魔王はなぜ「エルフを皆殺しにしろ」と命じたか(エンデに何が?)
魔王が「エルフを皆殺しにしろ」(第21話)と命令していた理由を考えてみます。
魔王が「エルフを皆殺しにしろ」と命じた理由

強い魔法使いの出現を懸念した
魔王が「エルフを皆殺しにしろ」と配下の魔族に命じていた理由として最初に思い付くのは「強力な魔法使いが現れることを懸念したから」です。
エルフは長寿ですから、才能あるエルフが何千年も修行すれば、自分(魔王)を脅かすような存在になり得ると考えたのですね。(人間の力(組織の力)を軽視しているところには、魔王の「魔族らしさ」を見ることができます。)
後に、フランメが育てたエルフの魔法使い(フリーレン)によって魔王は倒されましたので、魔王のこの懸念は現実のものとなったわけです。
なお、エルフの強い魔法使いといえばゼーリエですが、ゼーリエと魔王が敵対していた様子はなく、むしろ魔族との繋がりを感じます。裏取引まではなさそうですが、ゼーリエは魔族を必要悪と考えていて、魔族とは持ちつ持たれつの関係、人間と魔族の勢力のバランスが取れているうちは我関せずというような関係にはありそうです。
エルフの魂を集めていた
もう一つ思い付くのは、魔王が「エルフの魂を集めているから」というものです。
これは死者の魂が集まるとされるオレオールのあるエンデの地に魔王が魔王城を築いたことから容易に想像できます。
では、エルフの魂を集めて何をしようとしていたのでしょうか。
これに関する手がかりはほとんどありませんので、繋がりのありそうな断片を拾ってみます。
魂に関する研究
フランメの手記には「この世紀の発見は魂の研究を飛躍的に進歩させるだろう」とあります(第7話)。
ということは、エンデに城を築いた魔王は、魂に関する研究に関しては人類に先んじていると考えられます。
アイゼンの「いろいろあった」発言
エンデに関してはアイゼンが「あの場所ではいろいろあった」と意味深長な物言いをしています。(第8話)

このアイゼン発言の後、フェルンとアイゼンの会話は止まってしまいます。
普段は見知らぬ大人との会話もそつなくこなすコミュニケーション上手なフェルンですが、ここでは間を持たせることに苦労して、気まずくなっています。フェルンはアイゼンの様子から触れてはいけない事情がありそうだと感じ取ったのではないでしょうか。

そして、マンガのこの間の取り方は、「何かある」と感じさせるためのものでしょう。
どうやら、アイゼンの言う「いろいろ」とは、単なる「旅の苦労話」として笑い飛ばせるレベルのものではなさそうです。
つまり、ヒンメル達はエンデで何か「口にしたくないような事実」を見ていたのではないかと考えられます。
しかも、この時フリーレンは昼寝していたため、アイゼンの「いろいろあった」発言を聞いていません。
ということは、ヒンメル、ハイター、アイゼンの3人だけがこの「事実」を知っており、エルフのフリーレンには隠しているのではないでしょうか。
あるいは、フリーレンは記憶をなくしているとか、フリーレンも覚えてはいるけれども、思い出したくない出来事として記憶の底に封印しているため、アイゼンも触れることを避けているのかもしれません。
ここまで来ると、安直ではありますが、魔王はエルフの魂と魔族の魂を使って何かしているのでは?という気がしてきます。
しかし、これ以上のことはわかりません。魔族とエルフの類似点だけ見ておきます。
魔族とエルフの類似点
魔族とエルフには似ているところがあります。
起源
まずは起源です。
魔族とエルフの起源は同じくらい古いです。

もしかすると、魔族とエルフの起源をさかのぼると、元は同じ存在なのかもしれません。
神話の時代(もしかするとそれよりも前)の話ですから、フランメやソリテールの魔族の起源に関する説明がどこまで正しいかは疑ってみても良いでしょう。
古代のエルフのうち、繁栄のために人を捕食するよう進化した者たちが魔族で、生殖本能の弱い者たちはそのまま細々と生き残って現代のエルフになった…のかもしれません。
耳の形状
そう考えた場合、気になるのは魔族の耳の形です。
魔族代表としてソリテールを引用しておきます。(髪型やフードで耳の形を確認できない魔族もいますが、基本的には他の魔族も同じ形です。なお、クヴァールはかなり異形の魔族なので除外します。)

大きさは人間と同じですが、上端が尖っています。もともとエルフと同じ長耳だったものが、人間に似せて短く変化したのかもしれません。
寿命
魔族がどれくらい生きるものなのかはっきりとした説明はありませんが、魔族の寿命は人間よりもずっと長く、しかしエルフほど長くはないようです。
もともとエルフと同じくらいの長寿だったのが、繁殖力の代償として、進化の過程で少しずつ寿命が人間に近づいているのかもしれません。
相違点
魔族がエルフと決定的に異なるのは、死ぬと魔力の粒子になって消えることです。エルフの場合、普通に死体が残るようです(フランメがフリーレンを助けた集落の描写から)。
なので、魔族エルフ起源同一説を採るなら、生物学的な進化の結果で分かれたと考えるのではなく、魔法の力か女神様の力によって分かれたと考えるしかないでしょう。
この推測に関しては「水鏡の悪魔(シュピーゲル)」に関する考察も参照してください。
『葬送のフリーレン』の結末予想
下の記事で扱っています。
補足(エルフと魔族の対比(クラフトとソリテール))
魔族とエルフの対比に関して、私が疑問に感じていてどう捉えてよいのかわからないこととして、クラフトの「俺たちはエルフってことだ。」(第24話)と、ソリテールの「私たちは魔族なのよ」(第103話)があります。


