見出し画像

《葬送のフリーレン》女神の石碑の「役目」とフリーレンの「役割」(第145話)

第145話「未来視」までのネタバレと先の展開に関する考察・予想が含まれます。

はじめに

本稿では、女神の石碑の「役目」(第13巻119話)について考えることで、「フリーレンの旅」は「魔王討伐のやり直しの旅」であるという見方を確認してみます。

女神の石碑

女神様は自らの魔法を込めた石碑を各地に残しました。(第11巻107話)

第11巻107話

「女神の石碑編」の結末、フリーレンが未来(現在)に帰還すると、石碑からは魔力が消えていました。「まるで役目を終えたかのように」。(第13巻119話)

つまり、女神の石碑には目的もなく魔法が込められているわけではなくて、明確な「役目」があって魔法が込められています。女神様がわざわざ自らの魔法を込めたのですから、考えてみれば当然のことではあります。

では、この「役目」とはなんでしょう?

魔族の敵は女神様

ソリテールは、キーノ峠の女神の石碑を前にして、「時間は決して巻き戻らない」という「不可逆性の原理」について説明した上で、次のように語っています。(第12巻116話)

第12巻116話

天地創造の女神。こんな化け物まで魔族わたしたちは相手にしなければならないのね。

第12巻116話

ということは、魔族にとって究極の敵は女神様です。(ですから、魔王は女神の石碑を配下の魔族に監視させていました)

第12巻117話

女神の石碑の「役目」

  • 女神の石碑には「役目」がある。

  • 魔族の究極の敵は女神様である。

ということは、人類が魔族と戦うために、女神様は自らの魔法を込めた石碑を残した。

そう考えるのが素直でしょう。

※ 話は逸れますが、もし、《葬送のフリーレン》の結末で人類と魔族が融和するのだとしたら、どこかの時点で「女神様って本当に良い神様なのだろうか?」という問いが立ち上がってくると思います。

※ 「魔法はイメージの世界」理論で素直に考えれば魔王を殺すイメージが出来るかが問われるはずなのに、フランメが平和な時代に生きる自分の姿をイメージできるかを問題にしているのは、「殺す」に何か含みがある、「命を奪う」ではなくて比喩的に「殺す」なのではないか?とも感じます。

魔王討伐と女神の石碑

女神の石碑の「役目」が魔族と戦う人類を助けることなのだとすれば、ヒンメルたちの魔王討伐と女神の石碑にはかなり密接な関係があるはずです。

女神の石碑と無関係にヒンメルたちが魔王を倒したとはちょっと考えられません。

そもそもクヴァールでさえ倒せなかったヒンメルたちが普通に戦って魔王を倒せたとは考えにくく、なにか「秘策」があったはずでしょう。

では、その「秘策」とはなんでしょう? ソリテールの言葉が手掛かりになります。

魔王を倒したヒンメル勇者一行の「秘策」

ソリテールは女神様について、世界のことわりを無理やりねじ曲げる「化け物」だと言っていました。(第12巻116話)

ここで世界のことわりとは、「時間は決して巻き戻らない」という「不可逆性の原理」を指しています。

ということは、この「不可逆性の原理」を捻じ曲げること、つまり、タイムリープやタイムトラベルなどの時空干渉が、「千年後の魔族の繁栄」(第12巻117話)にとって大きな障害になるとソリテールは考えているわけです。

逆に言えば、ヒンメルたちが魔王を倒した時に使った「秘策」とはタイムリープやタイムトラベルだということになりますね。(クヴァールの討伐でも時間を利用していたことを思い出してください)

※また話は逸れますが、そもそも過去を変えて良いのか?という問いも立ち上がります。これは《葬送のフリーレン》のテーマと関わる大問題です。

「魔王討伐のやり直しの旅」

ここまで来ると、次の記事で紹介している「フリーレンの旅」は「魔王討伐のやり直しの旅」であるという見方に繋がってきます。

「フリーレンの旅」は、実は、エンデにある女神の石碑からフリーレンを魔王戦時点にタイムリープさせて魔王を討伐するという、フランメとヒンメルたちによる計画だというものです。

この見方は、様々な方面から裏付けることができるため、この捉え方が「正しい」(作者の構想と一致する)かどうかはわからないのですが、《葬送のフリーレン》を理解するための現時点で最も有効なガイドだと私は考えています。

フリーレンの「役割」

石碑の「役目」(第13巻119話)という言葉から思い出すのは、フリーレンの「役割」(第140話)です。

この時のフリーレンは、ベッドに腰かけながら子供の様に足をプラプラさせて落ち着きが無く、不安そうにゼーリエに問いを重ねています。

  • なんで私達を任務から遠ざけようとするの?

  • ねぇ、ゼーリエ。ゼーリエにはどんな未来が見えているの?

  • 私の役割は何?

この時のフリーレンの心理には様々な解釈があるとは思いますが、私は「全容のつかめない大きな計画の中で自分が「駒」として動かされているという漠然とした不安」だと考えています。将棋やチェスに例えるなら、ゼーリエが「プレイヤー」で、フリーレンは「駒」、しかもフリーレンにはルール(勝利条件や敵)がよくわからない状態です。

ここで言う「大きな計画」は、もちろん「帝国編」のゼーリエ暗殺計画ではなく、フランメやヒンメルたちの魔王討伐計画です。

こう考えることで、「帝国編」を「フリーレンの旅」という《葬送のフリーレン》のメインストーリーの中に位置付けることができます。(もう一つの理由は、ゼーリエの「帝国編の任務からフリーレンたちを遠ざけようとする(が、任務に就くことを結局は認めてしまう)」という態度が、「面接前からフェルンを不合格にすると決めていた(が、結局は合格させてしまう)」という態度と一致しているからです。この共通する態度の背景には「フリーレンたちを本当はエンデに行かせたくない、エンデの秘密を知られたくない(が、積極的に妨害するつもりもない)」というゼーリエの心理があります。詳細は下の考察を参照ください)

第145話でゼーリエと南の勇者が会っていることが明らかになりましたから、ゼーリエも当然、この計画に関与している(どの程度協力しているかは分かりませんが、少なくとも知ってはいる)でしょう。

第145話

フリーレンの「役割」についての詳細はこちらの考察を参照ください。

おわりに

《葬送のフリーレン》に関する記事は下記のマガジンにまとめています。130本以上ありますのでキャラ名で検索をかけてみてください。フランメ、ヒンメル、エーヴィヒなどで検索すると物語の全体像に関わる考察が出てきます。

楽しめた記事には「スキ」していただけると励みになります。コメントもとても嬉しいです。《葬送のフリーレン》に関することでしたら、感想・質問など何でもどうぞ。

「週刊少年サンデー」での連載も追いかけて、最新話の感想・考察を書いていますので、よろしくお願いします。