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【無料公開】私が見た「史上最悪の店長」  ——“家族想い”を言い訳にするな。——

「ああは絶対なっちゃダメ」──“最悪の店長”を見て、私はそう心に決めた。
現場にいない。決断もしない。責任は取らず、最後には保身に走る──。
けれど彼の“最大の罪”は、そこじゃなかった。
私が見た、TSUTAYA中目黒店でのリアルな現場と、そこから得た痛烈な教訓を記します。これは、未来の「あなた」への反面教師の記録です。

あなたならこんな店長がいたらどうしますか??

「ああは絶対、なったらダメだ」

これは私が“店長”という職を引き受けるとき、最初に心に刻んだ言葉だ。

そのきっかけになったのが、今回話す男──
私がこれまで出会った中で、間違いなく“史上最悪”の店長だった。

もちろん、ここで話すのはただの悪口ではない。
すべては反面教師として、自分の現場に活かせる話にするために、記録しておく。

“本社と現場、どちらの目線もわかるはずだった”男

その店長は、私が中目黒のTSUTAYAでアルバイトをしていた頃、5人目の店長としてやってきた。
当時30代後半で、数年前に結婚したばかり。赴任当初は、ちょうど奥さんが妊娠中だった。

学生時代には三軒茶屋店でバイト経験もあり、その後は本社に入社。
直近では「出店企画部」という部署にいて、新店の立ち上げを担当していたらしい。

つまり──
**「本社と現場、両方の目線を持つ貴重な人材」**として、ある種の期待も込められて送り込まれたわけだ。

実際、着任初期は柔らかい雰囲気で、滑舌は悪いが笑顔は多く、スタッフに対しても穏やかで丁寧な接し方をしていた。

「まぁ、悪い人ではなさそうだな」
それが、最初の数ヶ月の印象だった。

店長が“いないもの”として扱われ始めた日々

だが、そこから事態は急変する。

まず最初に起きたのは、子どもの保育園の送り迎えの問題だった。
「家庭の事情で午後には帰ります」という名目で、店長は毎日午後には店を出ていくようになる。

次に、奥さんの出産が近づき、体調も不安定になったことで完全に「午前中だけの出勤」に。
子どもが生まれた後は、数週間ほぼ休みに近い状態が続いた。

「まあ、育児は大事だしな」
──この時点では、そう思っていたスタッフも多かった。

……が。

そこに追い討ちをかけるように、重度のぎっくり腰が発症。
「1時間座っているだけで辛い」ということで、お昼にはマッサージの予約をしてはそのまま帰るという日々が続く。

そして極めつけは、生まれたばかりの子どもに重度の疾患が見つかり、通院と看病のためにほとんど店に顔を出さなくなった。

気がつけば半年以上、
**「店長は午後にいない」のが日常。
そして最終的に、「店長はいないものとして扱う」**空気が完全に現場に定着した。

崩壊の兆し

この頃の現場は、ギリギリの不満と、爆発寸前のストレスに包まれていた。

「この人、いつもいないよね……」
「あの人が何してるかとか、もう誰も気にしてない」
「でもさ、だったらなんで“店長”やってんの?」

そんな、不満の声が、あちこちから漏れ出していた。

中には「もう直接言ってやる」と怒りを抑えきれず、店長と口論になったスタッフもいた。
私の記憶でも、この時期が店長とスタッフの関係が最も悪化したタイミングだったと思う。

私はある程度店舗の運営を任されていた立場でもあり、店長不在でも現場が機能する状態にはしていた。
だから運営自体はどうにかなった。

それでも、「改装に関する最終決定」や「人事の判断」はやっぱり店長の権限だったから、あらゆる物事が妙に進まない。

店長は店にいない。
スタッフは納得していない。
意思決定も遅い。
なのに店は動き続けている。

──そんなカオスの中、誰もが心の中で思っていた。

「こんな人が“店長”でいいのか?」

そして、ついにその男は、
“最悪の称号”を手にすることになる。

最大の“政治家ムーブ”が炸裂した

最悪の事件が起きたのは、毎年恒例のCS(従業員満足度)アンケートのタイミングだった。

これは全スタッフが匿名で意見を入力する仕組みで、本社にもレポートが上がる。
普段は当たり障りのない内容で終わるが、この年ばかりは違った。

店長に対する不満はすでに沸点に達しており、正直に書かれたら袋叩き必至だった。

そこで店長が動いた。

いや、逆に動かなかったのか──
入力締切の2時間前になるまで、アンケートの案内を一切しなかった。

私はたまたまその時間にシフトに入っていたため直接聞かされたが、当然仕事中だったため対応できず。
他のスタッフは、そもそもアンケートの存在すら知らなかった。

後で別の社員にこっそり聞いたところ、

「……あれ、たぶん、わざとだと思うよ」

という返答が返ってきた。

つまり、店長は「自分に批判が殺到すること」を予期して、
あえてスタッフへの案内を封じた。

確信犯の情報隠蔽。
その姿勢はまるで、都合の悪い質問を潰す現代の政治家のようだった。

言い訳と、末路

私はあとで一応、店長に聞いた。

「なんでアンケートの案内、もっと早くしなかったんですか?」

店長は言った。

「いや〜、俺も他の社員もバタバタしてて、ちょっと忘れてたんだよね〜💦」

……いやいや。
バレバレです。

公平性も、誠実さも、スタッフへのリスペクトも、全部捨てて、
自分の保身を最優先にしたその姿勢こそが、この男が“史上最悪”である理由だった。

その後、店長は支店長に強く叱責されたらしい。
最終的には体調不良を理由に長期休職に入り、戻ってくることはなかった。

最後に:

この人の最大の罪は「不在」じゃない

「改装も進んだし、現場は回ってたから、別にいいじゃん」
と思う人もいるかもしれない。

でも──違う。

この人の最大の罪は、「いなかったこと」ではなく、
「誠実でなかったこと」だ。

事情がどうあれ、ちゃんと向き合って、謝って、感謝して、頭を下げていれば、
ここまでスタッフとの関係が壊れることはなかった。

私が得た教訓

この出来事を通じて、私は強く思った。
• 店長がいなくても回る現場を作るべき
• でも、誠実さだけは絶対に失ってはいけない

そしてもう一つ。
こういう人間には、絶対になってはいけない。



最後に、反面教師として。

たとえ誰かの人生の中でも、

「これが現場教育のリアルか」

と感じてもらえたなら、本望です。


▼このシリーズについて

本編『超・実践強化書』シリーズのサイドストーリーとして、
今後も「史上最悪の店長」や「名店長」の実例を紹介していきます。全部、実話。全部、現場のリアル。

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有料パートの本編も鋭意連載中。
はじめに  https://note.com/itayama_teacher/n/na4953ad302b9
1https://note.com/itayama_teacher/n/nf1112c74afbf
2https://note.com/itayama_teacher/n/n9250ffb2fb19

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