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ONSEN&SAUNA YUKULU【ものみ湯賛】長崎小夜曲-4

前回までのあらすじ

端島、原爆資料館、そして平和祈念像をめぐり、いきなりヘビーな船出となった長崎の旅。ひとまず汗を流してさっぱりしたくなった私は、サウナへ向かうことにした。
↓前回



ものみ湯賛ゆさん

気ままな見物や旅を意味する “物見遊山ものみゆさん” に、「湯を讃たたえる」気持ちを込めました。


ここに綴るのは、湯の評価ではなく、湯との思い出です。
点数も星もつけません。

ただその日、湯に浸かって感じたことだけを、ふわっと湯気のように書き留めておきます。



偶然が導いたサウナの縁

朝から気温50度近い灼熱の端島を巡り、炎天下の平和公園でも汗だくになった私は、ひと休みできる場所を探すことにした。

宿にもサウナはあったものの、せっかくなので Google マップで探すと、長崎駅の北側に評判のサウナ施設『ONSEN & SAUNA YUKULU』を見つけた。そこへ向かうことにした。


バスを途中下車して向かうと、そこはスタジアムに併設された新しい温浴施設だった。



ちょうどサッカーの試合が行われており、スタジアムからの熱気が伝わる賑やかな雰囲気だった。そんな中、私は最新設備にわくわくしながら6階の受付へ向かった。

完全キャッシュレス(電子マネーのみ)という先進的なシステムに、『おお、ここは新しい!』と期待が膨らむ。

中に入ると脱衣所も清潔で、4段ほどの大きなサウナ室と、表示14.8℃の水風呂が備わっていた。設備の充実ぶりに思わず胸が高鳴る。

公式サイトより

ホワイトボードには『18時からアウフグースあり(予約制)』とあった。
どうしようかと思いながら体を洗っていると、『予約なしでも入れますよ』という、まるで天のお告げのような声が聞こえた。

『ラッキー!』

私は喜んでサウナ室に向かった。



世間は狭い

アウフギーサー(熱波師)が準備を始めた。ほかのスタッフとは異なるデザインのTシャツが目を引く。

そこで私は首を傾げた。

波紋のような同心円のマークが三つ。どこかで見たはずなのに、何だったか思い出せない。

「(うーん、なんだったっけ…。最近見たはずなんだが)」

考え込んでいる間にドアが閉まり、いよいよ彼のステージが始まった。


「えー、東京は大井というところにある、泊まれるサウナ“品川サウナ”から来ました!」


「あ!」


思わず声が出そうになった。
そう、そのサウナには私は先日行ったばかりだったのだ。しかもそのときの記事を、この長崎に来る3日前にアップしていたのである。


なんたる偶然。世間ってのは狭いもんだなぁ。

彼もまさか先日、自分の所属サウナに行った客が、遠く離れた長崎にもいるとは思うまい。

Tシャツの謎も解けたところで、私はサウナに集中することにした。

彼が流し始めたのはゴスペラーズのアカペラ曲。
和やかなメロディに包まれるうち、サウナ室は一気に熱気を帯びていった。
彼の軽妙なトークと優しい気遣いに合わせて、お客さんたちもどんどん“蒸されて”いく。

私はあまりの暑さに耐えられず、ついにサウナ室を飛び出した。

アウフギーサーさんの『ナイスファイト!』という声を背中に受けながら、誰よりも早く整いの境地へ。

公式サイトより


シャワーで手早く汗を流し、水風呂にゆっくり身を沈める。
外気浴チェアに腰を下ろすと、恍惚が静かに満ちてきた。

その後も整いスペースなどで、こちらにさりげなく話しかけてくれるアウフギーサーさんのおかげで、場の空気は終始やわらかかった。

大井町から離れ、この長崎まで”癒し”を運んできた彼。
汗と疲れがすっと抜けていったのは、きっとあの人柄あってのことだろう。



↓つづく


記事:まるのすけ

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