる。
これが乳化だ。
マヨネーズは科学である。
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6 :サヴァラン ◆【美食家/美味礼讃著者】
>>5
カレーム殿、いつもながら論理明晰である。
しかし余に言わせれば、マヨネーズは科学ではない。
卵と油、本来混ざらぬ者同士を、力ずくで混ぜようとする狂気。
それを美味と呼んでしまう舌の強引さ。
マヨネーズとは「人類の諦めの悪さ」の結晶である。
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7 :袁枚 ◆エンバイ【清代美食家/随園食単】
西洋の諸君よ、理解に苦しむ。
生卵をソースに用いるという発想そのものが、我が中華の流儀にはない。
火を通してこそ食は完成する。
生の卵黄を油と混ぜ、それを肉に塗る。
野蛮ではないか?
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8 :魯山人 ◆ロサンジン【昭和の美食家/陶芸家】
>>7
袁枚殿に同意する。
マヨネーズなどという得体の知れぬ粘液を、鮨にかける輩が後世の日本におるらしい。
嘆かわしい。
鰹と昆布の出汁があれば、他に何が要る。
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9 :カレーム ◆【近代仏料理の父】
>>8
鮨にマヨネーズ。
……近代仏料理の枠組みから見ても、それは「応用」と言えます。
技術は伝播し、変容する。それが料理史というものです。
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10 :魯山人 ◆【昭和の美食家】
>>9
カレーム殿、あなたは優しいのう。
鮨にマヨネーズは食の堕落じゃ。以上。
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【驚愕】そもそも卵と油混ぜるって発想、おかしくない?
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11 :サヴァラン ◆【美食家】
改めて考えてみたまえ。
人類が初めて卵を割り、油を注ぎ、それをかき混ぜたとき、そこに何があった?
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12 :マオンの女将 ◆【salsa mahonesa元祖】
>>11
何があったかって?
切らしたバターよ。
バターがなくて、でも肉を食わなきゃならなくて、卵と油と酢を泡立てたの。
必要は発明の母。
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13 :袁枚 ◆【清代美食家】
>>12
それを「発明」と呼ぶのか。
こちらは「苦し紛れ」と呼ぶ。
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14 :リシュリュー公爵 ◆【仏元帥】
>>13
苦し紛れから名品が生まれる。
それが西洋料理史の本質である。
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15 :カレーム ◆【近代仏料理の父】
>>14
公爵、西洋料理の本質はそんな雑なものではありません。
体系、理論、技術。以上です。
マヨネーズに話を戻せば、卵黄1個に対し油を少しずつ、徐々に加えながら撹拌することで、安定した乳化が得られる。これは明確な技術です。
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16 :魯山人 ◆【昭和の美食家】
>>15
理屈ばっかりじゃのう、西洋人は。
鰹節と昆布の出汁、これ以上の調味料はない。
乳化などという面倒は要らん。
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17 :サヴァラン ◆【美食家】
>>16
魯山人殿、あなたの出汁哲学は美しい。
しかし、人類が「混ざらぬものを混ぜようとする」挑戦もまた美しいのだ。
マヨネーズは、敗北を認めぬ油と卵の、永遠の和解である。
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18 :袁枚 ◆【清代美食家】
>>17
詩人か貴殿は。
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19 :サヴァラン ◆【美食家】
>>18
詩人ではない。法律家だ。
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20 :マオンの女将 ◆【salsa mahonesa元祖】
>>19
法律家が料理を語るの、一番面倒な奴でしょ。
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21 :カレーム ◆【近代仏料理の父】
>>20
女将、言い過ぎです。
……半分同意しますが。
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【論争】マヨネーズは芸術か冒涜か
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22 :カレーム ◆【近代仏料理の父】
マヨネーズは基本ソースのひとつとして、私が体系の中に位置づけた。
以降、タルタル、オーロラ、レムラード。無数の派生ソースが生まれた。
これは芸術と呼んでよい。
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23 :魯山人 ◆【昭和の美食家】
>>22
派生させればさせるほど、本来の素材の味は消えていく。
わしは反対じゃ。
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24 :リシュリュー公爵 ◆【仏元帥】
>>23
魯山人とやら、貴殿の出汁もまた、鰹節と昆布という「派生」ではないのか?
最初から出汁が生えておった訳ではあるまい。
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25 :魯山人 ◆【昭和の美食家】
>>24
公爵、減らず口を叩くでない。
出汁は素材の味を引き出す。
マヨネーズは素材の味を覆い隠す。
この差じゃ。
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26 :袁枚 ◆【清代美食家】
>>25
魯山人殿、良いことを言う。
中華の醤もまた、素材を殺さぬ塩梅を第一義とする。
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27 :サヴァラン ◆【美食家】
諸君、料理の善悪を軽々に定めるな。
人間は、甘いものが欲しい時もあれば、しょっぱいものを欲する時もある。
出汁を求める夜もあれば、マヨネーズで肉を貪りたい朝もある。
それが人間というものだ。
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28 :マオンの女将 ◆【salsa mahonesa元祖】
>>27
マヨネーズで肉貪る朝ってなに?
あんた本当に貴族?
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29 :サヴァラン ◆【美食家】
>>28
法律家である。
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30 :マオンの女将 ◆【salsa mahonesa元祖】
もう聞いた。
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31 :カレーム ◆【近代仏料理の父】
>>30
女将、サヴァラン殿の著書『美味礼讃』は料理哲学の金字塔です。
多少の奇行は、大目に見てあげてください。
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32 :マオンの女将 ◆【salsa mahonesa元祖】
>>31
哲学の本で肉は焼けないのよ。
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33 :サヴァラン ◆【美食家】
>>32
しかし、肉を焼く意味は哲学が与える。
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34 :マオンの女将 ◆【salsa mahonesa元祖】
>>33
焼けばいいのよ肉は。
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【結論】で、最初に作った奴、天才か変態か
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35 :リシュリュー公爵 ◆【仏元帥】
話を戻そう。
マヨネーズ最初の作者は、天才か、変態か。
余の意見は「天才」である。
余が持ち帰ったのだからな。
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36 :マオンの女将 ◆【salsa mahonesa元祖】
>>35
まだ言ってる。
うちのばあちゃんは、変態じゃなくて主婦よ。
家にあったもので肉を美味くしただけ。
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37 :カレーム ◆【近代仏料理の父】
>>36
乳化という現象を、理論なしに経験則で安定化させた。
それを「天才」と呼ばずして何と呼ぶのですか。
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38 :魯山人 ◆【昭和の美食家】
>>37
変態じゃ。
普通、卵と油を見て「混ぜよう」とは思わん。
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39 :袁枚 ◆【清代美食家】
>>38
同意する。
油に卵を落とす発想、中華にはない。
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40 :サヴァラン ◆【美食家】
諸君、結論は出ておる。
天才と変態は紙一重。
マヨネーズを最初に作った者は、その紙の上を歩いた人類である。
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41 :マオンの女将 ◆【salsa mahonesa元祖】
>>40
うちのばあちゃんは普通に主婦だったって言ってるでしょ。
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42 :リシュリュー公爵 ◆【仏元帥】
>>41
主婦が歴史を作るのだ。
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43 :マオンの女将 ◆【salsa mahonesa元祖】
>>42
……初めていいこと言った。
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44 :カレーム ◆【近代仏料理の父】
公爵、まさか褒められるとは。
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45 :リシュリュー公爵 ◆【仏元帥】
>>44
余は褒められるために生まれた男だ。
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46 :魯山人 ◆【昭和の美食家】
>>45
鼻につく奴じゃのう。
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47 :袁枚 ◆【清代美食家】
>>46
同意する。
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48 :サヴァラン ◆【美食家】
諸君、一つだけ確かなことがある。
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49 :マオンの女将 ◆【salsa mahonesa元祖】
>>48
何よ。
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50 :サヴァラン ◆【美食家】
>>49
人類は今日もどこかで、卵黄に油を少しずつ垂らし、それを泡立てている。
その動作は、マオン島の主婦から、パリの宮廷料理人、現代の家庭の台所まで、変わっていない。
マヨネーズとは、数百年続く「人類の根気」の記録である。
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51 :魯山人 ◆【昭和の美食家】
>>50
……カッコつけおって。
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52 :袁枚 ◆【清代美食家】
>>51
しかし一理ある。
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53 :マオンの女将 ◆【salsa mahonesa元祖】
うちのばあちゃんは、きっと何も考えずに作っとったわよ。
「肉が美味くなりゃそれでええわ」って。
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54 :カレーム ◆【近代仏料理の父】
>>53
それが最大の天才性かもしれません。
理論は後からついてくる。
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55 :リシュリュー公爵 ◆【仏元帥】
結論。
マヨネーズ最初の作者は、
天才で変態で主婦である。
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56 :マオンの女将 ◆【salsa mahonesa元祖】
>>55
変態は余計。
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食ノート
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・マヨネーズの起源には複数説があります。最有力なのは1756年、フランス軍元帥リシュリュー公爵がメノルカ島マオン港(現スペイン領)を英軍から奪取した際、現地の冷製ソース「salsa mahonesa」をパリに持ち帰ったという説。「マオネーズ」→「マヨネーズ」と訛ったとされます。
・乳化の科学的理解は19世紀以降。それ以前は経験則で作られていました。卵黄に含まれるレシチンという界面活性剤が、油を微粒子として水中に安定させる仕組みです。
・マリー・アントワーヌ・カレーム(1784-1833)は近代フランス料理の父。ソース体系化の立役者で、マヨネーズを基本ソースのひとつとして整理しました。
・ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン(1755-1826)はフランスの法律家・政治家で美食家。著書『美味礼讃』は料理哲学書として現代まで読み継がれています。本編の「法律家である」のツッコミはここから。
・袁枚(えんばい、1716-1797)は清代の詩人・文人。『随園食単』は中国料理の古典中の古典。
・北大路魯山人(1883-1959)は陶芸家・書家・美食家。日本料理の真髄を追求し、素材の味を極限まで引き出す料理哲学で知られます。
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